HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~最愛~30
































 
会社へ戻るというガンソクとは店で別れ、チャンミンはひとり屋敷の前で車を降りる。
ユンホが帰ってるかもしれないと、チャンミンは足早に離れまでの道のりを急いだ。
早く会いたい、会いたくて会いたくて堪らない。
一度はガンソクに抱かれる覚悟をしたチャンミンだったが、なぜかガンソクはチャンミンを抱かなかった。
頭を撫でる手が優しくて、いつガンソクが自分に覆い被さってくるのだろうと目を閉じ震えるこぶしを握っていたら、気づけばガンソクの刺青はシャツの下に消えていた。


「今夜はもういい、…はやく着替えなさい。」


そう言われ、脱ぐときよりもさらに手が震えるから着替えるのに時間をかけてしまった。
そうなって初めてチャンミンはどれほど恐怖心に襲われていたかに気づき、心底安心してる自分を感じていた。











夜も更け、外は凍てつくような寒さだ。
吐く息の白さも痺れるような耳の冷たさもまるで気にならない。
忙しいほど跳ねる心臓と荒い呼吸に汗まで滲んできた。
真っ暗な夜道を進みやっと離れの玄関が見えてきたところで、ガラッと引き戸を開く音と人の話し声。




「っ、…ユノ!」


そこには会いたくて堪らない愛しい人の姿があった。


「チャンミナ!」


こんな夜中にどこへ行くつもりだったのだろう。
焦って飛び出してきたようなユンホの奥に心配そうに立つエナの姿も見える。
せっかく会えたのにすれ違いで出掛けてしまうのかと思わず曇ったチャンミンの顔がユンホの胸に押しつけられ、息苦しさに空気を求めた口がユンホの口で塞がれチャンミンは目を白黒させた。
「っっ、…ユノ、…んっ、…!///」
顔を両手で包まれたら動きようがなく、ユンホのキスを受けながらその肩越しにエナと目が合うというチャンミンにとったら羞恥ばかりのキスだった。




深く合わせた唇はほとんど動かず、熱を分け与えるように重なっている。
エナに申し訳ないと思いつつチャンミンの腕はユンホの背中へ回る。
ぎゅっと抱いてユンホの匂いを嗅いだら止まらなくなった。
ユンホの後頭部を引き寄せるように掻き抱き、口づけながら角度を変え鼻先をぶつける。
ユンホは痛いかもしれない、それでもチャンミンはやめなかった。
怖かった、その思いをぶつけるようにユンホへ甘えた。







「帰ったらチャンミンがまだ居なくて、エナさんへ届けられた携帯を見て気づいたら玄関を飛び出してた。店の場所も何も知らないのに迎えに行くつもりで、…バカだな、俺は。」
しばらく抱き合ったあと、ゆっくりと離れユンホがつぶやく。
「何も、…なかったか?」
そう聞いてくるユンホが何を気にしてるのかチャンミンは分かるから、うんと首を縦に振った。
余計なことは言わない方がいい。


少し落ち着いたチャンミンは、ふとさっきまでは気づかなかった香水の残り香に気づく。 
隣に座っただけではつかない、かなり密着したことを示すそれにもやもやと嫌な気持ちがわき起こる。
「別の空間に迷いこんだような別世界の料亭だったよ。料理もすっごく美味しかったし、…ユノも、楽しかったみたいで良かったね。」
ほんの少し険のある言い方になるのは仕方ないとチャンミンはユンホから離れエナの前へ行く。
「エナさんも心配させちゃった?ごめん、…」
「いえ、…突然チャンミンの携帯が届けられたのには驚いたし心配したけど、…良かったよ、無事で。」
エナはポンポンとチャンミンの頭を撫で、それからふわりと抱きしめた。
それが何だか本当の母親のようで、チャンミンは胸が熱くなる。
じわりと滲むものをごまかすようにチャンミンはエナにぎゅっと抱きつき安堵感に身を委ねた。



「お風呂をためてあるから、ゆっくり入って身体を休めなさい。ほら、冷えきってるじゃない。」
「うん。ありがとう、エナさん。」
チャンミンの背後ではユンホがまだチャンミンを抱きしめ足りないようで抱き合うエナとチャンミンをじっと見ているが、チャンミンはそれを無視してエナと2人連れだって玄関を入りさっさと風呂をすませた。
今夜ユンホが組の会合へ行ったのはチャンミンも知っていて、ご丁寧にジノがそこでの接待が何を意味するのか教えてくれていたのだ。


ああ、そういうことなんだ、…と、女性の残り香をぷんぷんさせたユンホを仕方ないと分かっているのに、それでも嫉妬してしまうのをチャンミンは無理やり閉じこめようとしていた。






チャンミンが風呂からあがり、入れ違いにユンホが行く。
チャンミンは夕食会の緊張がまだ解けきらず暫く眠れそうになかった。
そんなチャンミンをいたわるようにエナが温かいココアを入れてくれてゆったりと居間でくつろぐ。
ほっと温もりに癒され、チャンミンはエナが居てくれて良かったと心から思っていた。



