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HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

【ホミンホ合同企画ミーアゲ(meeting again)】あなたが笑えば~最愛~その後11














  



















ちょうど定期考査の合間で大きな行事もない。
チャンミンの頭のなかは結構な割合で“少しだけ素直になる大人達の瞬間”で占められていた。



8歳で初めて対面してから、射るような視線と温もりを感じない冷めた態度、そして周りを圧倒する迫力が恐くて仕方なかった。
そんなガンソクへの印象が毎月食事会を重ねるごとに薄らいでいき、料亭でのあの日を境にチャンミンとガンソクの距離はぐっと縮まったと言っていい。
組み敷かれ一度は恐怖と絶望を向けた相手なのに、なぜだろう初めて素のガンソクに触れた気がしたのだ。






「チャンミン、…騙したな。俺を誰だと思ってる?一介の高校生が東神組組長を欺くとは大した度胸だ。」


だから水炊きパーティー当日、護衛の組員をぞろぞろと引き連れたガンソクが詰めよって来ようがチャンミンはまるで恐くなかった。
紛らわしい言い方ではあったが嘘はついてない。
結局ガンソクはユンソクがいつ離れを出ていってしまうのかと息子のデイルよりも気にしてるという証拠なのだ。
「旦那さま?僕には何のとこだか、」
玄関で迎えてガンソクを案内しながらチャンミンはとぼけて見せた。
ずらりと玄関先に列を為した組員達がガンソクとチャンミンを不思議そうに眺めている。
冷酷非情と謳われた組のトップが高校生相手に冗談混じりの脅しを仕掛けていて、しかもその相手は元愛人候補なのだ。




「はぁ、…お前は、ユンホに譲ってからというもの急に困った奴になったな、」
「え?、…っあ、…!」
ガンソクに肩を抱かれ突然引きずり込まれたのは洗面所で、チャンミンは驚き腕を突っぱねるがそんなのガンソクには通用しない。
「だ、旦那さま!」
チャンミンが責めるようにかぶりを振れば、ハハっとガンソクが声に出して笑った。
そしてそれはとてもめずらしいことなのだ。
チャンミンがそうなようにガンソクにとってもあの食事会はチャンミンへの意識を変えていた。
ユンソクにどこか面差しの似た自分への緊張を隠せない子供だったのが、チャンミンという人格を持ち、そしてそれは息子への愛情を真っ直ぐに伝える思っていたより意志の強く愛らしい人間だったのだ。



「ユンホへ譲るとは、…馬鹿なことをしたか?チャンミン、お前は可愛い奴だ。」
「っ、え?ぁ、や、…旦那さま、なに言って///」
ふざけているのか本気なのか、ガンソクのなんとも言えない態度にチャンミンは焦る。
焦って暴れた拍子に洗面所のドアが開いてもガンソクは動じる様子もなく楽しそうにチャンミンの腰へ腕を回した。
「チャンミン。俺は同時に何人もの人間をそれぞれ本気で愛せる男だ。どうだ、お前もそれを真似てみないか?」
「は、はい?そんなの無理に決まってます!僕には、…」
そう言いかけたチャンミンへ被せるように、「…ユンホか?」とガンソクが真顔で聞いてくる。
だから、すぅっと息を吸い込みチャンミンも真剣に。
「はい、僕にはユノだけです。旦那さまだってそう、本気の本気は天女、…ただひとりですよね。」


お互い探るような視線のぶつかり合いはチャンミンに軍配があがった。
先に目線を外すなど百戦錬磨のガンソクにとって考えられないことだが、それはガンソクの弱みをチャンミンに伝え、やはりとチャンミンを確信させることになった。






