HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~最愛~37



































「っ、遅い!!」
「…ぅわぁ!」



チャンミンは突然伸びてきたユンホの腕に羽交い締めにされ引きずられるように引っ張られた。
何をそう焦っているのか、ユンホはジタバタするチャンミンを肩に背負い問答無用で縁側を上がる。
「こらっ、サン太もいいけど、こっちだって2時間なんだ。」
「は?2時間ってなに?あれ、エナさんは?って、…ユノー、っ!」
居間に戻って障子を閉めた途端ユンホはチャンミンを抱き寄せキツく胸に収めた。
しばらく庭に立っていたチャンミンの身体は冷えきっていて、温もりを分け与えるように全身を撫で戸惑うチャンミンへ大丈夫だと言って聞かせる。





時間があまりないから単刀直入に聞くしかない。
昨日まではまったく考えたこともなかった。
それが今日、急に気になるなんて俺も勝手な奴だとユンホは情けなく思う。



「チャンミナ。お前、…母親に会いたいか?」
「え?」
「どこかで生きてるだろう母親に会いたいなら、俺が探してやろうか?」
「…ユ、…ユノ、」



急に何を言い出すのかと驚くチャンミンをよそにユンホの表情はいたく真剣だ。
お互い目線を合わせたまましばらく無言で見つめ合う。
ユンホはチャンミンの本音が聞きたくてゆっくりとチャンミンの頬を撫でながら優しく微笑んだ。
それはチャンミンの返答がどうであれ、それを受けとめ出来る限りのことをしてやろうという慈悲深い微笑みだった。









捨て犬のように弱り迷いこんだ男をヤクザとは知らず拾ってしまったユンホの母親。
既に頭脳明晰ゆえに冷酷で容赦ない男だとその世界で名を売っていたガンソクが唯一弱味を見せた場所。
息子を返してくれと屋敷の門を叩いた母親を追い返すのはロジンの役目だったらしい。
下っ端ではなくロジンを行かせたガンソクの思いをロジンはよく理解していて、ユンホへ誤解のないよう丁寧に話して聞かせたのだ。




ユンホの母親がガンソクにとって特別な存在で、それは結局お互いの想いの違いから別れる結果となってしまったけれど、それでもやはり特別だったのだ。
だからガンソクは一度はユンホを母の元へ返すことも考えていた。
いずれ彼女に愛する人が現れたとき、子供の存在は足枷になるかもしれない。
ガンソクの金を意地でも受け取ろうとしない彼女の経済的不安もあった。
だが、そこまで返してくれと望むなら彼女から受けた恩を返すつもりでユンホを手離すことも考えたのだ。



それなのに、ロジンが密かに動き話し合いの場を持つに至ってすぐその事故は起きてしまった。
信号無視の車に跳ねられ呆気なく逝ってしまった彼女。
ユンソクから手を引き、ぽっかり空いた心の隙間を埋めてくれた人。
ガンソクの悲しみは深く、それ以来ごくたまにだが行方をくらましどこか別荘にこもるという。



「組長は自分の弱さが露呈するのを極端に嫌がります。要は見栄っ張りなんですよ。だから息子の貴方にさえ何も話さなかった。でも、…そろそろいいでしょう?無事貴方が跡目を継げば、あの方は引退しただの企業人で貴方の父親なのだから。」


そう呟いたロジンの何とも言えない表情がユンホの脳裏に焼きついて離れない。 
ガンソク個人の悲しみや苦悩を誰よりも近くで見てきて、それでも組の為に蓋をして何よりも面子を優先させてきたロジンだからこその。






ユンホはこれまでの人生がひっくり返るような思いでその告白を聞いていた。
男しか愛せない父親が遊び半分で一般人へ手を出し、挙げ句ボロ雑巾のように捨てたのだとユンホは思っていたのだ。
そう噂に聞いていたし、亡くなったのもずっと先の話だと聞いていた。
母親にとって自分は忌むべき存在だと思っていたから忘れたかった、母親のことも、父親がガンソクだということも。






「もしかしたらお前の母親も改心してお前に会いたがっているかもしれない。…会いたいか?」
ユンホはもう一度チャンミンへ尋ねる。
ガンソクと母に自分では知り得ない歴史や想いがあったようにチャンミンの母にもあるかもしれない。




真剣に見つめるユンホの鼻先にふわりと慣れ親しんだ匂いがして、っくん、…と鳴った。
擦りつけ合った鼻先が角度を変え、ユンホの言葉を遮るようにチャンミンは唇を重ねる。
そして名残惜しげに離されたくちづけ。


