HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~最愛~38

































「っ、んん、…っ!」
真っ赤になって眉間にシワを寄せるチャンミンをユンホは面白そうに眺めていた。
ほら、とユンホが差し出したティッシュはことごとくチャンミンの手にはたかれ、さて、どうしようかとユンホは悠長に様子をうかがっている。



「ん~、…ぅぐ、」
「くっ、いい加減諦めな?」
他人事のように笑うユンホだが、チャンミンが苦しそうに顔をしかめる原因はユンホにあった。
チャンミンがむきになって飲み込もうとしているのは先程ユンホが吐き出したもので、それが上手くいかずどんどんチャンミンの表情が苦々しくなっていく。
吐き出せとユンホが言ってもチャンミンはぶんぶんと首を振った。
こういうのは勢いが大切なんだから一旦口に溜めてしまったら苦味しかなく飲み込むのは大変だ。
「ほんと、頑固だなぁ。」
呆れたように笑うユンホも頑固で一生懸命なチャンミンは可愛いがそろそろ可哀想になってきた。



「…チャンミナ、」
囁くようにユンホはチャンミンの首筋に顔を埋め、…そして、がぶっと噛みつく。
「っぐ、…ッゲホ、っ!」
その衝撃に堪えきれず思わず吹き出し噎せたチャンミンの口元へティッシュを当てて、ニッコリとユンホは笑った。
「う、…っ、ユノ、…ひどいっ、」
涙目で唇を尖らせ責めるように訴えてくるチャンミンはユンホにとって可愛さしかなく、いつものように尖らせたそこにチュッとキスしてしまう。
「ひどいって、…なにも無理して飲むものでもないだろう?」
「っ、だって、…ユノは飲んでくれた、…」
そんなことでシュンと肩を落としたチャンミンがユンホは愛おしくて、「そんなの、いつでもあげるよ。」と言えば真っ赤になるチャンミンも愛おしい。



ユンホはチャンミンの顎に指を引っ掛け、薄く開いた唇を舐めて舌を差し入れた。
ぐるりと歯列をなぞり残った苦味を掃除するように口内を丁寧にぬぐう。
「やだ、ユノ!苦いってば、」
焦って離れようとするチャンミンの頭をポンとあやすように撫で、それから背中に手を伸ばし上下した。
チャンミンからの初めての行為がどれほどユンホを喜ばせているのかチャンミンはよく分かっていないようだけど、背徳感に悩んだ夢を上書きするチャンミンの行為と幸せそうな顔、ユンホは赦され満たされた思いで胸がいっぱいだった。







それから、俺もシタイと手を伸ばすユンホをチャンミンは拒み、それより話が聞きたいと言った。
ここ数日ユンホの様子がいつもと違うことにチャンミンは気づいていて、特に今夜は違った。
急にチャンミンの母親の話をするのも変だったし、どこか憑き物が落ちたようにスッキリしてるとチャンミンは感じていた。
ユンホのことはすべて知りたい。
それが悪いことであっても。
ユンホのすべてを受けとめるにはまだ自分は未熟だけど、いつかそうなるから、絶対なるから、とチャンミンのおっきな眸がユンホへ無言の訴えをする。






仕方ないな、と吐いたユンホのため息は、色を付けたらきっと薄桃色をしていたに違いない。それほど軽やかで甘いため息だったのだ。



そしてユンホはゆっくりとチャンミンへ話して聞かせた。
ガンソクとユンソクのこと、そしてユンホの母のこと。
何度も頷きながら真剣な表情でチャンミンは聞いていて、話し終わったユンホへチャンミンはふわりと抱きつく。
「ユノを産んでくれてよかった。」
それだけ言って一筋流した涙を、ユンホは何物にも代えられない美しさだと眺めた。






