HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~最愛~31


































「…何もなかったというのは、嘘か?」
2人きりになった部屋で静かにユンホが言う。
チャンミンはうつ向いたまま首を振った。
だって本当に何もなかった。
ああ、…でも、何もではない。
キスをされた、ユンホの痕が残る身体を舐めるように見られた、首筋をガンソクの唇が這った。


チャンミンはどう言えばいいのか分からない。
ガンソクに抱かれてもいいと、覚悟し抵抗をやめた時点で抱かれたのと一緒じゃないかと思う。
でもそれはユンホを諦めたのではなく、自分にはユンホだけだとガンソクへ伝えたかったなんて、…どう言えば分かってもらえるんだろう。
誰に抱かれてもそれは一切変わらないなんて、ただの言い訳に聞こえやしないか。



「…チャンミナ、おいで。」


ユンホはチャンミンの手を取り寝室へ向かった。
まだ布団の用意などされていない寝室で襖を開け布団を落とす、そして雑に広げていくユンホをチャンミンはただ眺めていた。
チャンミンが嫌がることはしないと言ったユンホだけど、チャンミンにはユンホが怒っているとしか見えず何も出来ないでいるのだ。
でもそれもそのうち限界で、不器用にシーツをならすユンホをチャンミンは自分が苛めてるような気分になる。
「ユノ、…あの、僕が、」
「いい。俺がする。」
「でもさ、…」
「いいって、…それよりチャンミンは服脱いで待ってな。1時間なんてあっという間だ。」
そんなにはっきり言わなくても、とチャンミンは恥ずかしくなるが真剣なユンホの前では冗談にすることも出来ずゆっくりと寝巻きに指をかけた。



「ほら、来いよ?」
ユンホにそう言われた時にはチャンミンはもう下着だけになっていて、まだ暖房の効いてない部屋で──っくしゅん、と身体を震わせる。
「ああ、ごめん。寒いな、おいで。」
ふわりと抱き寄せられ縒れたシーツの上で抱きしめられればユンホが怒ってることなど忘れてしまいそうになる。 
もっともっと隙間のないくらい抱いて、ガンソクの肌の感触を消してほしい。






しばらく抱きしめた後、ゆっくりとユンホは身を起こしチャンミンの身体を丁寧に指でなぞった。
「…なに、された?」
「……、」
「チャンミナ、嘘はつかないでくれ。」
落ち着いて聞こえるが、まるで無表情のユンホがひとつひとつチャンミンの身体に散った痕を確認するように指を滑らす。
そのたびピクリと反応するチャンミンを気づいているのか、ユンホのかたい口調は変わらない。
「…痕はつけられてないな。お前が親父の天女を見たように親父もお前の身体を見たのか?」
「……ユノ、…」



「答えるんだ、…チャンミナ!」
「っ、…痛っ、」
ぐっとユンホの手に力がはいり、無遠慮な手がチャンミンの下着を剥ぐ。
「ゃだ、──っユノ!」
チャンミンの足を割って覆い被さった体が勢いよくチャンミンの腰をもちあげ、迷うことなく後ろへ触れた。







ユンホは怖かった。
もしそこが、…情事の痕を残していたら。
柔らかく解れ、自分のではない欲望の痕跡を見つけてしまったら。


冷静でいられる自信がない。
すぐにでもここを飛び出し、父であり組長でもある男へ何をするか分からないのだ。






「…チャンミナ、…」



ゆっくりとユンホは息を吐いた。
中指の先端さえ押し出すほど窮屈な場所はユンホの不安が杞憂だったと告げている。




「ごめん、…」
強引にもちあげた腰を静かに下ろし、触れていいのか迷うようにユンホの手がチャンミンの頬へ伸び、そして止まる。
大きな眸いっぱいに涙をためたチャンミンが視界に入り、自分の情けなさに触れることさえできない。


───誰よりも不安でツラかったのは、チャンミンなのに。




ユンホは止めた手をぎゅっと握り、一旦離れようと体を起こす。
嫉妬に狂った今の自分にチャンミンを抱きしめる資格などない、そう思ったのだ。



「っ、やだっ!」
「ぅわ、、っ」
ぽっかり空いた隙間がぶつかるように伸びあがったチャンミンで埋まる。
バランスを崩したユンホがまともにチャンミンを下敷きにしてしまい、慌てて腕を突っ張るがそれさえチャンミンによって阻止された。
「チャンミナ、…潰れるから、っ、離せって、…」
ぶんぶん頭を振って、それでも縋りついてくるチャンミンにユンホは困ってしまう。



「やだ、…ユノ、…っ、離れないで、」
しぼりだすようなチャンミンの声にユンホの胸がぎしぎしと鳴る。
そんなつもりじゃない、傷つけたくないだけなのに。
ユンホの後頭部を抱え込んだチャンミンは何を言っても力を緩めようとせず、チャンミンを傷つけてしまった、そんな申し訳なさがユンホを支配する。
ユンホはチャンミンの背中へ腕を回し肘を立て勢いよく横へ体を一回転させた。



「え、…ユノ?」
一瞬のうちに入れ替わった体勢。
仰向けのユンホへ跨がり思いきり体重をかけてる格好に驚き、チャンミンは跳ねるように上体を起こそうとする。
…が、今度はそれをユンホへ阻止されキツく胸に抱かれた。





