HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~最愛~27


































暮れかけた街並みを車のウインドーガラス越しに眺めた。景色を楽しむ余裕などチャンミンにはないが、何かしていないと不安なのだ。


強がってみたものの8歳で初めて対面して以来チャンミンはガンソクの前ではひどく緊張してしまう。
これまで何年も続いている月に一度の食事会では、ガンソクからユンホに似た箇所を探しては気持ちを落ち着かせてきた。
涼しげな目元が似てる。
あまり声に出して笑うことのないガンソクだったが、時々思わずといったふうに笑ったときの細めた眸が本当に似てるのだ。
そんなときはガンソクとユンホの親子の繋がりをどうしたって思い知らされ、チャンミンは微妙な気持ちになる。
父親と愛人契約を結びながら息子のユンホしか愛せない自分はなんて罪深いのだろうと思う。


それが今回はその罪悪感さえガンソクの知るところになり、食事会はいつもと違う意味を持つ。
緊張しない方がおかしいのだ。









今朝仕事へ向かう前にユンホはチャンミンのスマホへアプリを入れた。
ホーム画面にあるそれをタップすれば、それだけでユンホへ知らされる仕組みのものだった。
計画的な策略かロジンによって夕方から拘束されるユンホは食事会の店を自ら張ることはできない。
だがGPSで割り出したそこへコッソリと何人かは見張らせるつもりだった。



「ああ、ユンホさん。チャンミンから預かった携帯は先程エナの元へ届けさせました。貴方は余計な心配をする前に今夜の懇親会にみえる親分さんの経歴等を頭へ入れておいてください。」
夕方ユンホの元へやってきたロジンにそう言われ、結局何もかもバレバレなのだと舌打ちしそうなのをなんとかユンホは堪えた。
「今夜はそれほど畏まった集まりではありません。綺麗どころがたくさん呼ばれてるそうですよ。ユンホさんもたまにはハメを外して楽しむといい。」
会場へ向かう車で、愉快そうにロジンが笑いかけるのをユンホは聞き流す。 
女を呼んでバカ騒ぎをするだけの集まりなら自分が行く必要などなかったのにとイラつきを隠せないユンホだった。



それがロジンへ伝わったのか。
「これも付き合いのうちですよ、ユンホさん。接待としてあてがわれた女は抱いてください。チョンユンホは女も抱けない腰抜けかと噂されたくなければね。」
「な、…っ、」
「頭の固いヤクザはいつか喰われます。貴方はそうならないように。」
それだけ言ってロジンは目を閉じた。
ユンホへ話すことはもうないとばかりに。 









その頃チャンミンは別世界に足を踏み入れたような見事な庭園を歩いていた。
広大な敷地の門をくぐり石畳を進むと立派な滝が見えてきて、無数の錦鯉が泳いでいる。
それに目を奪われ立ち止まったチャンミンをガンソクの秘書は辛抱強く待った。
進むたびに贅を尽くした建物に目を奪われ感嘆のため息が漏れる、そんな老舗高級料亭が今夜の食事会の場所だった。



通された部屋は滝が望める二間続きの和室で、すでにガンソクは席についていてチャンミンをみとめニッコリと笑う。
「旦那さま。素晴らしい料亭へお招きいただいて、」
そう挨拶をするチャンミンをガンソクはにこやかに呼び寄せる。
「チャンミン、よく来た。まずは座って食事を楽しもうじゃないか。」
いつもと変わらないガンソクにほっとしつつ、それでも緊張で体を固くしながら2人だけの食事がはじまった。



次々と出される膳に舌鼓を打ちながら、ガンソクはうまくリードしてチャンミンの話を聞く。
冷酷と評されるガンソクだが、こうして2人きりの食事会でチャンミンがそう感じたことはなかった。
初対面の時こそ圧倒的な威圧感と無遠慮な視線に恐れをなしたチャンミンだったが、緊張はあっても嫌悪感は食事会を重ねるごとに薄らいでいた。





「ここの名物の水炊きはどうだ?創業以来守られた出汁はどこも真似できまい。」
「はい。とっても美味しいです。」
水炊きと言えばエナが作るものか、ユンホが家に居れば見よう見まねでチャンミンが作ったものをユンホと一緒に食べるくらいしかない。
勿論ユンホと食べる水炊きが一番美味しいのだけれど、この水炊きも本当に美味しい。
緊張のせいであまり味が分からないのがチャンミンは残念だった。





当たり障りのない話題で和やかに進んだ食事も最後の水菓子を残すのみとなった。
冷酒を好むガンソクは今夜も飲んでいて、運ばれた果物をチャンミンへ譲り遠慮しながらもしっかり食べるチャンミンを満足げに眺める。


