HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~最愛~36














  



















ロジンの部屋を出たあと明らかに様子のおかしいユンホをジノが心配し、早めに帰れと仕事を引き継いでくれた。
ジノには世話になりっぱなしだとユンホは申し訳なく思うが、ジノにしたら完全に上の空のユンホでは役に立たないからどちらでもよかった。




チャンミンはどうしてるだろうか。
電話すればよかった、そう思いながらユンホは家路を急ぐ。




ここ最近で急激に名をあげたユンホは味方も多いが敵も少なくない。
チャンミンは嫌がるだろうから直接話してはいないが、ユンホはチャンミンの登下校に護衛をたてていた。
今までは真っ直ぐ帰宅していたのが、この三日間ほど途中下車し同じビル内に消えると言うのだ。
若者向けの雑居ビルへ尾いていくには悪目立ちすぎると出入口で待機し、1時間ほどで出てくるチャンミンの報告をユンホは受けていた。


どこへ行ったのかを細かく聞くべきかユンホは迷う。
ユンホ自身で護衛がわりについていたなら迷わず聞けるのだが、人を使って見張らせていたことに少なからず罪悪感もありなかなか聞けずにいるのだ。


そして今日も同じビルから1時間ほどで出てきて帰ったらしい。
何の問題もなく無事に帰ってるのであればいいじゃないかとユンホは思っていた。
それよりも今夜ユンホはチャンミンに尋ねたいことがあった。
どうして今まで気遣うことなく過ごしてきたのか。
答えは簡単だ、ユンホにとって母親という存在が無きに等しいものだったから。
それが、急にそうでなくなったのだ。







玄関の引き戸を開ければ遠くからパタパタと足音がする。
思わず頬を緩めるユンホだったが、ひょっこり顔を出したのはエナだった。
「なんですか、ユンホ坊っちゃん。そのあからさまにガッカリした顔は!」
エナに責められユンホは慌てて否定しようとするけど視線はどうしてもチャンミンを探してしまう。
「チャンミンならサン太のお墓ですよ。今夜はどうも話に花が咲いてるようなのでね。」
「あ、ああ。」
幼い頃からサン太を話し相手にしていたチャンミンは、サン太を埋めた桜の木の根元を墓にして事あるごとにそこでサン太と話をしていた。
「今行ったら、邪魔かな?」
「そんなこと知りませんよ!なにサン太へ遠慮してるんですか。」
エナにそう言われて、それもそうだとユンホは思う。
昔からチャンミンはサン太を可愛がっていて、ユンホと同時に餌をやりなぜかユンホへ寄ってくるサン太を嘆いていたっけとユンホは思い出した。
くりっくりの眸に涙を浮かべて悔しがるチャンミンが可愛くもあり、そんなにサン太がいいのかと面白くない思いをしていたのだ。



「エナさん、あのさ、…少しチャンミンと話したいんだ。」
遠慮がちに言うユンホをエナは不思議そうに見つめる。
「…話せばいいじゃないですか。」
「ん、…まぁ、そうだな。少し、込み入った話なんだけど、」
「はあ、…」
エナはなんだか可笑しくなってきた。
盃を貰って間もないのに堂々としたユンホの振る舞いが格好いいと話していた組の若い衆へ、この歯切れの悪いユンホを見せてやりたいよと思う。
「…それって私がお邪魔ってことですか?」
わざとエナは怒ったように言ってみせた。
ユンホが困ったように肩を竦めるがそんなユンホも新鮮だ。
「ん~、…またキッチンで寝かせたら悪いだろ?」
「まあっ、」
エナは開いた口が塞がらない。
よくも堂々と、と呆れるが、今夜のユンホはいつもと少し様子が違い弱ってるようにエナには見えた。
なにかツラいことでもあったのだろうか。
それでチャンミンと2人きりになりたいとエナへ頼んでくるとは、ユンホにとってチャンミンの存在はもう弟代わりだけではないのだとしみじみ思うエナだった。







「ちょうどお屋敷へ呼ばれていたので行ってきますけどね、2時間です。2時間が限界ですからね!分かりました?2時間たったら何してようが部屋まで乗り込みますからね!」
フンと鼻をならしながら、それでもエナは快く離れを出ていった。
今夜はガンソクが久しぶりに屋敷に戻っていて、ユンホとチャンミンの動向を報告するようにロジンから言われているのだ。
さて、どう報告しようか、とエナは迷う。
まさか、たった今真っ最中ですよとは言えない。
多忙の2人はすれ違いの生活で、会えば兄弟のように仲睦まじいとしかやはり言えない。
最近ではエナの目を盗んでコソッとキスを仕掛けるユンホとそれを責めながらついお返ししてしまうチャンミンが日常になっていて、隠してるつもりだろうがまったく隠れてない2人に呆れながらエナはそんな2人の小さな幸せをいつまでも守ってやりたいと思うのだった。












ユンホが庭へ出ようと縁側へ続く障子を開けると、ちょうどチャンミンが庭から縁側へあがってくるところだった。
「あ、ユノっ!」
「ただいま、チャンミン。」
にっこりと笑いかけるユンホへチャンミンは一瞬固まったように動きを止める。
「…チャンミナ?」
不思議そうにするユンホの腕へ恐る恐る触れて、本物?とチャンミンが聞いた。
ちょうど今ユノに会いたいとサン太へお願いしたばかりで、それがこんなに早く叶ってしまうとはサン太はスゴイ!とチャンミンは感動していて、そんなことを知らないユンホはほんの少しの時間だけど毎日のように顔を見て挨拶してキスまでしてるのにとくすぐったくてニヤニヤしてしまう。
「ホントお前は、…」
我慢できずユンホはチャンミンの顎へ指をかける。
引き寄せようとしたユンホの指が、あっ!というチャンミンの声に反応しスルッと抜けて宙に浮いた。
気づけば視界にはチャンミンの背中。
「サン太へお礼してくる!ちょっと待ってて。」
などと暗闇に消えていくチャンミンを呆気にとられ眺めるユンホは結局いつものように結構な時間を焦らされ待たされるのだ。









サン太の墓の前でチャンミンは飛び出そうな心臓を落ち着かせていた。
予定外に早く帰ったユンホと会えるのは素直に嬉しい。
だけど今チャンミンは施術中で、それをユンホにバレるわけにはいかない。
半分諦めていたもののガンソクから簡単なメールが届き、そこにはガンソク馴染みの彫り師とその弟子がやっている店が記載されていて話は通してあるとあった。
チャンミンは毎日のように自分のあとを尾ける男達の存在と、それがユンホの差し向けた人間であるということも気づいていて、敢えて若者向けのファッションビルにある弟子の店を選んでいたのだ。



毎日少しずつ進められる彫りと消毒。
慎重かつ丁寧に進められる施術にチャンミンはガンソクへ感謝していた。
不思議なもので、最初のひと針が皮膚深部の真皮層を貫いた時、チャンミンは痛みよりも嬉しさの方が大きかった。


こんなこと、ユンホが知ったら怒るどころじゃ済まないかもしれない。
それが分かっていながらガンソクへ頼った自分をユンホは愛想尽かすかもしれない。
それでも覚悟を形にしたかった。
自己満足と言われようがチャンミンは幸せで、そしてあれほど悩まされた吐き気が嘘のように無くなったのも事実なのだ。




チャンミンは胸の前でぎゅっとこぶしを握る。
これが完成したら、…いつかユノへ見て欲しい。
でも今はまだその時期じゃない。
ふぅと息を吐き、チャンミンは動悸がおさまるのを静かに待った。






     










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