HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~最愛~2



































「チャンミン、会いたかったよ。」
そう言いながら、シドは両手でチャンミンの手を握る。
そこに握りこまれた直径1センチほどのものがチャンミンの手に渡り、映画やテレビでしか見たことのない盗聴器なんて物騒な代物をチャンミンはまじまじとながめた。


「…こんなの、いつの間に、…」
隅々まで掃除していたはずなのに、見つけだせなかったのは自分の責任だとチャンミンは罪悪感でいっぱいだった。


「ふふん、屋敷の警備をかいくぐって離れに忍び込むのは大変だったよ。チャンミン、俺ね、…実は先祖が忍者なんだ。」
「っ、え、…ウソ?」
目をまん丸くさせたチャンミンへずいと近寄り冗談だよと言いたげに目の前の頬へ手を伸ばしたシドが、チャンミンの避ける間もなく逆に後ろへ吹っ飛びダンと壁が鳴る。



「っ、…痛ってぇ、…っ、」
「ここへ来るとき、チャンミンには触るなと言ったはずだ。」
「っ、ユノっ!」
決して軽くはないシドを片手で払いのけ壁まで吹っ飛ばしたのは勿論ユンホで、冗談なのにと文句のひとつも言いたいシドだったがユンホの顔を見ては何も言えない。
ああ、初めて会ったあの日の顔だとシドは思う。
随分ユンホに慣れたはずなのに、ゾクリと冷や汗が滲み鳥肌が立つ。






「あ、あの、…」
何もしていないがとにかく謝るしかないとシドが口を開いたとほぼ同時に、「ごめんなさい!」と先に謝ったのはチャンミンだった。
「チャンミナ?」
ユンホの表情が落ち着き、目の前で頭を下げるチャンミンを不思議そうに見つめる。
「僕、エナさんのところへ行くとき玄関の鍵を開けっぱなしだった。それに、毎日掃除してるのに盗聴器なんてまったく気づけなかったから、…」
ユンホは頼りなくすぼめた肩へ手をかける。
「違う、悪いのは俺だ。侵入者の形跡にまるで気づかず1週間も盗聴されてた。ごめんな、チャンミンを怖がらせた。」
その手をそっと引き寄せたユンホへボスンと抱きつきチャンミンは鼻先を擦り合わせた。
二度三度往復し、…くん、と匂いを嗅げば不思議なほど気持ちが落ち着く。
「怖くないよ、…ユノが居れば怖いことなんてない。」
「チャンミナ。」



思い出したくもない出来事だろうに、その張本人のリーダーを連れてきて盗聴器などというショックを与えてしまった。
出来ればチャンミンに知らせず済ませることが出来れば良かったのだけれど。


シドの行為に悪意がないのはわかっていた。
ユンホを脅すつもりではなく純粋に自分の実力を知らしめたかったのだろうとユンホは思う。
情報収集力をうたい文句にユンホの下で働きユンホへ尽くしたいと根気よく通ってきた男だ。
最初は相手にしなかったユンホもそのうち少しずつ打ち解けていった。



頭が良く気が利く、そしてどこで調べてくるのか情報に通じており、ユンホはこの男へ全幅の信頼を寄せるとまではいかないが近く置くことにしたのだ。






コホンッ、とわざとらしい咳払いが聞こえてチャンミンはハッとする。
シドの存在を忘れていたわけではないが、ついユンホとの今や挨拶のようなスメルキスに夢中になってしまった。
「え~っと、仲がいいのは大変よろしいんですけど、…俺、なんか殴られ損じゃないっすか?」
「うるさい。チャンミナにちょっかいかけるならもう帰れ。」
「え~、せっかく飛びきりの情報を持ってきたのに?」
自分の腰に置いたユンホの手にさらに力が加わり、チャンミンはシドが自分達のことを知っているのは本当なんだと思った。
それに対して嫌悪感を抱くでもなく、どちらかというと羨ましそうに見える。 


「あ、あの、シドさんは盗聴器で僕らのことを?」
そう言えば盗聴器はどこに仕掛けてあったのだろう。
戻ってきた時間を考えても奥の寝室へ入ったようには思えないし、寝室だとしてもこの1週間は期末考査期間でほとんどユンホと触れ合ってないのだ、それでバレるとは考えにくかった。


「あー、ユノさんとチャンミンの関係が普通じゃないってのは最初にクラブで会ったときに気づいたよ。で、調べてみたら色々出てきた。むちゃくちゃ過保護なんですね、ユノさん。バイト終わりに必ず迎えに行くわ、最近では土日の打ち合わせはあのバーを会議室代わりに使ってるんですって?店は女性客が増えるしユノさんはチャンミンを監視できて一石二鳥ですね。」


