HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~最愛~14


































結局エナが離れにやってきたのは夜も更けてからで、取りあえずと言った感じで簡単な荷物だけを持ち不満そうな顔をして玄関のインターフォンを鳴らした。



「用事を済ませて帰ったら急にユンホ坊っちゃんの離れに移り住めなんて、しかも今夜中になんて横暴すぎやしません?」
ぶちぶち言うエナをチャンミンがなだめ、荷物を持ってやってエナを部屋へ案内する。
「あのね、あまり丁寧に掃除できなかったんだ。ゴメンね、エナさん。」
こっそり言うチャンミンへ充分キレイですよとエナは感心しきりで、部屋の隅々までチェックするからチャンミンは余計に恥ずかしくなってしまった。






「それにしても事情の説明もなしに毎日細かく報告しろったって何を報告したらいいのやら。」
「ん~、ユノの生活が不規則だからエナさんに健康管理をしっかりしてほしいんじゃないかな?」
「…チャンミンの作った料理の方がよほどユンホ坊っちゃんの口に合ってるようなのに?」
呆れたようにつぶやくエナがおそらく一番それをよく知っている。
元々偏食がちなユンホが好き嫌いなく食べるようになったのはチャンミンのおかげなのだ。



部屋の片付けが一段落しエナとチャンミンは居間でお茶を飲んでいた。
ユンホは仕事をすると言って部屋へ籠ってしまい、それはチャンミンにとっても都合がいい。
数時間前まであんなことをしていて、何も知らないエナの前で何食わぬ顔なんてチャンミンにはできそうになかった。




「最近夜中にお茶を飲むと興奮するのか眠れなくなるのよね。私も歳かしら。」
しみじみと言うエナはガンソクより少し年上で、まだまだ若い。
何言ってんだよという顔をしてチャンミンはずずっとお茶を啜った。
「あんなにユンホ坊っちゃんから離れようとしなかった子供が今こうして私とお茶を飲んでる。年月が経つのははやいねぇ、やっぱり歳をとるはずだよ。」
感傷的になったのか、ポツリポツリとエナの思い出話が続く。


「ユンホ坊っちゃんは大学生だったから勉強しなくちゃならない。邪魔するなと言うのにアンタときたら邪魔しないからってユンホ坊っちゃんの隣にちょこんと正座しちゃってね。本当に動かないから人形にでもなっちゃったのかと思ったよ。」
当時を思い出したのか呆れたように話すエナへチャンミンは子供なりに真剣だったんだよとむくれる。
どうしたらユノと一緒にいられるのか、それが邪魔しないことだとしたらチャンミンは一晩中だって微動だにしない自信があった。


「様子を見に行ったら石みたいに固まっててね。でも身体はずっとユンホ坊っちゃんに向いてて、あれはユンホ坊っちゃんも勉強しにくかったでしょうね。それで揺すってみたら正座したまま目をあけて寝てんのよ。よく考えたら怖い子供だったわ、チャンミン。」
クスクスと笑いだしたエナを今さらそんなことをとチャンミンは軽く睨む。
必死な子供心を笑うなんて!



「いっつも途中で記憶がなくなって、朝起きると必ず布団の中だった。」
「ふふ、石にみたいに硬直させた身体を抱いて布団まで運ぶのは大変そうだったわよ。」
「ん、…僕、今でも正座したまま寝ちゃうんだ。」
恥ずかしそうに特技かもしれないとチャンミンは笑って、
「そっか、…気づくと布団にいるのは運んでくれてるのかな?」
そんなこと言うからエナは目を丸くする。
「それって、…最近の話?」
「うん。正座したまま本を読んでて寝ちゃうみたい。無意識に起きて布団に入ってるのかもね。」
そう納得してるチャンミンだけど、子供の頃は起こしてもびくともしなかった。
一旦寝てしまうとチャンミンはなかなか起きないのだ。
エナはスラリと伸びたチャンミンの体躯へ視線を向け、それを抱きあげ布団まで運ぶユンホを想像した。
「…あなた達は相変わらずね。」
何年経とうが変わらない二人の空気に心がほっとあたたまるエナだった。






