HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~最愛~4




































この離れはすべて和室で、ダイニングキッチンだけが浮いたように洋風だった。
だからイスと言えばここにしかない、ソファすらない家なのだ。
シドを見送ったあと、そのままユンホはチャンミンの手を引きキッチンへ入る。


「ユノ?まだお腹空いてるの?」
そう問いかけたチャンミンへユンホは答えず、代わりにキスの雨を降らした。
本当に雨だと、それもざあざあ降りの雨のようにいきなり激しくされて戸惑ってしまう。
「っ、…ユノ?」
「ん、」
「お腹、空いたの?」
「ん、」
ん、だけでは会話にならないのに、そんなことどうでもいいようにユンホのキスは続く。
顔をユンホの両手に固定されチャンミンは動かすことも出来ない。
噛みつくように口付けられピクリと跳ねた体を閉じこめるように抱きしめられた。



じりじりと後退する自分をチャンミンは分かっていたけど、トンと踵が何かにぶつかった弾みでそのまま腰が落ちたのがイスの上だと気づく。
「っ、はぁ…も、ユノ、…」 
これほど性急に攻めてくるユンホはめずらしい。
いつもは鼻先を擦り合わせてから唇へおりてくるのに、まっすぐ口を塞がれては急すぎてチャンミンの頭は真っ白になってしまう。
それもキッチンで軽くじゃない濃厚なのは初めてだから、こんな食事を作る健全な場所でと明るい照明に罪悪感を感じるのに、それがチャンミンの視線の先でくっきりと濃淡の影を落とし、ユンホの睫毛一本一本まで縁取られた美しさにキュンと胸が鳴る。




「もう少し、…浅く座りな。」
そう言われて、たまたまイスに落ちたのではなくユンホの思惑どおりだったのだとチャンミンは気づいた。
「え、…なに?」
ぐっと腰を寄せられユンホがチャンミンの前にひざまずく。
寝巻き代わりのスウェットにユンホの指が伸びるから、チャンミンの真っ白な頭がぐるぐる回転しだした。
「え、…ええ、っ、えーーっ、///」
ユンホの目的は何となくわかる、わかるけどいつもチャンミンが嫌がるからシタことないのに。




「──ご褒美、だろ?」


にっと笑った今夜のユンホはいつもより意地悪だとチャンミンは思う。


「でもユノ、…恥ずかし、…///」
「ん、…恥ずかしがって、」
「え、」
ぎゅっと押さえたつもりがユンホに触れられた途端力が抜ける、その一瞬を見逃さずズルッと一気に下着もろとも剥ぎ取られた。
いきなり冷たい空気に晒され恥ずかしさのなかチャンミンはぶるりと震える。
「っ、やだ、…///」
「駄目だよ、チャンミナ。」
ユンホの指が少しだけ反応したチャンミンの中心へ触れ、擦るように撫で上げた。
頭がチャンミンの足を割るように太股の間を行き来して、そんな敏感なところをと震える内側に口づけを繰り返し、またいくつも真っ赤な花を咲かすのだ。





「あ、…っ、や、…」


恥ずかしい、…恥ずかしくて堪らないのにユンホに触れられればすぐに反応してしまう。
ずっと試験週間で、ユンホも忙しくて、一緒に暮らしているのに寂しかったと、チャンミンは今さらのように気づいて胸がいっぱいになる。


「チャンミナ、もっとよく見せて?」
「ん、…っあ、あ、…」


ユンホの長い指が上下するたび、ぬちぬちと響くいやらしい音がチャンミンの思考を蕩けさせた。
こんな場所じゃ嫌だとチャンミンは思うけど、その手を離されるのも嫌なのだ。
口では嫌と言っても何が嫌なのか自分でも分からなくなった頃、目の前でひざまずいたユンホの顔が寄せられたのに気づく。



「嫌だ、 …っ、ユノ!」
「…どうして?」


チャンミンはユンホへ口でさせるのが嫌だった。
今まで何度か試そうとしたユンホだったけど、そのたび泣きそうに嫌がるから諦めていた。



「な、どうして嫌?俺はお前の全部が知りたい。」
しかめた眉の奥で切なそうに見上げてくるユンホへチャンミンの胸はきゅうっと潰されそうで。


でも、だって、ユノにそんなことさせられない。


いつかジノに見せられた男同士のDVDで、最初に飛び込んできた映像が口淫だったのがよくなかった。
それ以来チャンミンにとってそれだけはトラウマのように嫌悪の対象になってしまったのだ。




