HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~最愛~7


































「っ、ぅわ!」


カランカランッと鳴ったアルミ缶に、予想外の平日だったからか考え事をしていたからか、ユンホは思わず声を出してしまった。
廊下の奥からバタバタと足音がする。
忌々しげに紐で繋げたアルミ缶の束をつまみ上げるユンホへチャンミンが飛び込んできた。


「おかえりなさい、ユノ!」
「ああ、ただいま。どうした?こんな平日に。」
そう言ってユンホは、チャンミンの返事を待たず鼻先を擦り合わせて唇を重ねる。
「あのね、っ、ん、」
一瞬離してチャンミンの話を聞いてやりたいが、我慢できず舌を滑り込ませチャンミンの舌を探した。


まだ靴も脱いでない。
玄関からホールへ結構な高さの上がり框で完全にユンホがチャンミンを見上げている。
最初は遠慮がちに中腰のチャンミンだったが、そのうち倒れこむようにユンホへ覆い被さり、ユンホもチャンミンの体重を受け止め満足そうに微笑んだ。


「あのね、…何となく会いたかった。疲れてる?少しでも話せる?」
くりくりの眸で覗きこんでくるチャンミンは自分だって疲れてるはずなのに、いつだってユンホへの気遣いを忘れない。
「ああ。お前こそ、課題は終わったか?寝る前に話すなら布団を並べるか。大丈夫、明日学校があるのに手は出さないから。」
優しげに笑うユンホへ、そんなはっきり言わないでよとチャンミンは恥ずかしい。
恥ずかしいのに、「実はもう並べてお布団敷いちゃった。」などとペロッと舌を出すチャンミンがどれほど無自覚なのかユンホは苦笑いするしかないのだ。












襖が静かに開きシャワーのあと腰にタオルを巻いただけで部屋へ入ってきたユンホを、布団には入らず単語帳を眺めて待っていたチャンミンはポカンと見つめた。
脱衣所にせっかく用意しておいた着替えはユンホの片手に握られていて、この寒いのに半裸でここまで来る意味はあるのだろうかと思う。



シャワーの設定が熱めだったと縁側の障子を開け体を冷ますユンホの湯上がりは目の毒だとチャンミンはくらっとした。
引き締まった逞しい体がほんのり上気して色っぽいことこの上ない。
手は出さないと誓ったユンホだけど、手を出されるように仕組んでるんじゃないだろうか。



「なに?チャンミン。」
あまりにチャンミンが凝視するから、ユンホは背中ごしでも気づいてしまう。
チャンミンは気づいているのだろうか、縁側のガラス戸に映る穴が開くほどユンホを見つめる可愛い自分の姿を。
「か、風邪ひくよっ!」
「あ、ああ。」
焦ったようにチャンミンが声を荒げるからユンホも焦って下着を履く。
ユンホにしたらチャンミンが寝てしまわないか心配で急いで戻ったのだ。
それを蕩けたような視線で自分を見続けるチャンミンが愛しくて可愛い。
Tシャツを被りながらチャンミンへ近づき、手の中の単語帳をパタンととじ、チュッと軽くキスをした。
「これ以上そんな顔で見てきたら襲うぞ?」
冗談混じりでユンホが言えば、むっとしたのかチャンミンが唇を突きだすからそこにまたキスを落として笑いながら体を離す。
今日が平日だということはユンホもチャンミンだって分かってるからこれ以上求め合うことは憚れる2人なのだ。








ユンホは明日、会社の金庫にあるビルの権利証と小切手を持って父親を訪ねるつもりだった。
多忙のガンソクへは前もって約束を取りつけてあり、短時間ならと与えられた面会はユンホにとって運命を左右するものになるだろう。



出来ることなら起きているチャンミンに今夜会いたかった。
会えてよかった、とユンホは思う。



父親と言えど、物心がつく頃には離れで生活をしていたユンホは父親らしい父親との思い出などない。
自分に相対するとき、ガンソクは常に社長であり組長だった。
乾いた親子関係に潤いをくれたのはエナ達使用人と兄デイルの存在だった。
感謝している。
父親と縁を切ることがエナやデイルを裏切ることになるかもしれない。
それでも、望んでしまった。
チャンミンを。
チャンミンとの未来を。



ガンソクは所謂経済ヤクザのはしりであったが、父親から受け継いだ義理と面子を重んじる昔気質なところもあった。
プライドが高く裏切りを許さない。
ユンホは考えたくはないが最悪のケースを何度も頭に浮かべた。
一番最悪なのはチャンミンを奪われることだ。
きっと容赦ない制裁が待っていることだろう、それだけは何としても避けなければならない。
自分の身を挺してもチャンミンだけは。
それがユンホの最低条件だった。