いったい僕達は何をやってるのだろうとチャンミンは思う。
お互い重荷にならないようグルグル回って、…でも求めて、傷つけたくないのに傷つけたり。



「チャンミナ、酷いことしてゴメンな。俺のこと殴っていいぞ。」



切なそうに揺れる漆黒の眸。
チャンミンにとって何があろうとユンホが最優先であるように、ユンホにとってもそれは同じことで。



「え、…いいの?」
「…っ、」


本当に殴ってくるとは思わず油断したユンホの頬にぺしっと可愛い衝撃がはしる。
「……全然痛くない、…」
「じゃあもう一回。」
ぺしぺしとむず痒くなるような平手が何度か飛んで、ついユンホはその手を掴んでしまった。
「あー、…っもう、」
「ったく、…お前は、…」




いくらチャンミンが喧嘩慣れしてないといっても高校生男子の力じゃない。


殴るとか、そんなんじゃなく。
───これは、ただの戯れだ。







手のひらに余りそうな細い手首を引き、簡単に倒れてきたチャンミンをユンホは唇で受けとめた。
「…っ、ん、」
「は、…っ、…」
一瞬で埋まった2人の距離はさらに深く、貪るように口づけ溶けあうように抱きあう。



「ユノ、──キス、…された。」
わずかな隙間を縫ってふいにチャンミンが囁き、ユンホが反応するより先にがっしりと抱きつく。
「…上半身だけ脱いでユノがいっぱい付けた痕を見られたし、抱きしめられてこのまま抱かれるんだと思った。」
「っ、チャンミナ、…!」
けれどチャンミンの体はユンホより軽く、思いきり上体を起こされたら軽々と浮いてしまう。
ユンホの太股に股がったまま、それでもチャンミンは離れたくないとユンホへ巻きついた。
「旦那さまが刺青の天女を愛してるように僕もユノを愛してますって、…そう言ったら旦那さまが、もういいって離してくれた。…それだけ、…ごめんなさい。」
一気に告白し、チャンミンは息を詰めてユンホの反応をうかがう。
本当は言いたくなかった、…余計な心配をさせてしまうだけなのに。
でも、言わなきゃフェアじゃない気がした。
ユンホを殴った分、自分も正直にならなきゃいけない。







「なぜ、…内緒にしてた?反対したのに無理やり行って、俺が怒ると思った?」
怒るというより悲しそうな目をするユンホへチャンミンはどうしようもなく胸が痛い。 
「ううん。僕は行ったことを後悔してないよ。それより、ユノが自分を責めるんじゃないかと思った。」
そしてチャンミンは気づいてしまった。
実際に抱かれる自分よりも、きっと、ユンホの方が傷つくだろうことを。
ガンソクに抱かれても構わないと一旦は覚悟したチャンミンだったが、違うんだ、…それによって与えられる打撃は遥かにユンホの方が大きいのだ。






「…ごめん、ユノ。でもやっぱり後悔はしてないよ。僕にはユノだけって、旦那さまは分かってくれたと思うし。」
「ふ、…めでたいな?」
「あー、なんでさ。じゃなきゃ途中でやめないよ。」


ユンホは呆れたようにため息をついた。
だがこれがチャンミンなのだから仕方がない。
恐がって震えていてくれたらいっそ楽なのに。
自分の目で確かめ自分の耳で聞こうとするチャンミン。
まさかガンソクへ自分を愛してると正直に言ってしまうとは、もし逆上されたらどうするんだとユンホの心配は絶えないのだ。





「…お前から親父の感触を消したいな、…」
ぽつりとユンホが言えば、
「うん、消して。」とチャンミンが素直にこたえる。
そんなチャンミンをどうしようもなく好きになってしまったのだからユンホはもう諦めるしかない。
「抱きたいってことだぞ?」
「ん、…あ、ちょっと待って、」
急に思い出したようにチャンミンが焦るから、そうだよなとユンホは思う。
もうずいぶん時間がたっていて、そろそろエナがのぼせ気味に風呂からあがってくる時間なのだ。



「ユノ、…えっと、」
「ん、」
本音を言えば、ユンホはチャンミンを抱きたくて仕方なかった。
ガンソクにキスをされたとか、身体を見られ触れられたであろうチャンミンの記憶を上書きしたい。
けれど、エナへ遠慮するチャンミンを無理させるのも嫌なのだ。



それなのに、
「今夜はやめておくか?」
「その前によれよれの布団を直していい?」
「は?」
ほぼ同時に口にして、ユンホはしばらく呆気にとられた。



そして、──ったく、とユンホのつぶやきは一瞬でチャンミンの唇に消えていく。
チャンミンだってユンホに抱かれず今夜を終えることはできそうにないのだ。



「どうせグチャグチャになるからいんだよっ!」
「でもユノ、気になってデキないっっ、」





もう二度と布団なんか敷くものかと決意するユンホだが、チャンミンが言い出したら聞かないこともよく知っている。 
「だって、…そこばっか目がいっちゃって集中できないし、」
そう言いながらシーツを敷き直すチャンミンの隣でユンホは焦らしに焦らされ、──できた!とチャンミンが言うが早いか飛びつかんばかりにチャンミンを組み敷くユンホだった。





そして、完全に忘れ去られたのはエナで。
どうにもユンホの寝室へ近づくことができず、気づけばキッチンのカウンターで伏せ寝して朝を迎えてしまった。


不貞腐れるエナにユンホはエナの好物の饅頭を買ってきて機嫌を取り、節々が痛いと愚痴るエナのマッサージでチャンミンは半日を費やした。
エナは文句を言いつつ、変わらず仲の良いユンホとチャンミンを微笑ましく眺める。




それは、とても幸せな光景だった。















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