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HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

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あなたが笑えば~最愛~46


































ちょうど一週間前。
エナは夢でも見ているのかと、目をパチクリさせ開きっぱなしの口を両手で押さえていた。
たった今、液晶画面に映っていた人物とユンホが連れてきた人物がどう見ても同一人物だからだ。
ユンホから話を聞いてガンソクとユンソクの関係を知っているチャンミンでさえ、まさか実物に会うとは思ってないから心底驚く。
しかもしばらく離れで面倒をみるとか、驚かない方がおかしいのだ。



人気俳優の突然の引退表明は連日芸能ニュースのトップを飾っていた。
事務所とは穏便に話し合いがつき、マスコミ向けに記者会見も済ました。
ただあまりに突然のことで、憶測が憶測をよびスキャンダラスな噂も相まってマスコミを加熱させてしまったのだ。




ユンホはたまにだがユンソクと連絡を取り合っていた。
ユンソクにとってユンホは初めて過去の傷と想いを告白した相手であり、否定しても否定しきれない面影をどうしても追ってしまう相手だった。
そのせいか引退して経営陣に加わるという選択肢を多少の酔いに任せてユンソクはユンホへ話してしまった。 
それにユンホが乗ってきて、結局のところ新しい芸能事務所の方向性を試したくなったのだ、ユンホと一緒に。
いっさい表に出ず影に徹すると言ったユンホのアイデアは面白く斬新で、それは東神組とのパイプをそろそろ新しくするべきじゃないかとユンソクに思わせた。




本来なら東神組の了承無くしてユンソクが勝手に引退など出来ないはずだが、自分が責任の全てを持つと熱くユンホに説得されたらユンソクは納得せざるを得ない。
ユンホの涼しげでいて熱い意志を持つ眸はユンソクに対してそれほどの力があったのだ。











──という経緯があり、そろそろロジンヘ報告しようかという矢先の電話だった。




「……っ、…ユンホさん、…」
低く唸るような声、それだけでロジンの怒りが手に取るようにわかる。
「事後報告になったことは謝ります。しかし、…」
ユンホが話し終える前に、「そちらへ行きます!」と言うがはやいかブッツリ通話が切れた。





「ユノ、…義父さま、怒ってる。」
「…だな?」
ユンホの仕事へ口を出すつもりはないが、チャンミンはめずらしく怒りを顕にしたロジンにユンホのことが心配になる。
まさかユンホの独断でここまでやるなんて。
チャンミンは不思議だった。
ガンソクがどれほどの想いで俳優としてのユンソクを見守ってきたか、それをユンホの口から聞いたのはついこの間のことだったのに。
それなのにユンホは焦った様子もなく、まるで他人事のようにアッケラカンとしている。



「ユンソクさんのことを隠してたから枝垂れ桜を見せたかったのに止めたんだね。」
「…まぁな。」
「っ、もう!」
ユンホの勝手な行動がロジンの怒りをかってしまったことより、チャンミンはその事実を自分へ教えてくれなかったことに腹を立てていた。
どんなことでもユンホのことは全て知りたいのに。
この一週間なぜか体調が優れず気が滅入っているのに勘弁してほしいとチャンミンは悲しくなってくる。



それにチャンミンには多少の不安があった。
ユンホより随分年上のユンソクだが、それを感じさせない透明感と清廉さがユンソクにはあって、毎晩のようにユンホと2人でパソコンへ向き合い話し合う姿がどうにもお似合いなのだ。
ユンソクの過剰過ぎない色気はユンホを誘ってるわけではないし、ユンホだってもともと男が好きな種類の人間ではない。
だからこれは純粋に仕事の相談をしているだけだとチャンミンは自分を言い聞かせる。



それなのにどうだろう。
穏やかなユンソクの微笑みがユンホの何気ない言葉で香るように相好を崩す。
それが本当に見惚れてしまうほどの麗しさで、チャンミンはドキドキしてしまうのだ。
間近で見る芸能人の洗練された美しさへ対する動悸と、ユンホがユンソクを好きになってしまったらどうしようという動悸。
ガンソクの愛人として引き取られたチャンミンにもユンソクはとても優しくチャンミンもユンソクが好きだ。
それにガンソクの背に彫られた天女はこの人だとチャンミンは知っている。
それにも関わらず胸のなかで燻るドス黒い塊がチャンミンを悩ませ憂鬱にさせていた。









「どうかしました?」


ふとチャンミンの背後から少し高めのよく通る声が聞こえ、振り向こうとしてチャンミンは自分がユンホの腕の中だと気づく。
慌ててユンホから離れ、その様子を可笑しそうに笑うユンソクへチャンミンも照れ笑いで返した。
ユンホがふざけてチャンミンを抱きしめるといつもユンソクは穏やかな表情を浮かべ笑っていて、それが優しくて大人でチャンミンは憧れる反面ユンホがそんなユンソクへ好意を抱いたらどうしようと思ってしまう。
親子だから好みが似るかもしれないと先走ってはひとり布団の中で涙する日もあったのだ。




「ユンソクさん。若頭が怒鳴りこんでくるかもしれませんが慌てないで。俺に任せてくれればいいから。」
「…はい。」


安心させるようにニコリと笑うユンホと静かに頷くユンソク、それは知り合ってまだ間もないとは思えないほど信頼関係が垣間見えて、


「…っ、う、…」


知らずチャンミンの喉が鳴る。
それは何か言ってやりたい、この空気を壊したいのに適当な言葉が見つからないというもどかしい喉鼓だった。









そんなチャンミンの思いが届いたのか、しばらく視線を合わせていたユンホとユンソクの意識が玄関へ向く。
引き戸を開ける音とエナの狼狽した様子が伝わってきて余程ロジンがひどい形相で現れたのだろうかと3人共が思ったその時。