それは、わざとらしく大きな音をたてながらエナが帰ってきてからも続いた。
「ただいまーーっ。エナさんが帰ったわよー、靴を脱ぐのに数分かかるけど、すぐにソッチへ行きますからねぇ!」
変な気の使い方をするエナへユンホとチャンミンは目を合わせ笑ってしまう。
「ぷっ、…べつに今すぐ来てもいいのにねぇ。」
クスクスと肩を揺らすチャンミン。
居間の壁に凭れたユンホの膝を割ってユンホの胸に背中をあずけるチャンミンだったが、それは見られてもいいんだとユンホはチャンミンの許容範囲が可笑しかった。
この歳になって男同士でバックハグはおかしいだろうが、きっとエナは頬を染めながらも知らんぷりしてくれるだろう。




「もしかしたらシドさんは知っていたのかもしれない。」
「…シド?」
急に思いついたように言うチャンミンの背中を抱き、肩ぐちに顎をのせてユンホは聞き返した。
「前に、チェ・ユンソクって俳優に似てるって言われたことないか聞かれたんだ。旦那さまからその名前を聞いたことある?とも聞かれたし。」
「…ああ、だからUM芸能との席へ行くよう言ってきたのかもな。」
「多分シドさんは知っていて、でもユノには直接旦那さまやせめて義父さまから聞いてほしかったんだと思う。ユンソクさんと実際に会って旦那さまを理解してほしかったんじゃないかな?」
ふっとユンホは笑った。
シドがそこまでガンソクの肩をもつ意味はないから、それはチャンミンの希望的観測だろう。
「お前さ、親父に襲われそうになって、それでも親父を理解しろって言えちゃうんだ。」
ユンホがそう言えばチャンミンはキョトンとして、それとこれとは違うと言いたげな視線をよこす。



「結局襲われなかったのは、やっぱり旦那さまがユノのお父さんだからだよ。」
そう断言するチャンミンに、やはりそれもチャンミンの希望的観測だとユンホは思った。
それでもなんだかじわじわと胸があたたかい。


エナの足音が聞こえるけど、ユンホは素早くチャンミンの後頭部を引き寄せキスをした。
驚き目を丸くしたチャンミンのまぶたへさらにキスを落とし、鼻先を擦り付ける。
このまま永遠に続いてほしいと思えるような穏やかで幸せな夜だった。










それから数日。
ユンホは会社でシドからの電話を受けていた。
受験が終わるまで連絡しないと言っていたシドの様子は切羽詰まり、何事かとユンホにも緊張感が伝わる。
久しぶりの挨拶などろくにせず、シドは必要事項だけを淡々と話した。



以前から気に掛けていた土地売買をめぐる企業と政治家の癒着。
いまだ荒れ放題の土地だが、都市計画の具体案が正式に提出される見通しだと言うのだ。
「正式に提出されれば鳳昌組へ伝わるのもすぐでしょう。もしかしたらもう伝わってるかもしれません。売買契約自体に落ち度はなく正式に訴えても勝ち目はない。ユノさん、逆恨みの矛先が貴方に向かう可能性があります。くれぐれも気をつけてください。」
「シド、…」
ユンホは緊迫した話の内容云々より、あれほど突然突き放したのにそれでも自分を心配してくるシドに胸が痛かった。
「お前は受験の心配だけしろと言ったはずだぞ。親と言えど政治家の部屋を盗聴してバレたら犯罪者だ。」
「…でも、ユノさん、…っ、」
心配してくれるのは嬉しいが、ユンホはシドを自分の人生に巻き込むつもりは毛頭ないのだ。
「いいか、シド。政治家を甘く見るな。政治家はヤクザと紙一重だからな。それを胸に刻んでお前はまっとうな政治家を目指し、俺になど二度と連絡を寄越すんじゃない。」


わかったな?と、ユンホは再度念を押して通話を切った。
何か言いたげなシドのつぶやきが聞こえたが、ユンホは気づかないふりをする。
これはシドの為なのだと何度も心のなかで繰り返し、重いため息を吐いた。









それにユンホは、鳳昌組への警戒を充分にしていたはずだった。
事務所の動きは逐一報告させていたし、軽はずみな行動は控えた。



それがまさか、
一時的に警護を増やしていたはずのチャンミンが。



目の前が真っ暗になるとはこういうことかと、深い暗闇に叩き落とされたような衝撃をユンホは病院からの電話で受けていた。















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