ふぅふぅとマグカップへ息を吹きかけ、尖らせた口を端っこへ付けたところでエナがプッと思い出し笑いをする。
驚いたチャンミンと目が合い、さらに笑うエナ。


「エナさん?」
「ぷくく、…あ~、ごめんなさいね。ホント分かりやすいユンホ坊っちゃんとチャンミン見てたら笑えちゃって。」
「な、なんでさっ!///」
別に分かりやすいことなんて何もしていない。
チャンミンは心外だと言うように食って掛かるが、それがさらにエナを笑いに誘うようだった。
「ユンホ坊っちゃんと携帯が繋がらないけど帰ってないかって若頭から連絡があってね、どうもユンホ坊っちゃんだからって特別に接待役を引き受けた売れっ子の女性をさっさと送り届けて帰っちゃったらしいのよ。若頭もユンホ坊っちゃんを尾けるような真似をして人が悪い。」
「あ、…ああ、…」
「だからね、そんなに拗ねなくても大丈夫!」


「っ、…拗ねてなんか、…///」
すべてお見通しのエナへチャンミンは慌てて取り繕うが、聞こえてるのかどうかエナの笑いはいっこうにおさまらず。
「坊っちゃんは坊っちゃんで、チャンミンがまだ帰ってないって言ったときの顔ったら。あれが噂の修羅ね、寿命が半年くらい縮まったわよ。」
エナの言い方が可笑しくてチャンミンはクスクス笑ってしまった。
確かに玄関から飛び出してきたユンホは修羅のような顔だったかもとエナとチャンミンが“修羅”をネタに笑いあってるとは知る由もないユンホだった。






「東神会がどうして刺青を禁止してるのかエナさんは知ってる?」
何となくチャンミンはエナへ聞いてみる。
ヤクザと言えば刺青じゃないの?とずっと思っていたから、子供の頃はいずれユンホの背中にも自然に刺青が浮き上がってくるものだと思っていて一緒に風呂へ入るたび背中をチェックしていた自分を思いだした。
「さぁね。先代と違って組長はヤクザとは言え企業人寄りだからね、刺青背負った社員では困るんじゃないのかい?」
あまり興味無さそうにエナが答えると、ちょうど風呂からあがったらしいユンホがやってきて「その張本人が天女だとはな、」と何気につぶやいた。



「え、…ユノも見たことあるの?」
そして、ついチャンミンは言ってしまったのだ。




失言を後悔したのはユンホのみるみる変わっていく顔色に気づいたからで、
「チャンミナ、…お前は、見たことがあるんだな?」
「え、…っ、あ、…」
とっさに誤魔化そうとしても思いつかずチャンミンの返事は上擦るばかりだ。
「背中の彫り物を、…今夜見たということか?」
「…あの、…」
チャンミンは出来れば今夜のことは言いたくなかった。
絶対に抱かれると覚悟を決めたのに、どうしてガンソクが途中でやめてしまったのかチャンミン自身も分からないのに。





黙りこくったチャンミンをユンホは見おろすように眺めている。
肌を刺すような沈黙が流れた。
ふとユンホはエナへ視線を向け、その強張った表情と鋭い目付きにエナは一瞬身震いをする。


「エナさん、…確か、最近半身浴に凝ってるとか言ってたよな。」
突然ユンホが言い出したセリフに意味が分からずポカンと口が開いてしまうエナだったが、
「ちょうどいい具合に湯がぬるくなってる。ここは気にせず行ってきたらどうだ?」
そこまで言われればエナにもユンホの言わんとすることが理解でき、どうしたものかと思う。



目の前には怯えるように縮こまったチャンミンがいて、どうやら食事会で何かあったらしいとまでは分かった。
それに気づいてしまったユンホの形相は正直恐い。
このまま2人きりにしていいのかと迷う、チャンミンが心配だった。
エナにとって息子のようなユンホだがヤクザものには変わりなく、噂だけ聞く分には修羅のように恐ろしい男なのだ。



「…坊っちゃんが、…チャンミンに手を出さないって約束してくれるなら、」
おずおずとエナは口にしてゴクリと喉を鳴らした。
もし暴力を振るわれたらまだ細いチャンミンなんてひとたまりもない。
その心配が思いきりエナの顔に出ていたのだろう、ユンホはふっと頬を緩め笑った。
「手は、…出すよ。でもチャンミンが嫌がることはしないから安心して。少しチャンミナの身体に聞きたいことがあるんだ、…って、これで察してよ?」
ユンホのその言いぐさに、エナは一気に勘違いを気づき真っ赤になる。
紛らわしい!とエナは腹が立って仕方ないが、うつ向いたチャンミンも心なしか頬を染め期待してるように見えるから許してやろうと立ち上がる。



「は、半身浴なんて1時間が限界ですからね!年寄りを逆上せさせないでくださいよ!」


吐き捨てるように言いながら、エナはきっちりと全ての襖を閉めきり部屋をあとにしたのだった。
















にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト