HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~最愛~3

































「俺ね、ユノさんのストーカーなんだ。」
「…へ?」


そろそろ帰ろうかと腰をあげたシドが、ちょうどかかってきた電話でユンホが席を外した隙にチャンミンの隣へすり寄り囁いてくる。
シドはニヤリと意地の悪そうな顔をしていた。


「ユノさんに一目惚れして夢中でストーカーばりに追っかけ回してやっと少し振り向いてもらえた。」
「……。」
わざと意味ありげな言い方をして、シドはチャンミンの反応をうかがう。
チャンミンに会うのはこれで二度目、最初は周りを敵に囲まれながら強い意志を持つ大きな眸と、弱いくせに助けを求めず強がってるふうでもない清廉とした綺麗さが印象的だった。




「シドさんは、忍者のうえにストーカーなんですね。」
「は?」
チャンミンはニッコリ笑っていた。
それがユンホの周りを嗅ぎまわってすぐにチャンミンの存在が浮上し、幼い頃から面倒をみてもらいユンホへ頼りっきりの甘えっ子だとシドは認識を改めていた。
「俺がユノさんと親密になったらチャンミンは妬けない?」
「ん~、…きりがないです。それよりもご先祖が忍者って本当ですか?何か縁のものでもあるんですか?」
わくわくと好奇心旺盛なチャンミンがシドには子供っぽく映り、先程の録音うんぬんの発言といいユンホには幼すぎて2人の関係は親子や兄弟関係の延長線じゃないかと思う。




「な、…本当に東神組の組長と愛人契約を結んでるの?」
「っ、…!」
試しにシドがそう囁けば、一瞬で強張ったチャンミンの顔色が見る間に悪くなっていく。
「あー、これはユノさんに聞いたんじゃなくて、ちょっと調べたらすぐ耳に入ってきた。俺さ、それなりに組関係の知り合いがいて、結構知られてる話みたいだな。」
「…そ、うですか、」
明らかに動揺しているチャンミンを見てシドはもっと虐めてしまいたくなる。
チャンミンを気に入ってることに変わりはないが、ユンホへ心酔してからチャンミンはユンホにとって邪魔な存在なのではないかと感じることもあった。



「これっていわゆる裏切り、だよね。実の父親で組長の愛人に手を出してさ、ユノさん、バレたら立場的にマズイんじゃないの?」
脅すつもりはなくチャンミンの真っ直ぐな目を見てると濁してやりたくなるシドだったが、一瞬チャンミンから投げられた鋭い視線に空気がぴんと張りつめた。
「……。」
「や、べつに告げ口するつもりじゃない。俺はユノさんの味方だし、チャンミンの味方だからな。ただ、…」
シドはユンホが心配だった。
まだ幼いからと組長さえ手をつけなかったという。
それを息子が先に手をつけてしまった、公平に見て断罪されるべきはユンホなのだ。



だからどうしてもチャンミンに会わせてくれとシドはユンホへ詰め寄った。
試しに盗聴器を仕掛けたことを告白し、思いきり腹を殴られ暫く意識を飛ばしたがそれも想定内で、それでもチャンミンに会いたいと懇願した。
この目で見て、知りたかった。
ユンホへついていくと決め、排除すべきはチャンミンなのか、…それとも。






「シドさんは、信用できますか?」
「…え?」


「あなたにとってユノが絶対的な存在だと、言えますか?」
「あ、ああ、もちろん。」


シドはまだ自分の身分をユンホへ明かしていない。
自分自身でもっとユンホの信頼を得てから明かし、それをユンホが吉と取るか凶と取るか、ユンホへ任せるつもりだった。
それだけシドにとってユンホの存在は大きく、慎重にならざる得ないのだ。


「ヤクザで言えば、あなたにとってユノは親のようなもの?」
「そうだ。」
食事がてらシドがどれほどユンホへ猛烈なアタックをし、ユンホの為に働きたいと思っているか散々話したばかりなのに、チャンミンは確かめるように真剣な表情を崩さない。





「…では、ひとつだけいいですか?」
「なに?」




「もし親であるユノが“これは黒だ”と言おうが、あなたは“これは白だ”と言ってください。」
「は、…どういう意味、…」



シドには何のことか分からないが、幼いと思っていたチャンミンがなぜか恐ろしく大人びて見えた。



「ユノの身に危険が及びそうであれば、構わずシドさんが僕を切り捨てて。旦那さまへ裏切者だと僕を差し出してください。ユノが何て言おうと、“これは白だ”と諫めてほしい。こんなこと、…義理であっても兄のジノ兄さんには頼めないから、…」
「…チャンミン。」



数秒、チャンミンの強い視線がシドに絡む。
綺麗事ではなく本気なのだとシドへ伝わり、チャンミンを甘えっ子だと思っていた自分の浅はかさを悔やんだ。
弱く見えて強く、幼いのに大人で、…なんて不安定なんだとシドは思う。
それがチャンミンの魅力を一層引き立たせ、ユンホを捉えて離さないのだと一瞬で悟るくらいに。






「チャンミン。言った筈だよ、…俺はユノさんとチャンミン、2人の味方だ。」
「……僕の味方じゃなくていいです。ユノを最優先できる人であってほしい。」


思ったより頑固だなとシドは思うが、ここはうんと言わないことにはチャンミンの強い視線から逃れられそうになかった。





「ああ、…わかった。でも俺なりに出来ることもあるだろうから勝手にするよ。」
「…、シドさんは、何者なんですか?」




俺は、…そう言いかけたシドへ被せるようにユンホの声がした。
「ハン・ジョンイの頭の痛い三男坊だ。うちでいうハイルだな。」
それはチャンミンでさえすぐに分かる資産家で有名な大物政治家の名前だった。
チャンミンも驚いたがシドも驚いた。
ユンホが知っていたのも驚いたが、考えてみればユンホのことだ、細かく調査をした上でシドを近くに置くのは当然のこと。
それよりも身分を知って、それでもまったく態度が変わらないユンホへシドは驚いたのだ。



そんなシドの思いが伝わったのか、ユンホは片方の口角をもちあげ薄く笑った。
「お前とお前の家は関係ない。ただ政治家の息子がヤクザの息子にたぶらかされたと中傷されても知らないからな。」



「それより、」


ユンホの眉が不機嫌そうにシワを刻み、視線はシドと隣にいるチャンミンを交互に捉えていた。


「俺がいない間に寄り添って何を話してた?」
「え?」
「は、…ちょ、ユノさん?」


シドが大物政治家の息子であることよりも余程大事件のようにユンホが声を硬くするからシドは何だか可笑しくなってきた。
自分のバックにある肩書きなどこの人には関係ないんだと思えたし、隠そうとしないあからさまな嫉妬が普段のユンホから想像できず可笑しかったのだ。



「ユノさんの弟分にしてほしくてくっついてんのに、チャンミンへ手を出すわけないじゃないですか。」
「お前はチャンミンの肩を抱いたから信用ならない。」
シドはしばらく考えてやっとユンホと最初にクラブで顔を合わせたシチュエーションを思いだし、笑ってしまいそうなのを何とか堪えた。




水を打ったようにあの日クラブの客を黙らせた青い炎が、今は小さな事で嫉妬の炎を燃やしている。




チラッとチャンミンを見れば、シドを見つめる視線はいまだ真剣で物言いたげに口を結んでいた。
先ほどの話を絶対にユンホへ漏らすなと言ってるようで、シドは微かに頷く。
それを確認し無邪気に目をくりっとさせたチャンミンが、「シドさんが本当に忍者の子孫なのか聞いてただけだよ。」と、笑った。














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