「…老舗の店というのはどこも創業以来門外不出の技があるものだ。大切に守られてきたそれをいち料理人が奪ってはいけない。わかるか?チャンミン。」
先程の水炊きの話だろうか、突然話しだしたガンソクの声音が徐々に低くなっていく。
はい、とだけ答えたチャンミンへ向ける視線が妖しく色を纏う。



「そうか。…それならばユンホが組のトップである組長のものを奪うのはどういうことか、わかるだろう?」



ビクンと見て分かるほどチャンミンの肩が揺れ、フォークを持つ手が止まった。
静かなのに鉛のように重い口調はとても口ごたえできる雰囲気ではなく、ガンソクと目を合わせるのがチャンミンはやっとだった。
スッとガンソクが音もなく立ち上がる。
長身でがっしりと引き締まった年齢を感じさせない身体。
「やだ、…、」
思わず漏れた言葉をのみ込むように喉が鳴り、チャンミンは止めようにも止まらない震えを必死で抑えた。
突然殴られ拉致された時でさえ、これほどの恐怖は感じなかったのに。




「怖がるな、チャンミン。いずれお前はユンホへくれてやるつもりなんだ。これまで通り兄弟ごっこでもしてたらいい。」
大きな座卓を避けるようにじりじりと迫るガンソクの表情は、さっきまでの和やかさなど微塵もなく非情で冷酷なものだった。


「…チャンミン、…怖くない。こっちへ来い。」


笑っているのに目が笑ってない。
酷く残忍な笑い。
ねっとりと舌で転がすような話し方に、チャンミンは身の毛がよだつ思いだった。



「…っ、…や、やめてくださ、…」



座ったまま後ずさっていたらしいチャンミンの背が壁にあたる。


───ユノ、…っ!



「ふっ、…ユンホは今頃他の組の幹部連中と女に挟まれて楽しくやってる。残念だが、…助けには来ないぞ?」


ユンホの名前を無意識に口走ったらしいチャンミンをガンソクはさも愉快そうに口元を歪め笑う。
笑ってはいるがみるみる険しくなる顔つきにチャンミンはユンホの名前を出したことを後悔した。
だが、もう遅い。
ユノと口にした途端ぼろっと溢れた涙は隠しようがなく、それに気づいたガンソクの視線はさらに鋭くなっていった。






「っ、…や、やめ、…っ!」




そして、二間続きの和室の向こうには信じられない光景が広がっていた。
最初からそれが目的だと言わんばかりに敷かれた布団。
目を見開き驚愕で固まったチャンミンの腕が乱暴に引かれる。




「んっ、…やぁ、」



どんなに抗おうと有無を言わせない腕は、経済ヤクザとして知性派で売ってきたガンソクだが信じられないほど力強い。
「ユンホが跡目を継ぎさえすればお前達のことは自由にさせると言っておるのだ。これほど良い条件はないだろう?だが7年もの間待ちわびたんだ、それに対する誠意を見せてもらおうか。」





羽毛の布団へ放り投げられチャンミンはボスンと沈む、その不安定な体勢のままとっさに顔をあげガンソクを睨んだ。
心臓が飛び出そうに跳ねている。



真っ暗な部屋で明かりを背に立つガンソクの顔はまったく見えない。
 




「さぁ、チャンミン。楽しませてくれ。」




今まで取りあげられたことのない携帯を今夜は預けるように言われた。
その意味を、チャンミンは今になって理解していた。













*********************


おはようございます、えりんぎです。


いよいよ今日はSMT東京ですヽ(〃∀〃)ノ
(皇帝おでましの日にこんな話でゴメンナサイ)


たった20分の出番でステージを我が物とし会場を圧倒する姿を観るたび、
「ユノが帰ってきたーーっ(〃艸〃)」とワクワクがとまりません。
そして、アクシデントが演出に、ひいては伝説になるユノのプロ意識の高さ。
「ああ、やっぱりユノ!(*゚∀゚)=3」ってみなさんも思われましたよね?


私は残念ながらお留守番組ですが。
会場へ行かれるみなさん、
たっくさんの愛を(私の分も)命を懸けて頑張ってくれるであろうユノへ届けてくださいね!





さて『最愛』ですが、40話くらいで完結して安らかにチャンミンのおかえりなさいを迎えようと思っていました。
が、…もう少し続きそうです。
もうしばらくお付き合いくださいね。



慣れない設定。慣れない三人称。
読みづらいかと思われますが、たくさんの拍手、ランキングの応援ポチ、大変励みになっております。



いつもありがとうございます。
では!












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