「ねえユノ、兄さまってスゴいんだね。」


常夜灯の明かりに照らされたチャンミンの話し声でユンホの意識は戻される。
お互いそれぞれの布団に入っていて、手を伸ばしてやっとという距離のチャンミンへユンホは視線を向けた。


「大学在学中に予備試験を合格して司法試験も一度で通ったって。」
「ああ、そう言えば兄さんも弁護士の資格を持ってたっけ。」
デイルは弁護士になるつもりなどないのに、株トレードの片手間に勉強して司法試験という難関を突破するほどの秀才なのだ。
「でね、兄さまが使ってた参考書をもらったんだ。」
「へぇ、…って、ちょっと待て。お前、兄さんに弁護士目指してることを話してるのか?」
夏休みが終わって朝の散歩でデイルとチャンミンが会うことはない。
いつの間に?とユンホは聞き捨てならず、思わず上半身を起こした。



そんなユンホへチャンミンは無邪気な笑顔をむける。
「最近兄さま、朝は寒いから夕方に散歩してるんだって。毎日のように会うからつい話しちゃった。」
エヘヘと笑うチャンミンへ、どう考えてもチャンミンの生活に合わせて散歩時間を決めてるんじゃないのかとユンホはイラつきを隠せない。
「そうか、…よかったな。」
けれどそれを何とか閉じこめ物分かりのいい兄のふりをする。
「うん。時々分からないところを教えてもらうの。兄さまは家庭教師としても優秀なんだ。」
そんなこと自慢げに言われたら、ユンホの我慢の糸がプチっと切れた。




「ひゃあっっ!」
ガバッと思いきりチャンミンの布団を剥げば、突然の冷気にチャンミンの体が一気に縮む。
「な、なに?ユノ、…どうし、っ」
突然覆い被さり口づけるユンホをチャンミンは戸惑いがちに見つめた。
急すぎて開きっぱなしの視線の先にユンホの長い睫毛が見える。


ああ、目尻へ流れるラインも綺麗だ。


戸惑いがうっとりと夢心地に変わる頃にはユンホの舌がチャンミンの口内を縦横無尽に這いまわっていた。
それをチャンミンはしっかり受け入れ、お返しのように自分のを絡める。





「っ、はぁはぁ、…チャンミナ、…」
「ん、…なに?」
チャンミンは呼吸を荒げるユンホにドキドキした。
常夜灯の明かりに浮かぶユンホは獰猛な獣のようで普段の兄なユンホからは想像もつかない姿が堪らなく扇情的だった。



「っ、…くそ、」
「ん、っ!」



間違えるな、お前の教師は俺だと、
そう言ってしまいたいユンホだが、あまりにチャンミンの視線が艶やかにとろみを帯びて、自分への欲情を真っ直ぐ伝えてくるから言えそうにない。


ユンホは何度も角度を変え貪るようにチャンミンの口内を味わい尽くした。
キスだけでどろどろに溶けそうなほど熱い。
はち切れそうに滾ったものを、油断したら押しつけてしまいそうでユンホは少しだけ腰を引く。
明日は学校があるのだからと頭のなかで呪文のように唱えた。



「ユノ、」


そんなユンホの腰へそっと重なったのはチャンミンの手で、


「あのね、怒らない?」
「…何を?」


「またあのDVD観ちゃって、…」
「…?」


「ユノが疲れてるとき、…自分で準備できたら楽かな?って、…」
「…は?」




「前に、ジノ兄さんにも自分で準備できるように勉強しろよって言われてて、」


「はあ?、…っの野郎!」




起き上がろうとするユンホの首に巻きついたチャンミンが、恥ずかしそうにユンホの胸に顔をうずめる。



「あ、っ違う。あの、…で、…シテみた。///」
「……え、」




「だから、…シテ?///」
「……。」





ユンホの脳内がぐわんと一回転したような衝撃を受け、呆然とするユンホを見上げるチャンミンと視線が絡む。
恥ずかしそうに数回まばたきをするチャンミンに、ユンホは冷や汗ともつかぬ変な汗をかいてしまった。


誰の為でもない自分だけの為にと思えば、おかしいほどの愛しさと独占欲がわく。
言葉のでないユンホへ、「呆れた?」と心配そうに聞いてくるチャンミンをむちゃくちゃにしたい衝動さえ生まれる。





「…チャンミナ、…」
「え?///」





──バカ、…とユンホは小さく囁き、ゆるりと愛しい体を抱いた。






迷いなどない。
欲しいのは、ひとつだけなのだと。
















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