HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

【ホミンホ合同企画ミーアゲ(meeting again)】あなたが笑えば~最愛~その後4




































「サンタサン太、…エナさんが意地悪なんだ。」


チャンミンは池の端にしゃがみこみ群れてほとんど動かない錦鯉のかたまりを眺めていた。
重なるように群れをなしてもチャンミンにはサンタサン太がどこにいるかすぐにわかる。
もちろん、イッ太やゴン太だって。


ゆらゆら揺れる尾っぽを目で追いながらチャンミンはブツブツと愚痴るが当然答えなど返ってこない。
「ユンソクさんを邪魔だなんて思ったことない。逆にずっと居てほしいくらい話してて楽しいし。仕事帰りにお土産買ってきてくれてそれがいつも僕の好物だったり、…スゴイよね、サンタサン太。どうして分かるんだろ、」


春といえど夜はまだ冷える。
慌てていたから裸足にサンダルで出てきてしまった。
足の先からひんやりと冷えてきて、チャンミンはぶるっと身体を震わせ肩を竦めた。
「ユノなんてお土産どころかいつもいないし。いても義父さまや旦那さまが一緒で、……はぁ、…つまらない、…」
チャンミンの吐いたため息へこたえるようにピチャッとサンタサン太の尾が跳ねた。
だがそれはチャンミンの真後ろに迫った影に反応したのだとすぐにチャンミンは気づくが、そう簡単に嬉しそうな顔はするもんかとも思う。
遅い反抗期だろうか、最近のチャンミンは少しだけ素直じゃない。







それは先日、「ユンソクさんは“たおやか”な人だ。」と、どうしてそんな会話になったのかチャンミンはもう覚えてないがなぜかそのユンホの言葉だけ忘れられないのだ。


《姿・動作などが美しくしなやかで優しいさま》
すぐさま調べたその意味をチャンミンは何度も復唱し、モヤモヤとわき起こった感情は説明し難い。
“落ち着いて”“気品のある”、…辞書に次々と出てくる誉め言葉はどう考えても自分にはないものだとチャンミンは思う。
だから最近チャンミンがつんと澄ましているのは正確に言うと素直じゃないのではなく、“たおやかさ”を過分に意識してのことだった。

  


「チャンミナ、何を拗ねてるんだ?鯉だって寝るんだぞ、睡眠を邪魔しちゃダメだろう?」
「…起こしてません。」
頭上から聞こえた声を見上げることなくチャンミンはアッサリと返す。
見上げてユンホの顔を見たいのはやまやまだが、顎を上げポッカリ開いた口はとても気品があるとは思えない。
「くっ、…ブツブツ言ってたろ?聞こえてたぞ。」
そんなチャンミンの思いにユンホはまったく気づかず、どこまでも子供扱いするからチャンミンは面白くない。



自分も“たおやか”だと言われてみたい。
そんな人がユンホの隣には似合うんじゃないかとチャンミンは思ったのだ。



よいしょとチャンミンの隣にユンホも屈む。
「すっかり他の鯉にとけ込んでサンタサン太は気のいいヤツだ、…な?チャンミナ。」
視線を水面へ向けたまま呟くユンホを横目で見ながら、チャンミンは胸がぎゅうっと絞られるようだった。
「ほら、イッ太とくっついたまま泳いでる。」
そう囁くユンホへチャンミンが勝手に付けた鯉の名前を教えたのはいつだったろうか。
どんなに忙しかろうが、ユンホにとってはくだらないことさえしっかり受け入れてくれる。
「…僕がくっつきたい、…」
「え?」
つい漏れてしまった本音にチャンミンはシマッタと思う。
これでは“たおやか”とは程遠い、ただの駄々っ子じゃないか。
「な、なんでもありません。」
「ぷ、…どうした、急に丁寧語なんか使って。」
くくっと笑いチャンミンの頬を指で擦って摘まんでを繰り返すユンホからチャンミンは勢いよく顔をそらした。
「っ、ユノは、…ユノは年上なんだから、僕はもっとユノを立てなきゃ、」
「…、ふ~ん、…」
今度は何を誰に吹き込まれたのだろう?とユンホは可笑しい。
頑固で思慮深いチャンミンだが、その反面とても純粋で影響を受けやすい。
以前ジノが渡した男同士のDVDは今やチャンミンのバイブルになっていてユンホは嬉しいような困ったような何とも複雑な気分なのだ。




「ユンソクさんは年上なのにユノのことをユンホさんって呼ぶでしょ。……、っう///、あ~、…今さらユノさんなんて呼べないよっっ!」
悲痛な面持ちで膝に顔を埋めてしまったチャンミンをユンホは面白そうに眺めていた。
う~っ、とか、あ~っ、とか、まるで玩具みたいだ。
「ユンソクさんは僕みたいな高校生とも話を合わせてくれるし、ユノとは夜中まで話し合ってることもあるし。そりゃあユノがユンソクさんにずっと居てほしい気持ちはわかるんだ。だって僕もそうだもん。ああ、でもそうじゃない、…僕には分からない仕事の話なんかはわざわざ家でしなくてもいいじゃんって思うし、たまに早く帰ってきたんだから僕と二人きりになりたくないの?って実はむかむかしてるし、…っ、」



ついさっきまで意識していた“たおやかさ”はすっかり忘却の彼方か、ただ素直にヤキモチをぶつけてくるチャンミンは丁寧語さえふた言ほどで大人っぽくもないし気品もない。



「──チャンミナ、」



それでもユンホの最愛の恋人で。
負けず劣らずの嫉妬心を素直に口に出せず悶々とする狡い大人の自分よりかずっとマシだと思う。



「ん、…っあ、」



ユンホは赤く熟れた耳たぶへ唇を寄せチュッと口づける。
膝を抱くように顔を埋めてるから顔が見えない。
っや、…と、チャンミンが首を振ってもユンホは執拗に耳を攻め続けた。
はやく顔をあげて、と願い、どんどん火照っていくチャンミンの熱が自分に侵食していくのを感じながら。



「しがらみを背負った頑固な大人達が少しだけ素直になるのを見たくないか?」
「え?」
ふいにそんなことを言い出したユンホへ思わずチャンミンは顔をあげお互いの視線が絡む。
「っ、…ぁ、…」
すかさず伸びてきたユンホの手が、これ以上隠すのは許さないと言うようにチャンミンの頬を包み込みそして鼻先を掠め唇を重ねた。
柔らかくあたたかい。
二人きりになりたいのはいつだってユンホも一緒で、けれどユンソクとの会話で確実に世界が広がっているチャンミンを見ているのも好きなのだ。
どうしようもない独占欲と、チャンミンを慈しみ育てたい広い世界を見せてやりたいという包容力は反発しながらもユンホのなかに共存していた。



「親父の天女に触れたのが亡くなった母以外にお前だけとか、…ちょっと、許せない。」
「え、…天女?って旦那さまの、…?///」
ぽっと頬を染めたチャンミンが悪い、それをユンホは見逃さず引き寄せる腕に力が入る。
チャンミンが反り返るほど唇を押しつけ角度を変えて何度も貪り、それは天女の刺青についてユンホへ促されるまま喋ってしまったチャンミンが後悔するまで延々と続いた。




「っ、…はぁはぁ、…ユノ、此処をどこだと、…」
どれくらい時間が経ったのだろうか。
チャンミンの息は荒く足は痺れてすぐに立てそうにない。
サンタサン太も呆れたのか先ほどまでこちら側にいたのに、気づけば場所を変え反対側で群れをつくっていた。
天女、…そうだ、ユノが天女なんて言うから!
あの食事会で見たガンソクの背中を彩る刺青はやはり圧倒するほど美しい記憶のままチャンミンのなかにあり、そこに欲とか色気など存在しないのにとチャンミンは何度もユンホへ訴えるがそれはなかなか聞き入れられない。
旦那さまも組員全員に公開してくれたらいいのにとチャンミンは思うが、でもそれは違う、…どれほど特別なものかも理解していた。



「ユノ、…もしかして旦那さまとユンソクさんの長年の想いを叶えるつもり?」
まさか父親の恋を応援するなんてチャンミンには思いもよらなかったが、言われてみればユンホがユンソクを離れに招き、口では嫌がりながら離れに通うガンソクを満足そうに受け入れてるじゃないか。
「…だからさ、天女の記憶はユンソクさんへ譲ってやれよ。チャンミンのは俺が消してやるから。」
ボソッと呟くユンホへチャンミンは満面の笑みを返す。
そして痺れた足をひと踏ん張りしてユンホに向かって飛びついた。


「っっ、…わっ!」
ユンホもさすがに足が痺れていたから体重ごと飛び込んできたチャンミンを受けとめきれず、二人して芝生の上に転がった。
ユンホの上に跨がるようにしてチャンミンはギュウギュウと身体をひっつけ、んーーっと唇を押しつける。
こんなこと最近もあったと思いめぐらすユンホの鼻先をペロリと舐め、
「僕、頑張るっっ!」
そう高らかに宣言するチャンミンだった。








そしてそれを遠巻きに眺めるふたつの視線にユンホとチャンミンは気づきもしない。
いや、ふたつどころではない。
垣根の向こうには気配を殺した組員が何人かいるはずなのだから。



「…はぁ、…連れ戻してとは言ったけど、庭でイチャイチャしてこいなんて言ってないわよね。」
エナのため息は大きい。
いつまでも庭にいられてはユンホの夕飯が片付かないのだ。
「ふふ、…仲が良くて微笑ましいじゃないですか。」
「 アレが?仲が良いかもしれないけど、もう少し密やかにできないものかしら?あれじゃあ、どったんばったんも頷けるわよね。」
さらに大きなため息をついてエナが頷くからユンソクは笑ってしまう。




今、まさに2人が自分のことを話してるなんてユンソクは夢にも思わないから呑気なもので、
ガンソクとユンソクをもっと近づけるのも、
“たおやか”に自分がもっと近づくのも、
──頑張る!とキラキラ輝かせたチャンミンの眸の意味など知るよしもないのだった。



















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