「エナさん。家事はお任せするように言われてるけど、夕方の庭掃除は僕がしていい?」
急にチャンミンが言い出して、理由を聞けばデイルが毎日のように散歩がてら庭を覗くと言う。
「っ、いつの間にデイル坊っちゃんと仲良くなったんだい?」
そうエナが聞くと、んふふとチャンミンが嬉しそうに笑う。
デイルは記憶力がいいのかユンホの若い頃を本当によく覚えていて、毎日少しずつ語られるユンホのエピソードがチャンミンは楽しみでしょうがない。
それに弁護士資格を持ってるというデイルに相談することはいくらでもあった。


「チャンミンはチョン家の四男のようだね。そのうちハイル坊っちゃんも昔のように此処へ入り浸りになりそうだ。」
冗談じゃなく本気でエナはそう思っていた。
「中学へ入った頃からハイル兄はあまり来なくなったから、きっと忙しいんだよ。」
あっさり言うチャンミンはきっと忘れているのだろう。
チャンミンが中学へ入学して暫くは毎日のように通っていたハイルだったが、夏休みのある日ハイルがチャンミンへ怪我をさせた。
急によろけたハイルがぶつかってきて、チャンミンはそれを受けとめきれず運悪くタンスの角で頭をぶつけてしまったのだ。



「そうだね。でも私がいるからチャンミン会いたさに来そうだよ。」
その日を境にハイルの足は遠退き、ハデに夜遊びをしはじめたのもこの頃だった。
「??エナさん会いたさ、じゃなくて?」
ぽかんと意味が分かってないチャンミンをエナはごまかすようにお代わりのお茶を淹れる。




きっと真実を知るのは当事者以外ではエナだけだろう。
あの日おやつでも持っていこうと、つい縁側から顔を出してしまった。
だから一部始終を見た。
よろけたのではなく抱きしめようとしたハイルと、タイミング悪く身体を捻りハイルの腕からすり抜けてしまったチャンミンを。
そして頭を打ち付け痛がるチャンミンへ再度腕を伸ばしたハイルと、その手を軽々と捻りあげたユンホを。



エナがチラッと見ただけでもぞっとするほど怒りを顕にしたユンホは普段の落ち着いた様子からは想像もできない顔つきで、
「今後、二人きりになることは許さない。」
低く強張った声でつぶやき、チラリとエナへ視線を移したのだ。
それはエナに見張るよう暗黙に命令してるようで、極道へ乗り気ではないユンホの逃れられない極道の血を感じた瞬間でもあった。







でも。と、エナは思う。
あの日のあれほどのユンホの怒りはなんだったのか。
父から託されたチャンミンへの責任をまっとうする為だと普通なら思うだろう。
そしてその責任からもあと少しで解放される。
それなのに、これほど幼い頃と変わらない2人で大丈夫なのだろうか。


決して本宅へ入るチャンミンをエナは手放しで喜んでるわけじゃない。
本音を言うと可哀想で仕方ないのだ。
学生らしい可愛い恋愛ごっこだってさせてやりたいし、息子のように思っているチャンミンの恋愛相談にだって乗ってやりたかった。


でもそれを口にすることは出来ないから、何でもないように送り出すしかないのだ。
今回移り住んだのも、3カ月後を見越しての準備期間だとエナは思っていた。






「おっ、俺にも何か飲み物ちょうだい。」
そんなエナの思考を遮るように襖が開いた。
ひと仕事を終えたらしいユンホが痛々しい頬のガーゼに似合わず機嫌良さそうに立っていて、エナが腰をあげようとするより早くチャンミンがキッチンへ向かう。
「あ、チャンミン、…私が、」
エナが慌てて呼ぶけどチャンミンの足が止まることはない。
「ユノはホットミルクなんだ。大丈夫、温めるだけだから。」
軽やかに言い、あっという間に戻ってきたチャンミンの手にはユンホ用だろうマグカップが握られていて、差し出したそれをユンホは両手で受け取る。



「あったかいな。でもお前の手がつめたい、」
片方の手のひらをチャンミンのマグカップに添えた手の上に重ねて。
「ユ、ユノ、っ、///」
「俺、猫舌だからさ。チャンミナが少し冷まして。」
そう言いながら、恥ずかしそうにうつ向いてしまったチャンミンをユンホは愛おしそうに見つめる。






エナはその様子を遠巻きに眺めながら、幼い頃とはどこか確実に変わった2人を感じずにはいられなかった。



















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