HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~最愛~24


































月に一度、ガンソクがチャンミンを食事に連れていく日。


その前日にユンホはロジンから忌々しい電話を受けていた。 
明日、同系列の組長主催の親睦会へガンソクの代理で出席するロジンのお供をしろと言うのだ。
立場上若頭の指示に背くことは許されず、その日何があるのかわかっていて敢えてユンホを指名したのだとユンホは苛立ちが抑えられない。



「若頭、貴方は意地悪だ。」
つい言ってしまったユンホへロジンはふっと笑う。
「いえ、親切のつもりですが。これで貴方はチャンミンを追うことも待ち伏せすることも出来ませんからね。下手な小細工は身を滅ぼしますよ。」
チッと思わず出たユンホの舌打ちが届いたのだろうか、さらに可笑しそうに笑ったロジンが「明日は最近話題のチョンユンホに皆さん会いたがってますのでくれぐれも愛想よくお願いしますよ。」とだけ言い通話を終えた。





どうしようもないと分かっていても心配で仕方がない。
無茶なことはしない、食事をするだけだ。とガンソクはロジンを介して約束したが信用できない。
だが、…どうすることもできない。
無力だ、…とユンホはやるせなさに胸をかきむしられる思いだった。
そんなユンホを気遣ったのか、居ても仕事にならないからか、早く帰れとジノに帰されユンホはめずらしく早い帰宅になった。





ところが驚かせようとチャンミンへ知らせず帰ってきたユンホを待っていたのは、騒がしいほどの賑やかさだった。



「…何事だ?」


「あ、ユノっ!おかえりなさい!」


真っ先に走り寄ったチャンミンが飛びついてきて、顔を近づけるからユンホも鼻先でそれを受ける。
つんと軽く擦り合わせニッコリ笑うチャンミンはいつもの様子で、その後ろでやれやれといった感じのエナもいつもと変わらない。
いつもと違うのはその後ろ、むっとして不機嫌極まりないハイルとそれを小馬鹿にしたような態度のシドだった。



「っ、ユノ兄!いつの間にコイツと仲良くなってるのさ!コイツはチャンミンをさらった最低男だぜ?」
「なに言ってんだか、今さら。それはもう仲直りして解決済みなの。しつこい男は嫌われるぞ?」
「…っ、だよっ!」
「キャンキャン吠えるなよ~、…ったく、」
「な、なにをっっ!」
「はぁ、…はいはい。」




そう言えばシドのことをハイルへ話してないなと今さら気づいたユンホだったが、言い合ってる2人が妙にバランスがいい、良いコンビじゃないかと思う。
「ふふ、ハイル兄とシドさんってばずっとこんな感じ。仲良しでしょう?」
チャンミンまでそんなこと言ってくるからユンホは笑ってしまう。




「チャンミンと会って確かめたいことがあったんでちょっと寄ったんですよ。そしたらコイツがチャンミンに何やらしつこく言い寄ってて、」
「おいっ!しつこくってなんだよ。」
「チャンミンは嫌がってただろうが。ユノさん、コイツさ、チャンミンから何か奪おうとしてたんですよ。」
「っ、違ぇよ!欲しいってお願いしてたんだよ!」


ユンホが部屋着に着替えてきたあとも続く言い合いに苦笑いを浮かべ、チャンミンが淹れてくれたお茶をユンホは飲む。
ユンホに関してはエナが動く前にチャンミンがサッと動いてしまうから、最近ではエナも諦め気味でチャンミンの好きなようにさせていた。



「シド、…チャンミナに会って確かめたいことって?」
何か新しい情報が入ったのかとまずユンホは聞く。
ユンホに恨みを持ってるらしいという鳳昌組の噂は既にユンホの耳に入っており、それがあの土地売買によるものだとも分かっていた。
だが相手があの土地に関してどこまで掴んでるのかはっきりしないうちは動くべきじゃないと泳がせていたのだ。



しかしシドの話は鳳昌組ではなくUM芸能だった。
「ん~、…それが、よく分からなくて。おそらく近いうちにUM芸能が東神組を招いて一席もうけると思うんで、ユノさんは何とかしてそれに参加してください。たぶん、直接会えば何か感じるかも、…」
シドの言いたいことがまるで理解できないユンホだったがチャンミンやハイルが居る場であまり深い話もできない。





そう言えば、ハイルはチャンミンから何を奪おうとしていたのだろう。
ふとユンホは思い、チャンミンを見た。
チャンミンの手に何やら握られていて、ハイルの視線がチラチラそちらを気にしてるようだった。
「チャンミナ。ハイルに奪われそうだったのは、ソレ?」
ユンホが目線でソレを指す。
シドがザマアミロと言いたげにニヤつく隣でハイルは慌てて手を振った。
「奪うってさ、人聞き悪いなぁ。チャンミンが宝物だけど御守りになるかなって言うから、欲しいって正直にお願いしただけなのに。」



「…でも、コレは、…」
めずらしくハッキリせず口の中でもごもご呟くチャンミンをユンホは不思議な気持ちで見つめた。
チャンミンの手のなかにすっぽりと収まるソレはそれほど大きなものじゃない。




薄く透明な、…先端に覗いた小さなリボン、…



「っ、チャンミナ!」


見覚えのあるソレにユンホはハッとする。
そしてチャンミンの握った手を上から重ねるように握り、そっと、…ゆっくりチャンミンの手を剥がしていった。





「…ユノ、…覚えてた?」



遠慮がちに呟くチャンミンだけど、
そんなのユンホには当然のことで。



長方形の透明な樹脂の真ん中に咲いた薄桃色の桜。
ずいぶん使いこんでるようで、角が丸くなりキズだらけの。




「──コレは、…俺にだろ?チャンミナ。」




チャンミンは答えない。
周りにハイルやシドがいて、エナもいる。
作った張本人のエナはどうやら覚えてないらしくポカンとしているが、チャンミンは恥ずかしいのだ。



うつ向き言葉に詰まってしまったチャンミンの手をそっと離し、ユンホは立ち上がって部屋を出ていく。
すぐに戻ってきたユンホの手には財布が握られていて、ユンホはその長財布から同じようなプレートを取り出した。
ユンホの方が少しだけ大きな花弁が押し花にされていて、キズも少ない。




「……っ、ユノ、…!」




ぶわっとチャンミンの大きな眸に雫が溜まり、それをハイルとシドは不思議そうに眺めていた。
その中でエナだけが今になってやっとソレが何なのかを思い出す。
チャンミンがここへ来てすぐだからもう7年以上も前に作ってやったしおり、“僕が掴んだ幸せなんだ”と余りに嬉しそうだから押し花にしてやったら気に入って使ってくれていたのをエナは思い出した。
確かユンホの分もとチャンミンにねだられ、もうひとつ作ったことも。





「お前の宝物を俺の御守りにくれるの?」


ユンホは再びチャンミンの手に自分の手を重ねる。
ハイルに見られようがシドに見られようが構わなかった。
あの頃幼いチャンミンがしおりを大層気に入って使っていたのは覚えていて、けれど子供なんてすぐに飽きるものだ、…もう失くしてしまったのだと思っていた。
ユンホは自分だけがそれを大切に持っていると思っていたのだ。




「ん、…ユノのと、…交換なら、」


ふっとユンホは笑う。


「もちろん。」


そして満足そうに口角をあげた。















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