HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~最愛~28


































ユンホはうんざりしていた。


今夜出席する組の幹部の名前から経歴まで事前にすべて覚え準備は万全なはずだったのだが、それが大して役に立つことなく懇親会はお開きになろうとしている。
最初こそ大勢の幹部連中に囲まれ質問攻めにあったり賛辞を送られたりしたユンホだったが、それも酒が進むにつれひとりに対してひとり宛がわれた接待役の女性と楽しむ酔っ払いを眺めるだけの集まりになった。



それならそうとチャンスを見計らって脱け出そうと目論んでいたユンホだったが、ユンホへ割り当てられた女がそれを許さない。
かなりの美人だ。
新顔のユンホへサービスのつもりだろうかと、おそらくナンバーワンであろう女を鬱陶しく思うことはあっても有り難くは思えないユンホだった。
「みなさん自由に解散される予定になっていますが、どうします?もう一軒行かれるのでしたらお薦めのクラブがございますが。」
さっさと帰ろうとするユンホの腕に腕を絡め、女は妖艶に微笑むがユンホはそれどころじゃないのだ。
そろそろ食事会からチャンミンが帰っていてもいい頃だ。
ユンホはエナへ電話を掛けたかった。
「悪いがこのまま帰る。」
それだけ言って足早に去ろうとするユンホの腕が引かれる。
「このまま貴方を帰しては私が組長さんから叱られます。」
ふと視線を感じ、ロジンがこちらを見ていることに気づく。
確かにこのまま女を置き去りにするのは良くないとユンホは思い、寄り添うように立つ女の腰に腕を回した。
「わかった。まずは車へ行こう。」
ユンホはロジンに声を掛けてひと通り挨拶を済ませ、さも女と早く二人きりになりたいかのように急いで店を出た。





早くチャンミンの顔が見たい。
そうしなければ、この正体不明の焦燥感から逃れられそうになかった。


















「泣くな、チャンミン。そんなにユンホがいいのか。」



組み敷かれ暴れたせいでチャンミンの髪は汗でぐっしょりと乱れ、止まらない涙で顔もぐちゃぐちゃだった。
「ハァハァ、…だ、旦那さま、…っ、離し、っ」
押さえつけられた両手はビクともしない。
チャンミンは自分の非力さがつくづく嫌になる。




こうなることを予想しないわけじゃなかった。
それでもチャンミンはガンソクに会いたかったのだ。
7年間お世話になったお礼と裏切ったお詫び。
そして何ものにも代えがたいユンホへの想いを理解してほしい。
どんな犠牲を払おうが自分にはユンホだけなのだと直接会って伝えたかった。





「諦めるんだ、チャンミン。何度もユンホに抱かれておるのだろう?今さら拒絶する意味があるか?相手が誰だろうが、やることは一緒だ。」
「旦那さま、…っ、それは違います。僕は、…ユノじゃなきゃ、…」



「っ、言うな!…一緒なんだ、チャンミン。愛なんてバカバカしい、」



ガンソクの手がチャンミンの細い手首を痛いほど握り、チャンミンは痛みに顔を歪めながらガンソクを見つめた。
吐き捨てるように呟いたガンソクに一瞬感じた違和感。
「…旦那さま、…?」
それが何かは分からないけれど、チャンミンは確かにガンソクの中に悲しみを見た。



「ユンホへくれてやると言ってる。だがそれは今じゃない。それまで俺に抱かれることの何が不満なんだ。」



両手を押さえつけ自分に跨がるガンソクを薄明かりのなかで再び見つめる。




───ああ、…やっぱり目が似てる。



黒目がちな切れ長の眸。
切なげに細めた時の深い黒。


目尻に寄るしわは、ユノにはないこの人の歴史なんだ。





チャンミンは静かに覚悟を決めた。
抱かれることがユンホへの想いを示す手段だと思ったのだ。
例えガンソクに抱かれてもユンホがすべてだという想いに一点の曇りもない。



ふっと力が抜けたチャンミンに気づき、ガンソクも手を緩める。
やっとその気になったかと満足そうに微笑み上体を起こした。





「…自分で、…自分で脱ぎます。」
「そうか。」


声が震え、指先が震える。
うまくシャツのボタンが外せず焦るチャンミンをガンソクは辛抱強く待っていた。
細いうなじからなだらかな肩のラインをシャツが滑りおちる。
ガンソクの射るような視線を感じてチャンミンはさらに震えた。



「…ユンホか?」
「え?」


チャンミンは最初、何を言われたのか分からなかった。
抜ききれず袖に腕を残したまま不思議そうにガンソクを見る。
そのゆったりとした動作とは反対にガンソクの動きははやかった。
チャンミンの肩をつかみシャツを剥ぎ取る。
突然乱暴にされたチャンミンは身体中を強張らせ声も出ない。



「その身体中に散らばる痕は、…ユンホか?」


言われて初めてチャンミンはあの日ユンホから執拗につけられた痕がいまだに生々しく残っていたのを思い出した。
手のひらで左肩を押さえる。
それだけでは身体中に散った痕を隠しようもないが、これだけは見られたくなかった。




「…旦那さま、…これは、ユノです。旦那さまに抱かれてもユノに愛された痕は消えない。」


ガンソクの顔が険しくなり鋭い視線がチャンミンを襲うが、チャンミンは真っ向からそれを受け止める。



「旦那さまと初めてお会いした8歳の頃から、僕はユノが好きでした。どんなに責められようが、ずっとずっとユノだけが、…好きだったんです。」



左肩に置いた手を、チャンミンはぎゅっと握った。
誰にも見せるなと、…そう言われていたのに。





はらはらと流れる涙が顎をつたい、
ぽとりと落ちて薄紅に咲いた愛しいしるしを濡らした。












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