「お前うるさい。やっぱ帰れ。」


ユンホはからかわれるのは好きじゃない。
もうずっとジノにからかわれ続け飽き飽きしているのだ。


「でも、盗聴器は?」


そんなユンホをよそにチャンミンの関心は盗聴器でどんな会話を聞かれてしまったのだろうということだった。
シドは、ん~?と勿体ぶるように頭をひねる。


「残念ながら濡れ場には遭遇しなかったなぁ。ユノさんがどんなふうにチャンミンを抱くのか聞いてみたかったけど、」
「っ、な!///」
「てめえ、…っ、」


アハハと笑ったシドは、チャンミンが第一印象で抱いたようにやはり悪い人間には見えなかった。
それにハイルより2歳年上だが同学年とは思えないほど落ち着いて大人っぽい。


「あ、そう言えば、…チャンミン、この部屋で勉強したことあるだろう?」
「あ、はい。」
確か数日ユンホが忙しくまったく顔を合わせない日が続いたから、せめてユンホがいつも居る部屋でユンホの匂いを感じたくて居間で勉強したことがある。




「あ、──待て。」
何かを思い出したようにユンホがポツリと言った。


「待ちません。」
シドも負けじと。


「ずっと勉強してるなって音声の後、急に静かになったわけ。おそらくチャンミン、机に突っ伏して寝ちゃったんだろうね。そしたらユノさんが帰ってきてさ、…っぷ、」
「おい!///」
シドへ掴みかかり無理やり止めようとしたユンホへ今度はチャンミンがユンホへ体当たりする。
「っ、ユノが帰ってきて、…なに?」
「こら、チャンミナ!///」


チャンミンの目はキラキラ輝いた好奇心のかたまりで、でも仕方ない、ユンホのことはなんだって知りたいのだから。
チャンミンは必死でユンホを羽交い締めする。
そんなのユンホにしたら軽く一蹴出来てしまうが、それをユンホはしない。
チャンミンにどこまでも甘いユンホはそんなこと出来ない。





一方シドは2人の関係性を間近で見て、チャンミンがこれほどユンホの弱点になりうるのかと驚いていた。
そして同時にユンホの起爆剤になりうることにも。


でも今はチャンミンに羽交い締めされたユンホが自分に殴りかかってくることはないだろうと気を良くし、軽やかに話しはじめる。



「チャンミン、ぐっすり寝ててさ。ユノさんがチャンミナ~?って何度起こしてもまったく反応ないんだよね。そのうち何の音も聞こえなくなって、ユノさんが諦めてシャワーでも行っちゃったのかと思ってたらさ、…その、なんてゆーの?肌と肌が擦れあう音?」
「っ、え?///」
「……。」


チャンミンはまったくその日の記憶がない。
テスト期間で寝不足が続き勉強しながら途中で寝てしまって、…確かシャワーから出てきたユノに起こされたような、…


チャンミンはチラッとユンホに目線を向けるがユンホの視線はわざとらしいほどチャンミンを避ける。




「よ~っぽど疲れてたんだなぁ、チャンミン。好き勝手されても全く起きる気配なかったもんな。」
「え、…ええーーっ!///」


「お前、…言い方がいやらしい。ちょっとあちこちキスしてただけだろう?」
「ちょっとじゃないでしょ。いつ終わるんだろ?って聞いてるコッチが疲れちゃいましたもん。」
「じゃ、聞くなっ、」


「でも合間合間に好きだよ~だの、可愛い~だの、あんなに甘く囁かれたら俺の方がドキドキして大変だったんですって!」
「っ、…///」


そんな2人のやりとりを聞きながら、チャンミンは身体中が沸騰しそうだった。
自分が意識のないときにユンホがそんなことをと嬉しかったり、どうして起きなかったのだろうと残念でしょうがなかったり。



「ああ、もうヤバイとかってシャワー行っちゃうから俺も付き合いでシャワー行っちゃいましたよ。ユノさん、俺初めて男同士のそれも一方的な音声だけで抜いちゃいました。」
「っ、おまっ、…!」



もう我慢ならないとシドへ掴みかかろうとしたユンホをまたもチャンミンは阻止する。
真っ赤な顔して、でも爛々と眸を輝かせ、つい言ってしまった。



「あの、…録音とか、してませんか?///」




ぶっ、と思わず盛大に吹いたシドとそんなチャンミンに慣れっこのユンホは苦笑いで2人同時にチャンミンを見つめ、どうして笑われるのか分からないチャンミンだけがキョトンとしているのも相変わらずだった。











それが良かったのか、チャンミンとシドはすんなりと打ち解け、3人で土産の寿司やチキンを広げ楽しいひとときを過ごした。



チャンミンが後片付けをしている間ユンホとシドは何やら真剣に話していたが、チャンミンは特に気に止めず片付けに没頭した。
それよりも今日は期末考査の結果発表の日で、わざとらしく予定表を居間の机に広げておいた。
だから今日は早く帰ってきてくれたのだとチャンミンは信じたい。



明日は休みで、夜はまだ長い。
“ご褒美”という文字が頭に浮かんではニヤニヤと口元が緩んでしまうチャンミンだった。



















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