HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~渇愛~12



































「チャンミン?早く来いよ。」


待ちきれずユンホが浴室からチャンミンをよぶ。
扉の向こうでは洗面台の水音がなかなかやまない。
べとついた下着を脱がされるくらいなら死んだ方がマシ!と大袈裟に騒ぐから、仕方なくユンホは先に浴室で体を洗っていた。
チャンミンは多分洗面台で下着を洗っているのだろう。
その様子すらユンホには可愛く思えて知らず知らず口元が緩んでしまう。



こうして幸せに酔ってるようで、何の問題も解決していないことは十分承知していた。
でも今は、もう限界だと伸ばした腕を引き寄せるようにチャンミンが掴んでくれた、それだけで。









こんもりと泡立てたソープでチャンミンの体を洗ってやる。
幼い頃はユンホがイスに座ってやっと目線が近くなったのに、たった7年でお互い立ってこんなに近い。
「大きくなったな。」
「…当たり前だよ。」
「タバコの痣もほとんど消えて分からない。」
「ん、…脇腹にほんの少しだけ、」


どれ?とユンホは脇腹へ顔を寄せた。
言われてみれば少しだけ、きめの細かいつるっとした肌の色素が沈着した痕。
「…チャンミナ、…」
ユンホはその痕を優しく撫でる。
これほど年月が経とうと消えない傷痕、虐待され痩せ細ったチャンミンを思いだしユンホの胸は痛んだ。
「でもね、ここのみんなが大切に育ててくれたから。感謝してる。本当に感謝してるんだ。」



穏やかに微笑む愛しい子を見て、幸せにしてやりたいとユンホは心から思う。
自らの欲求よりも優先してどんな苦境からも守ってやりたい、こんな感情が自分のなかにあったのだと驚き、そしてその感情が向けられる唯一の存在がチャンミンなのだと確信していた。






ほら、入りな。と先に洗ったチャンミンを浴槽へ入れ、ユンホは頭を洗う。
なみなみと張った湯が気持ちよく溢れ、チャンミンは勿体ないと言うがユンホはこれが好きで時々湯を張るのだ。
シャワーの水音と湯けむりで少しだけ距離ができたユンホを浴槽の縁に両腕を交差しチャンミンは眺めていた。



昔よりもさらに厚みが増した男らしい体。
シャワーの水圧に負けない弾力と弾かれた湯が筋肉の筋をつたってしたたるさまが本当にセクシーで、同性の体に見惚れるなんておかしいとチャンミンは思うけど仕方ないのだ。
つい目がいってしまう中心もユンホが隠そうとしないから丸見えで、チャンミンは自分のと見比べ恥ずかしくなってしまう。




シャワーを止めてバサッと頭を振る。
水滴を拭うように髪の毛をなでつけくっきりと現れた輪郭の美しさにチャンミンはため息が漏れそうだった。



「なあ、チャンミン。俺たち、初めて会話をしたのもここだったよな。」
ユンホがそんなこと言い出して、チャンミンは慌てて目をそらした。
「う、うん。今と同じ位置にいて、…ユノ、義務とか権利とか難しい言葉で熱く話してくれたよね。」
「あー、…ハハ、難しかった?」
「ん、だって字も読めない子供に権利とか、半分も言ってる意味分かんなかった。」
チャンミンが冗談めいて話せばユンホも自嘲ぎみに笑う。



「でも、…ユノが真剣に僕のこと考えてくれてるのだけは分かった。」
「……チャンミン、」




そうなんだ、
もうあの日に僕の運命は決まっていたんだとチャンミンは思う。


真っ暗な段ボール箱から射し込んだ光のなかにユノを見たときから。
ここで、寝る前に布団のなかで、冷めて見えたユノの真剣に語る眸の奥に熱を見たときから。



「ね、あの時ユノは言ったよね。大切なのは運命を受け入れてそれをどう生きるか、だって。」
「…ああ、…言ったな。」



「僕の、…僕の運命は、ユノ、あなたです。ユノが望むなら何でもする。…旦那様に愛されろと言うならその通りに努力する。」
「っ、チャンミナ、…!」





「僕の生きる意味は、…ユノだから。」




バシャっと湯が跳ねる。
伸びあがったチャンミンの体。
ユンホの腕がチャンミンの肩を背をきつく引き上げる。
「僕も、ユノのことをずっと、…」
「言うな、っ、…チャンミン、」
「っ、…」



ユンホに抱きしめられ埋めた頬を水滴が滴る。
ユンホの髪から首筋を、そしてチャンミンの額から頬をつたってそれは涙のようで。



「俺は、覚悟を決めた。この半年ばかりで何ができるか分からないけど、お前を親父の何人もいる愛人のひとりにはしない。」
「…ユノ、…」
「でも危険なんだ、分かるだろ?あの親父だ。俺はいい、何を失ってもチャンミンだけは守るから。」



両手で頬を包まれ、チャンミンの視界には真剣なユンホが映っていた。 
何の策もなく父親の恐さを心得ていてなお揺るがない強い意思。
いつの間にとチャンミンは思う。
何がユノにそこまでの決心をさせたのだろう。



「だから、お前は何も言うな。俺だけが一方的にチャンミンに劣情を抱いて無理に襲ったんだ。お願いだ、…お前の逃げ道だけは確保させてくれ、…」



こんなときでさえ過保護な兄の姿を覗かせる。
つい先程まで大勢のチンピラを威嚇し萎縮させた人と同一人物とは思えない。
チャンミンはユンホをそうさせてるのは自分だと思った。
自分が弱いから、頼りない自分はユノの最大の弱点になるのだ。




「ユノ、…もし旦那様が何があろうとお許しにならず、息子のユノにまで危害を加えようとしたら、…」


僕だってユノを守りたいよ。


「すぐに僕を旦那様へ差し出して。旦那様の愛人になろうと、もしかして売られちゃっても、僕の気持ちは変わらないよ。」


ずっとずっと守られてきた。
その広く優しい腕のなかで僕は生きることを許された。
そしてこれはもう、きっと、…最初から。



「愛してる。ユノ。」






はらはらとチャンミンの頬を涙が濡らした。
悲しいわけでもツラいわけでもなく、チャンミンは幸せだった。
もう二度とユンホへ伝えることは叶わないと諦めていた想い。 
そして、ユンホの想い。





この先何があろうとお互いの想いが通じたこの日を忘れないと、


以前やるせなさでぼろぼろ泣いてしまったのとは違う、幸せで満たされた、そんな涙だった。









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