HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~最愛~12


































病院から戻り駐車場に着いた途端チャンミンは部屋を掃除すると言って急いで離れに戻った。
エナが今夜から越してくると急に言われ、普段使ってない部屋をエナの為に掃除しようというのだろう。


その後ろ姿を眺めながらユンホはゆっくりと車を降りた。
左頬のガーゼが痛々しい、結局何針か縫った傷はユンホが思ったより深く、少し痕が残るだろうと言われていた。




「ユンホさん、エナには、…」
「わかってます。」


ユンホとロジンが並んで歩き、少し離れて数人の男達が見守るようについてくる。
ロジンは視線を前に向けたまま、ユンホとチャンミンの関係を何も知らないエナへ気づかれないようにと念をおした。
ロジンにとってガンソクがチャンミンに執心しているかどうかより、組長の若い愛人が息子に寝取られたと周囲に知れ渡ってしまう方が重要なのだ。
何人も愛人を囲っているガンソクがチャンミン恋しさに悩むとは思えない。
ロジンは今日ほんの少し病院への行き帰りを共にしただけで、ユンホのチャンミンへの愛情深さがどれ程かをあらためて目の当たりにしていた。





「ただ、貴方の本気を引き出すためにチャンミンを無理やり抱くなど組長ならやりかねませんけどね。チャンミンを可愛いと思っているのは本当ですし、簡単に貴方へ譲る気はないと思いますよ。」
「…させません。」
「でも、…どうやって?」
ロジンがニヤリと口端をあげる。



ユンホは八方塞がりの状態だとロジンは踏んでいて、それはあながち間違いでもない。
「ユンホさん。私はね、7年前あの組長相手に一歩も引かず、強いまなざしで周囲を圧倒した貴方を見たときから決めていました。次に組を背負うのは貴方しかいないって。」
「ふ、気が早い。」
思わず笑ってしまったユンホをロジンは咎めるように真剣に見つめる。


「いいえ。あの方は本来ヤクザ家業は好きじゃない。あくまでも実業家なんです。それに、…あの方こそ身を切られるような思いをなさった、…」
そこまで言ってロジンはハッと口をつぐむ。
余計なことを言ってしまったと興味深く目線を合わせるユンホから顔をそらした。




「…とにかく。貴方が組と縁を切ろうなどという馬鹿な考えは徹底的に潰しますが、組の頂点に立つというのであれば協力は惜しみません。今は私が組のナンバー2ですが、すぐにでも貴方を私以上にまつりあげましょう。」
「踊らされるのはゴメンだ。ほっておいてくれ。」
冷たく言い放つユンホだが、それが通じているのかロジンはニッコリ笑うばかりだ。





「最短距離で走るのは、チャンミンの為でもあります。要は、組長が囲う予定だった愛人を貴方へ譲る口実があればいいわけですから。」
「……。」


「その為にもデイルさんを助けたいなどと甘い考えは捨ててください。特に秘書のセヨンは油断できません。」




ロジンの言ってることは多分当たりだろう。
それが父を納得させるのに一番の近道なのも理解できる。


だが、気持ちがついていかない。


ユンホは苦しかった。
兄を裏切ることが。 
懸念していた内部抗争の火付け役として否が応でも踊らされることが。





「いくらユンホさんに天賦の才があったとしても、貴方はこの世界を知らない。意地を張らず私を受け入れた方がいい。私は貴方の目から見た頂点を知りたい。」
「…オジサン。」



「“ロジン”です、ユンホさん。間違えるのは最後にしてください。チャンミンを愛してるのでしょう?」



そんなの、勿論。


「愛してる。」




それはまったく変わらないのに、ユンホの描いた未来が音をたて崩れていく。
抗うつもりの運命がとぐろを巻いてユンホを待ち受け、試されてるような気持ちになる。
大きくふるいに掛け、残ったものは何か。


──それは、チャンミンでなくてはならない。






「あの持参金だけで貴方は若頭補佐待遇になるでしょう。それに最近うちの組へちょっかいを出してくる新興勢力をご存知ですか?若い芽は早く摘まなければなりません。組長はそれを貴方へやらせるお考えのようです。」
「そうですか。」
ユンホはそれを特に感慨なく聞いた。
ヤクザの世界を知らないとロジンは言うけど、生まれ育ち常に隣にあった世界だ、呼吸をするように馴染んでいく。



 
「貴方のハッタリが意外に利いていて暫くはチャンミンも無事でしょう。」
「っ、な、…!」
UM芸能の名を出して脅したことを言ってるのであろうロジンが可笑しそうに口端をあげた。
「貴方は何も知らない、…そうでしょ?でも流石です。あの百戦錬磨の組長を揺さぶるとは余程鬼気迫る物言いだったんでしょうね。」
くくっと笑いを堪えるロジンから視線を外し、ユンホは否定も肯定もしない。
代わりに、「若頭はすべてを知ってるということですね?」と聞き返した。



ガンソクとロジンの関係はそのままユンホとジノのそれで、若い頃からの付き合いだ、きっと知ってるだろうとユンホには思えた。
そしてそう簡単にユンホへ話すはずないということも。
実際、口端を上げたまま肩を竦める仕草をするロジンはこの話はこれで終いだと言いたげで、やはり自分で調べるしかなさそうだとユンホは諦めた。







しばらくユンホは言葉なく歩き、離れへ向かう分かれ道で再度エナへ気づかれないようにとロジンに釘を刺され離れに戻る。


「チャンミナ?」


掃除をしてるはずのチャンミンの姿が見当たらない。


「っ、チャンミン!」


何をそう焦っているのかと思うほど、全ての部屋の襖を乱暴に開けチャンミンの名を呼び続けるユンホだが反応がない。
ロジンに探りを入れるつもりでチャンミンを先に帰したことを後悔し、外にいるかもしれないと玄関へ向かったユンホの耳にかすかな水音が聞こえた。







「…っ、…チャンミナ!」


「ユノ?」



そこはきっちりドアの閉まった洗面所で、顔を洗っていたらしいチャンミンがタオルの隙間からキョトンとした目を覗かせている。



「どうしたの?ユノ。そんな必死な形相でさ、…って、んっっ!」


タオルを引き剥がし濡れた前髪も気にせずユンホはチャンミンへ覆い被さる。
驚き直立したままの身体を腕にとじこめ、ぶつけるように唇を押しつけた。
物言いたげに開いた隙間へ舌をねじこみチャンミンの温かく柔らかい口内に入ってやっとユンホは安心する。






好きにしてくださいと、確かにチャンミンはロジンへ言った。
今にも消えて、ガンソクの元へ、本来なら行くべきチャンミンの場所へ行ってしまうんじゃないかとユンホは気が気じゃなかったのだ。





こうなってしまった今、
ユンホはもう組から逃れることはできず、逃れるつもりもなかった。
頂点に登りつめるまで突っ走るしかない。


それはチャンミンあってのもので、
チャンミン無くしては何の意味も持たないのだ。



「チャンミナ、…約束してくれ。絶対に、勝手にいなくなるな、…」



中途半端に拭った前髪からポタリとユンホの頬を水滴がつたい、二人の合わさった唇で軌道をかえる。
それすら気づかず、チャンミンが腕の隙間から零れて消えないようキツく抱きしめるしかないユンホだった。 
















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