HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~最愛~8




































翌朝、ユンホの腕のなかでチャンミンは目覚めた。
少しだけ腰が怠いけど起き上がれないほどではない。
昨夜はユンホが気遣い、出来る限りチャンミンの負担が少ないように優しく抱いた。
肩に掛けた足の内側をユンホの唇が往復し、繰り返される抽挿はゆっくりと柔らかい。
もっと、…と、つい口走ってしまうチャンミンに与えられるキスは情熱的で、激しく舌を絡め唾液を交換しあった。
何度も愛してると囁かれ、蕩けてしまうと塞いだ耳の奥までユンホの舌が愛した。
溶けるように縺れあい重なりあう一体感。
幸せで、漏れる息遣いさえ甘い、2人だけの夜を過ごしたのだ。









チャンミンは気持ち良さそうに寝入るユンホの顔をまじまじと見つめ、鼻先をかすめるくらいの距離で匂いを嗅ぐ。
そして左肩の下、ユンホがしつこく付けた真っ赤なしるしに触れてなぜか無性に泣けてきた。
どうしてだろう、こんなに幸せなのに。
そう思えば思うほど涙がとまらない。



ユンホを起こさないように声を殺して泣く。
はらはらと音もなくそれはチャンミンの頬を濡らし枕を濡らした。
好きすぎて泣けるのだとチャンミンは自らを言い聞かせる。


悪い予感だなんて、思いたくなった。















どんよりと灰色の空は今にも雨が降りそうで、枯れた枝が突き刺すように伸びた空をユンホは見上げた。



今朝ユンホが寝ている間にチャンミンは登校したらしく、居間にはいつものように食事の用意がされていた。
昨夜無理をさせたからいらないと言ったのに。
そうは言ってもチャンミンが用意するのは分かっていたし、ユンホもしっかりと朝食を摂る。
チャンミンの左肩の下へ執拗なほど痕を残してしまった、体育の授業は大丈夫だろうかと今さらながら心配しつつ離れを出て会社へ向かう。
そこから向かった先はガンソクに指定された本宅ではなくガンソクの会社だった。





前もってアポを取りすんなり通された個室でユンホを出迎えたのは兄デイルで、デイルはめったに近づかない本社へ出向いたユンホを快く迎え入れた。



「どうしたユンホ。まさかわざわざ夕方の散歩は遠慮してくれなんて言いにきたわけじゃないだろ?」
「っ、兄さん!」


「くっ、お前はチャンミンのことになるとすぐムキになる。」


可笑しそうに笑いを堪えるデイルだが、実際チャンミンに関しては感情を抑える術を知らない弟がデイルは嬉しいのだ。
冷静でいつもどこか諦めたような弟が最近変わってきたのは噂で知っている。
本来熱い内面を隠し持ち、ここぞというときの本気は誰も敵わないのだ。 
それが少しずつ発揮されてることをデイルは喜ばしく思っていた。




「チャンミンは弁護士になりたいんだって?」
「…ああ、そうらしい。兄さんに色々世話になってるみたいで、チャンミナ喜んでたよ。」


「ふ、悔しいか?お前も俺の真似して予備試験までは合格したのに、それで満足して司法試験を受けないのが悪い。あれは5年っていう有効期間があるからな。」


からかうように笑うデイルをユンホは睨む。
最近兄との話題はチャンミンのことばかりだ。
ユンホを怒らせようとしているとしか思えない兄の言動にユンホはイラつくが、今日はからかわれに本社まで来たわけじゃないのだ。





「デイル兄さん。」


真剣な顔でユンホは姿勢を正す。
のんびり雑談する時間はあまりないのだ。
スーツの内ポケットから一枚の紙切れを取りだしデイルのデスクへ置いた。


「…これは?」
「……。」


聞くまでもなくそれが小切手なのは分かっていたが、そこに記載された数字にデイルの顔が一瞬強張る。


「ユンホ、…これは何の金だ。」
「俺の金。」
「っ、それは分かってる。どうしてお前の金を俺にくれるんだ?」



ふっとユンホは口角を上げた。
「兄さんへやるわけじゃない。投資だよ。兄さんへ運用を任せたい。」
「それにしても、こんな大金、…」
今まで運用してくれなどと言われたこともなく、どうして急にと思う。
しかも額面が1億の小切手とは。