「…あ、…っ、」
ところが、ふと視線を感じたチャンミンがドアの隙間から見たのは蒼白な顔色で立っているユンソクだった。
チャンミンと目が合ったとたん体を翻したユンソクへチャンミンはすぐ反応できずにいた。
絶対に誤解された、どうしよう。
後ろめたいことは何もないが狭い洗面所で二人きり、ガンソクの腕はチャンミンの腰に回っていて誤解されてもおかしくないシチュエーションなのだ。
「っ、ユンソクさん!」
「え?」
チャンミンの声にガンソクは慌てて振り返る。
この事態をとっさに理解したガンソクの動きははやかった。
既に玄関を飛び出して小さくなった背中を戸惑うことなくガンソクは追い、それはあまりの迅速さにチャンミンが身動きできないほどだった。



「…なんだ、…」
はぁ、とチャンミンは小さく息を吐く。
難しく考えるから動けないのであって、とっさに体が動いてしまうほどガンソクはユンソクを意識しているのだ。
ほんの少しのきっかけで2人はうまくいくかもしれない。
もう一度チャンミンは安堵のため息を吐き、そしてビクッと体を強張らせる。
「ユノ!」
そこには腕組みをしたユンホが仁王立ちをしていて、どう見てもその顔はムッとしていた。


「ユノ?」
「親父のヤツ、何度チャンミンを洗面所へ連れ込めば気が済むんだ?」
今日はせっかくデイルのお別れ会を兼ねたパーティーで、チャンミンは揉め事など起こしたくない。
けれどユンホのピクつくこめかみが何もなかったことにはさせてくれないだろう。
ユノ、とチャンミンはユンホの腕を引き洗面所へ引き入れた。
カチャっと鍵を閉める音を聞いても不機嫌顔のユンホへ、触れるだけの口づけをしてからチャンミンはにっこりと笑う。
「旦那さま、大慌てでユンソクさんを追いかけていったね。」
「う、…まぁな、」
「ふふ、これも作戦のうちだよ。」
「…、お前、よく言うな?」
ユンホは呆れたようにため息を漏らした。
どう見てもそんな感じじゃなかった、ガンソクが無理矢理チャンミンを連れ込み押さえつけているように見えたのだ。
あと一歩早ければガンソクへ殴りかかっていたかもしれないと思うユンホだったが当の本人がニコニコと嬉しそうに笑っているから拍子抜けしてしまう。



「あれは旦那さまなりの親愛の表現なんだ。ずっと恐くて仕方なかった旦那さまを、7年経ってやっと好きになったよ。」
「好き?」
それは聞き捨てならないと表情をかたくするユンホだがチャンミンは嬉しそうに笑うばかりで。
「ん、…ユノのお父様としての好き。だって僕、ユノの全てが好きなんだ。」
「…チャンミナ、」
はぁ、とユンホは大きく息を吐く。
ああ、本当にたまらない。
愛人として愛さなければならないのに愛せなかったガンソクを、ユンホの父親として好意を持てたのがそれほど嬉しいのかと。 
それがチャンミンの高揚した表情から伝わってユンホは胸が痛いほど愛しさに溢れる。



「…お前、…強いな。」
「ん?」
くりっとした眸がユンホを覗きこむ。
「チャンミンは誰よりも強い。」
くだらない嫉妬を妬くよりもっと大きな愛を向けてくる、そんなチャンミンへ自分もすべてをかけて愛したいとユンホは思うのだ。





「でも、」
「え?」
ユンホが不意にチャンミンの腕をひねりあげるから、手加減をしていると分かっていてもチャンミンにとっては相当な痛みだ。
「っ、痛っ、…痛い痛い、…ユ、ユノぉ、…っ!」
「何のために護身術を教えたんだ?こういう時こそ使うべきだろ。」
パッと一瞬で離されたがじんじんと痛い腕を擦りつつ、旦那さまと不審者を一緒にするなとチャンミンの文句は止まらない。
「一緒だ。一番の要注意人物だろうが、」
ユンホはふて腐れたように言い、チャンミンの尖らせた唇にキスをして。
「もぅ、…今から料理するのに!」
ブツブツ言いながらチャンミンもキスを返す。





そんな止まらないキスが、来客で賑やかになっていくさほど広くはない離れの洗面所でしばらく続いたのだった。












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