「僕のお母さんは、…ユノだから、」
「…は?」
真剣な話をしてるんだぞ?とユンホはチャンミンを軽く睨むがチャンミンは至って真面目な顔で。
「最初に会った日、お風呂で身体を洗ってくれたよね。誰かに洗ってもらうのなんて初めてだったんだ。頭を撫でられたのも、並べた布団越しに笑いかけてくれたのもユノが初めて。何も知らない僕に何もかも1から教えてくれたのはユノだから、…」
「…、でも、母さんって、…せめて父親くらいに、」
思わず苦笑いが漏れたユンホの唇にトンっと柔らかい衝撃が加わり、それがニッコリと形をかえた。
「お父さんも、ユノ。礼儀作法や挨拶や武道場での厳しい稽古、それに書くこと読むこと、…すべてユノが教えてくれた。」
何を言い出すんだとユンホは目を丸くするが、チャンミンが冗談で言ってるようには見えない。
真剣な目がユンホだけを捉えて真っ直ぐに見つめるからユンホも同じように返した。






「恋人も、…ユノ。僕の全部がユノで作られてる。」



そんなこと言われて、──なんて返せばいいのか。
ユンホの指がチャンミンの赤く縁取られた耳朶あたりを往復する。
言いたいことは、ひとつ。
 


「俺もだよ、チャンミナ。」







深く口づけたままユンホはチャンミンを押し倒した。
縺れるように抱きあい顔じゅうにキスをして目を合わせる、そして吸い寄せられるように舌を絡ませた。
ガンソクとの食事会以来、久しぶりの重みにチャンミンの胸は高まり畳の固さもまるで気にならない。
エナが居てもこっそりキスをしてはじゃれるように抱き締めあう2人だったが、それ以上のことは到底できず真面目にひとり寝の毎日だったのだ。




「…シタイな?」
チャンミンの耳元でぽつりとユンホは言い、返事を促すように耳朶を甘噛みする。
「……駄目だよ。こんなところで、…シャワーだって浴びてないし、エナさんが帰ってきちゃう。」
蕩けるようなキスに酔いながら、少しだけチャンミンは冷静になった。
前回はエナをキッチンで寝かせてしまい大いに反省したばかりだというのにそうそう同じことばかりしていられない。
「大丈夫、まだ時間はたっぷりある。…抱きたいよ、チャンミナ?」
甘えるようにユンホが言い、その上げた口角の色っぽさにむしゃぶりついてしまいたいチャンミンだったが何とか自制する。
今夜は服を脱ぐわけにはいかない、上半身にぐるっと巻かれた包帯は隠しようがないのだから。
「僕だって、…でも駄目だよ、…焦ってスルのは寂しい。」
「…チャンミナ、」
そんなふうに言われたら自分が酷くがっついてるようでユンホは申し訳なくなる。

 


だが先程のチャンミンの告白はユンホの独占欲を大いに刺激し、それを身体でも確認したくてユンホの下半身は爆発寸前なのだ。
性欲に関して淡白だと自負していたのに、これほどチャンミンを前にして我慢できないなんて保護者失格だなとユンホは自嘲気味に思う。



「──どうしても駄目か?」
それでも未練たらしく口にしてしまう自分がユンホは情けないのに、それに反してチャンミンの表情はみるみる花のように綻んでいった。
「…言い忘れた。」
「何を?」
むくりと起きあがったチャンミンがユンホの目尻に残る傷痕をペロリと舐め、
「父で母で、恋人になったら時々子供に戻るユノも全部僕のものだね。」
そう嬉しそうに言うから、ユンホは困ったように笑うしかない。




「お前さ、…」
「ふふ、いつかの代わりばんこを今してもいい?」
「…え?」
思いきり体重を掛けられ仰向けになったユンホをチャンミンが跨ぎ、いたずらっぼく笑ったチャンミンにユンホは見惚れてしまう。








「っく、」
暴走しそうなユンホの中心へ触れてからのチャンミンははやかった。
トラウマなんて言っていた自分を後悔し、いつかユンホを夢中にさせるような技を披露しなきゃとコッソリDVDで予習をしていたのだ。
「ん、…はぁ、、ん、っ、」
強引にユンホのズボンの前だけをはだけ、取り出したものを躊躇なくのみこんだ。
驚いたのはユンホだが、いつになく積極的なチャンミンの色気と妙に上手い舌技に翻弄されてしまう。


「こら、っ、チャンミナ、…はぁ、お前さぁ、」
チャンミンがDVDで勉強したのだとユンホにはすぐに分かってしまう。
そんなことしなくていいのに。
お前どれだけ俺を夢中にさせるつもり? 
と、なんだか悔しいユンホだが、今は為すすべもなく快楽に身を委ねてしまう。



「はぁはぁ、…ユノ、…僕、ちゃんとユノを愛せてる?」
真っ赤に頬を上気させペロリと舌を出したままチャンミンがユンホへ囁いた。


──あ、…とユンホが眉をひそめたのは一瞬で、腰の痺れが頂点に達し無意識に腰を突きだせば更に吸い付く柔らかい感触にすべてをもっていかれる。






チャンミナ。



愛しい人の名をよび、果てる瞬間ユンホは昔よく見た夢を思い出していた。
跳ねるように起きた後の、蜜を垂らす禁断の滾りと恐ろしいほどの罪悪感。


それをすべて飲み込んで、現実のチャンミンがこの上なく幸せそうに笑う。



──泣いてしまいそうだ、と、ユンホは幸せを噛みしめ、愛しいカタマリを胸に抱きしめるのだった。
















にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト