HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

【ホミンホ合同企画ミーアゲ(meeting again)】あなたが笑えば~最愛~その後7
































チャンミンが望むものなら何でも買ってやりたいと常にユンホは思っているのだが、チャンミンは無駄に何かを欲しがるタイプではなかった。
16歳の誕生日くらい高価なものをねだってほしいユンホへチャンミンは何度も首を振る。


チャンミンにとって大きな意味を持つ16歳の誕生日こそ、一番なにより欲しかったのはユンホで。
そしてそれは、──もう貰ったと思って、…いいよね?小首をかしげ、はにかむようにチャンミンが言うからユンホはそれ以上何も言えなくなるのだ。






そんなチャンミンがめずらしくユンホへおねだりをしてきたからユンホは何としても叶えてやりたい。
それが例え、『ガンソクと行った料亭で水炊きを食べたい』というまたもユンホの嫉妬心を刺激するおねだりであってもだ。



水炊きパーティーをしたいとチャンミンが望むならユンホはそれに出来る限り協力してやりたい。
水炊きが食べたいと言うなら好きなだけ食べさせてやりたい。
ただ問題はその料亭が紹介なしに予約を取れないということだった。
それをガンソクに頼むのはユンホのプライドが許さず、ロジンへ頼んだのがそもそもの間違いだった。



「ああ、あの料亭へ?…いいですよ。」
「できれば週末でお願いします。」


「へえ、…チャンミンと2人であの料亭、ですか。すぐに手配しましょう。」


──ただし、


そう、ロジンという男は何かと交換条件を出してくる男だとユンホは知っていたのに。
ガンソクへ頼むのを良しとしない自分の小さなプライドなど捨てればよかったと後々後悔するものの、その時は大したこととは思えなかったのだ。



「系列組の相談役がユンホさんと飲みたがってまして、…料亭を紹介した翌週にでもお付き合い頂けますか?」
ニヤリと笑ったロジンへ、なんだそんな事かとユンホは思う。
「そんなのいつでもお付き合いしますよ。」
いつもならもう少し慎重に考えるところだが、チャンミンが絡むとユンホの慎重さは簡単に崩れてしまうのだ。
以前ガンソクに忠告されたことなど忘れ、ユンホの弱点を熟知して駆け引きをするロジンを疑いもせずに。










「え、ホント?やったぁ!」
ユンホは仕事を終え布団の中からお帰りなさいを言うチャンミンへ料亭へ行く日を告げた。
パァァ、と輝いた顔、そんな顔を見せられたら例えロジンの罠だとあらかじめ宣告されていても受けただろうとユンホは思う。
「親父のときと全く同じ部屋、同じ料理にしてもらったからな。」
ユンホはただいまの代わりにチャンミンの枕元へ顔を近づけスメルキスを強請る。



っくん、…と、チャンミンは匂いを嗅ぎ鼻先を擦り合わせた。
じんわりと胸に広がる愛おしさ。
一日の終わりにユンホへ会えただけでチャンミンは嬉しい。
すれ違いの生活が続いてもチャンミンのおねだりを決して適当に扱わず欲しい答えをくれる。
それが簡単なことだとチャンミンは思っていない。
いつかチャンミンが立派な大人になったとき、与えられた愛情をどうやって返そうかと常に考えていた。
「ユノ、ありがとう。楽しみ!」
弾けるようにチャンミンが笑えば、そうか、とユンホも本当に嬉しそうに笑うから、今はこれでいいんだとチャンミンは思う。
近い将来ユンホと肩をならべ歩けるときがきっと来る、その時ユンホの隣には“たおやか”な自分がいるはずとチャンミンは誓いを新たに微笑むのだった。










 
同じ料亭の庭園なのに季節が違うとこうも印象が変わるものか。 
肌を刺すような寒さのなか立派な滝と脇にそびえる竹林に目を奪われ、厳かな雰囲気に真っ赤な寒椿が唯一色を差していたのに。
ユンホと歩く広大な庭園はまぶしいほどの新緑が初夏の風情を醸しだし、色とりどりの花が咲き乱れていた。
藪蘭が木々の足元に色を添え、瑞々しく香る紫陽花。
無数の鯉が泳ぐ池で、チャンミンはこれほど見事な蓮の花をはじめて見た。



「ユノ、…はぁぁ、…キレイ、」
うっとりと辺りを見渡すチャンミンをユンホは嬉しそうに眺める。
本人にそんなつもりはないけど、いつも大袈裟なほどキレイを連呼するチャンミンがユンホは心底可愛い。
世界中のキレイを一生かけて見せてやりたい、それはユンホの夢であり必ず叶える為の目標でもあった。
「来月になると夜はホタルを放すらしい。とても美しく幽玄な光景だと聞いたよ。…次は夜に来ような。」
急な予約だった為昼食になってしまったが、これで馴染みができてチャンミンの好きなときに連れてきてやれるのならユンホは満足だった。
それに夜ライトアップされた庭園も美しいが昼間はまた違った顔があって、予定外のことではあるがラッキーだったと思う。


うん!と笑顔を見せるチャンミンの頬をひと撫でし、ゆっくり堪能するように2人は歩いた。
通された部屋は二間続きの和室で、滝が見える角度も目の前の梅の木も。
「あ、…本当に前と一緒の部屋なんだ。」
「まあな。窓からの景色が一緒でつまんないなんて言うなよ。それは追々連れてきてやるから。」
あっさりとユンホは言うがそこは高級料亭のなかでも最高級の部屋で、本来政治家や高級官僚、経済界のトップが特別な接待などに用いる部屋なのだ。
だからこその二間だとも言える。



「でも、どうして、…って、…まさか、ね?」
半信半疑のままチャンミンは部屋を大股で横切り、バンッと殊更大きな音をたて両手で襖を開けた。
「っ、…!///」


同じ部屋同じ料理と聞いてからチャンミンは嫌な予感がしていたのだ。
そこまでこだわる必要ある?と。
食べたいのはその料亭の水炊きだけなのだから。
結局こだわったのはチャンミンではなくユンホで。
ユンホにとっては水炊きよりも重要な問題が続き間にあったのだ。



「ここは昔から有名人がお忍びで密会していたらしい。親父も初めてユンソクさんを食事に誘うのに此所を選ぶなんてとんだ助平親父だ、…な?チャンミナ。」
にっこりと笑ったユンホこそ助平親父だとチャンミンは思うがそんなこと言えない。
そうか、此所は旦那さまの特別な店なんだと思えば自分がどれ程ガンソクに望まれていたのかを今さらながらチャンミンは感じて申し訳なさが生まれる。



部屋のど真ん中に敷かれたダブルサイズの布団。
枕元に置かれた小物類はこの部屋がどんな目的の部屋なのかをはっきりと示していた。


此所でチャンミンはガンソクに抱かれる覚悟をし、篠笛を奏でる天女に触れ、そしてガンソクの悲しみにも触れた。
チャンミンの一途なまでの想いはガンソクの琴線に触れたが、ガンソクこそ気が遠くなるほど長く一途な想いを抱き続けているのだとチャンミンは知った。
初めて触れたガンソクの素肌は熱く、強引な口づけは情熱的で、…きっとそれは自分を通してユンソクを見ていたのではないかと今のチャンミンなら理解できる。




「…後悔するなよ?」
「え?」
背後から聞こえたユンホの声にチャンミンは振り返ろうとしたが、それよりはやく背中を抱かれ腕のなかに包まれてしまった。
「親父を拒んだこと、…後悔するな。」
「は、…なに言って、…」
おかしなことをユンホが言い出すからチャンミンはかえって動揺してしまう。
ガンソクへ身体を拓こうとした自分を後悔することはあっても拒んだことを後悔するなんて有り得ないのに。
「わかってる、…わかってるんだ、チャンミン。」
まわされた腕にぎゅうっと力が入り、チャンミンは身動きができない。
「…同情もしてほしくない。チャンミンの意識に深く根付いた此所での記憶がどうしようもないのに気に入らないとか、…本当に勝手だけど、」
ボソボソと聞こえるユンホの声をチャンミンは目を閉じ穏やかな気持ちで聞いていた。
本当に勝手だと思う。
まだお互い気持ちを偽り必死に抑えていた頃、ユンホがどれほど女遊びを繰り返していたかチャンミンは知っている。
毎日のように香水の匂いを纏って帰るユンホが嫌で嫌で仕方がなかった。
それなのにたった一度、チャンミンが望む望まないに関わらず少しだけ肌を合わせてしまったのをユンホは一向に忘れようとしてくれないのだ。



「…本当に勝手だ。」
「ん、」


ため息混じりの声がチャンミンの首筋を擽る。
普段は男らしくて大人で、素直すぎるがゆえに幼く見られがちのチャンミンとは不釣り合いだと噂する声もあるというのに。
そんなユンホがチャンミンにだけ見せる自分勝手で子供っぽい独占欲をチャンミンは責める気になんてなれない。


「でも、どんなユノも好きだから、…」
「…チャンミナ、…」
「読み書きも出来ない8歳児だった僕を愛してくれた。…これって奇跡だよ、ユノ。」
大袈裟でもなんでもなくこれはチャンミンの本心で、ひたすらユンホを求めた小さな心は成長しても一切変わることなく、そしてきっとこれからも変わらない。



「大好き、ユノ。」


一瞬緩んだ腕のなかでチャンミンはくるりと体勢を変え、ユンホへ向き合う。
奥歯を噛みしめ細めたユンホの眸が切なそうに揺れるから、チャンミンは何も言わず目の前の鼻先を自分ので擦り合わせた。
何度も何度も、…大好きだって擦り合わせる。
こすれて痛いくらいになってやっとユンホの頬が緩んだから、「もしかして、…コレが目的だったの?」と冗談混じりにチャンミンは敷かれた布団を指でさした。


ユンホがふっと笑みをこぼす。
「コレも、目的だったよ。」
そうしてお互い視線を合わせ、ぷっと笑いあった。



「まずは旨い水炊きを堪能しようか。」
今日の本来の目的を忘れちゃならないと、ユンホは静かに襖を閉めてチャンミンの手をとった。

















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