「デイル兄さんだから頼むんだ。…兄さんにしか頼めない。」
「……。」



「この金を担保として預ける。兄さんの好きなように運用してくれて構わない。もし、…もし俺に何かあったら、これでチャンミンを法科大学院まで行かせてやってくれないか?」
「ユンホ、お前。」



弟に何があるというのか。
それにチャンミンはあとわずかで父親の元へ行くというのに。




何も言わないデイルへユンホは言葉を続ける。
デイルは予想外の話に驚き、同時にもしかしたらと予想していた自分がいたことにも驚いた。




「兄さん。俺、…チャンミンを愛してる。兄としてじゃなく、恋人として傍にいたい。もう親父には渡せないんだ。」
「ユンホ、…まさか本当に、…」
そうじゃないかとデイルだって気づいていた。
だがチャンミンは父親のもので、ユンホが本気で逆らってまでチャンミンを欲するとは思わなかったのだ。




社長である父とチャンミンについて話したことなどデイルにはなく、父がどこまでチャンミンに執着し欲しているかは知らない。
ただ、父親がこれを裏切りとするのだけは分かる。
ユンホがどれほど無謀なことをしているのかも。





「ビルの権利と金でカタをつけたい。」
「…そう上手くいくだろうか。」
「兄さん、時間がないんだ。とにかくやってみて親父の反応を探るしか方法がない。」


兄として何かしてやれることはないか、そう思うデイルだがユンホは頑なな態度でデイルの介入を拒む。
「今さらこんなことを言うのはズルいけど、兄さんは何も聞かなかったことにしてほしい。俺とチャンミンの問題に誰も巻き込むつもりはない。」



「ユンホ。チャンミンは、チャンミンの意思はどうなんだ?まさかお前が勝手に言ってるわけじゃないだろうな。」
デイルにはあのチャンミンがそう簡単にユンホを受け入れるとは思えなかった。
ユンホへ深い愛情を持ってるからこそ、すべての感情に蓋をして父の元へ行くと思っていたのだ。
だから信じられない。



「兄さん、…チャンミンの意思はあるよ。兄さんの言いたいことはよく分かる。でも、…」
「どうしてチャンミンまで、…っ、」






「でも仕方ないんだ。…義理も恩も、運命さえ、…俺達は越えてしまった。」






チャンミンを気に入っていた。
くるくると表情が変わるけなげで素直な青年をデイルは本当の弟のように思っていたのだ。
会うたびにユンホの話を聞きたがり、話してやると本当に嬉しそうに笑うからデイルも嬉しい。
ユンホとチャンミンの間に育まれた愛情は目に見えて深く、慈しみいたわりあう姿はデイルをも幸せにしたのに。




「それに俺、兄さんへ謝らなきゃ。いつか兄さんが跡目を継いだら、俺が兄さんを助けるんだってずっと決めてた。でもそれが出来そうにないよ、兄さん。親子の、組との縁を切ってもらうよう願いでる俺を許してくれ。」
「っ、ユンホ!お前、跡目は?お前を推す組員達の意志は?」



やはり兄ほど心の広い人間はいないとユンホは思う。
母親が一般人のユンホと違いデイルの母親は同系列の組関係者で、少なからず跡目争いに関心を寄せているはずだ。
だからこそ組長である父も跡目を明言しないのだ。
順当なら跡継ぎ筆頭の兄が、ユンホを推す一派に悩まされている。
その一派にさえ気遣う兄をユンホは尊敬し、やはり自分は消えるべき存在なのだと思った。






ユンホはこれ以上デイルへ話すことはないとデイルへ一礼し出口へ向かった。
あとは自分と組長の問題なのだ。





追いかけるように数歩駆け寄ったデイルをユンホは片手で制し、


「兄さん。チャンミンのことを頼みます。」


もう一度、深く頭を下げた。

















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