「──ユンソク、…お前、何をしている?」




一歩一歩廊下を踏みしめるように、静かだが有無を言わせぬ威圧感を纏い現れたのは、まるで無表情のガンソクだった。


「…だ、旦那さま、…!」
唯一チャンミンの声だけが響く。
ユンソクはチャンミンが心配になってしまうほど蒼白で、後ずさりふらっとよろけたところをユンホに支えられていた。


その様子へチラッと目線を投げたガンソクの得も言われぬ表情をユンホはまじまじと見つめる。
そして、やはりと確信を得て満足そうに口元を緩めた。



「父さん。俺の客人に失礼な言動はやめていただきたい。」
「ユンホ、…っ、お前、」
意識して無表情を装ったガンソクのちょっとした綻びをユンホは難なく見抜いてしまう。
血の繋がりがそうさせるのか。
ガンソクの痛みを自らの身に置き換えたユンホだから伝わるのか。




「UM芸能は事実上うちのフロント企業だ。そこの看板俳優が俺の許可なく引退し雲隠れするとはどういうことだ。」
再びガンソクの表情が厳しくなり、一瞬ユンソクを視界に捉えた後ユンホを睨みつける。
「すべて承知の上での行動です。父さん、演技への情熱が冷めてしまった役者など役に立たないと思いませんか?それよりユンソクさんの経営方針、企画など新しい試みが今後の芸能界を引っ張っていくかもしれません。まだ未完成ですが企画書を、」
そこまで言ったユンホの言葉をガンソクは拒絶するように片手をあげた。
「そんなもの見る価値もない。それよりもユンホ、お前はこの事態をどう責任取るつもりだ。」
それ以降ユンソクを一瞥することもなく、その存在がないもののように振る舞うガンソクをユンホはなんて頑固オヤジだと思うが今は親子喧嘩をしている場合ではない。




「貴方は変わらないですね、…社長。」


一歩踏みだし、そう言ったのはユンソクだった。
立ってるのがツラそうなほど蒼白だった頬へ、今は少しだけ色味が差している。
そう言われればガンソクもユンソクを見ないわけにはいかず、そして一旦視線を向ければもう離せないのを誰よりも本人が予想していたであろう。


「…なにがだ。」
「こんなにお互い年齢を重ねて、…見た目は老いたけど、でも、…貴方は相変わらず見栄っ張りで頑固だ。」
「……。」
「僕はユンホさんに感謝してるんです。彼を責めないでください。彼がいなくても僕はもう役者を続けることはできなかった、限界だったのだと、…つい最近気づきました。」


チャンミンは数歩下がり遠巻きに様子を眺めていて、もうずいぶん長い間会ってないというのに妙にしっくりくるガンソクとユンソクの空気に驚いていた。
お互い突き放しながら縋るような、背を向けて尚求めるような。



「甘えるな、お前はまだまだ出来る。…まだ、続けなければならない。」


「…貴方が許してくれるまで?」
「な、っ、…」



ユンホはユンソクが単純に経営へ関心を持っただけだと思っていた。
自分が意図することに気づかず純粋に提案をのんでくれたのだと思っていたが、ここへきてその考えが間違いだったことに気づいた。



ユンソクはユンホと出会い、過去の告白をして、いまだに過去の想いを抱いた自分を知った。
そして昔なにより執着した俳優という地位を捨て、何ものにも囚われない姿で漸く一歩近づいたのだ。
行きたくても行けなかった、約束の場所へ。






「だ、旦那さま、」
思わずチャンミンは声を掛けてしまった。
あの日、抱かれるかもしれないと覚悟した日、ガンソクの眸に見えた悲しみがたった今目の前にあって何か言わずにはいられない。
「旦那さまの背中の天女は、…とても綺麗でした。旦那さまがずっとずっと愛し続けたから、だからあんなに綺麗なんですよね。」
真剣に訴えるチャンミンをガンソクは目を細め何かを思い出すように見つめ返す。
ユンホが軽く舌打ちをするがそれはチャンミンへは届かず、ユンソクへはチャンミンの意図が通じずどうやら誤解させてしまったようで見るからに体を強張らせていた。




背中一面に彫られた天女を綺麗と言われれば、どうしたってその時の状況を想像してしまう。
愛人として大切に育てられたと噂のチャンミンだからこそ。
「あ、…」
チャンミンがその微妙な空気に気づいたときはもう既に遅く、ユンソクは肩を竦め震える睫毛が長い影をおとしていた。
「あ、あの、」
どう説明しようかとチャンミンが身を乗り出したと同時、
「わかった、…その企画書やらを目だけは通そう。ユンソク、お前が細かく説明しろ。」
ぶっきらぼうにガンソクが言い放つ。
そして、さらに素っ気なくユンホへ近づきメモ書きと鍵を渡した。



「…これは?」
「別荘の鍵だ。そこから直ぐのところにお前の母親の墓がある。今日中に帰るつもりなら今からすぐ出掛けなければ間に合わないぞ。」




驚きで声も出ないユンホへガンソクはふんと鼻をならし、さらに遠巻きにすべてを見ていたエナはふっと鼻で笑っていた。





ガンソクを若い頃から知るエナだからこそ、ちょっとしたガンソクの変化に気づいたのだろう。
常に冷静な男のこぶしがめずらしく握られていることに。
そして、実物でさらにチャンミンとよく似た面差しの俳優。





だからこそ笑ってしまった。
邪魔者を遠ざけようとするやり口が、やはり親子でソックリだと思ったのだ。














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