「…やだ。ね、ユノ、部屋へ行こう?お布団敷くから、…だから、」


男が男のものを口に含む姿は滑稽でしかなく、そんなことされて気持ちいいわけないとチャンミンは思っていたし、ユンホのそんな姿は見たくなかった。





「…チャンミナ。」
「……。」



「駄目だ。」
「…え?」



「今夜は許してやれない。」
「っ、ユノ?」



チャンミンが言うように滑稽だとは思わないが、でもチャンミンが嫌がるなら無理強いはしないと決めていたユンホだった。
けれど今夜はどうにもユンホ自身を制御できそうにない。
以前よりいっそう勉強に励むようになったチャンミンを兄の目線であたたかく見守ってきた。
試験週間であっても掃除やユンホの朝食作りは欠かさず、やらなくていいと言っても素直に聞き入れるチャンミンではない。
ユンホなりにチャンミンが落ち着いて勉強できる環境をつくるため我慢してきたつもりだった。



毎朝いつものように覗き見るチャンミンを布団へ引き入れず軽く口づけだけで済ませたり。
仕事が早く片付いた夜も、さっさと帰りチャンミンを抱きしめたい衝動をどれほど抑えるのに苦労したことか。




「チャンミナ、」
「でも、…」




今夜はユンホが待ちに待った試験終了後の週末だったのに、シドはそれを邪魔しただけじゃなくユンホの胸の奥へじくじく燻るような黒い感情まで植えつけていったのだ。



「…チャンミナ、…」



こんな醜い感情をチャンミンへ気づかれるわけにはいかないと思うユンホだったが、いつもと様子の違うユンホに誰よりもチャンミンは気づいてしまう。



深くシワを刻んだ眉間と細められた眸。
切なそうに結んだ唇のホクロまでチャンミンの心を揺らすのだ。
こんなユンホを見たことなどなかった。
ユンホはチャンミンよりずっとずっと大人で、いつも余裕たっぷりの態度でチャンミンを見守っていたのに。



「……チャンミナ。」



これ以上名前を呼ばないでと、チャンミンは眸を閉じた。


苦しい。
胸がキュウキュウと引き絞られるように疼く。
今まで向けられることのなかったユンホの感情や弱さがチャンミンにはただ嬉しく愛おしい。





「ユ、…ユノ?」
「ん?」


チャンミンはゴクリと喉が鳴りそうだった。
出来ればシタくないというのは今でも本音で。
でもユンホが望むなら自分のトラウマなんて小さいことだとも思う。
チャンミンは悩んでとっさに浮かんだ考えに頬を綻ばせた。



「ね、…代わりばんこだったら、…」
「は?」


「交代してくれるなら、…いいよ。」
「……、」




子供の遊びじゃないんだからと目を丸くさせたのはユンホだ。
何も言わないユンホへチャンミンはちょっと得意気に微笑んでいる。




「くっ、」
「あっ、…なんで笑うの?」
「くく、っ、…」
「あ、あーーっ!///」


ユンホは堪らず笑ってしまった。
おそらく自分は劣情と嫉妬にまみれた酷い顔をしていたと思う。
チャンミンを失望させたかもしれない。
本当はいつだって完璧で兄な自分でいてやりたいのに。



「チャンミンの前では、俺の悩みなんて小さいな。」
ふっとため息のような笑いを漏らしユンホが呟く。
「え、…何が?」
チャンミンはよく分かってないようだけど、それでいいとユンホは思う。



チャンミンのトラウマを聞いて知っていて、それでも求めたのだ。
嫌だと言われても今夜のユンホなら無理やりしてしまったかもしれない。
その後の自己嫌悪ははかりしれないが、それほど寄り添うように話し合うチャンミンとシドへ激しい嫉妬をおぼえた。




──それをチャンミンは気づいたのだろうか、




軽々とトラウマを乗り越えユンホへ笑いかけるチャンミンへ、




「もうトラウマなんて言わせないからな。」




そう不敵に笑うユンホと、ほんの少し後悔の色を滲ませたチャンミンの長い夜はつづく。















にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト