HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

【ホミンホ合同企画ミーアゲ(meeting again)】あなたが笑えば~最愛~その後13





























ユンソクが戻ってきてチャンミンはほっと胸をなでおろしていた。
それにしても2人にどんな会話があったのだろう。
ガンソクはいつもと変わらず無表情で歩いてきて、走り寄った組員の面々に何か話している。
そして少しだけ遅れてユンソクが戻ってきたが、ユンソクの表情もチャンミンには読めない。
何もなかったように「何か手伝いましょうか?」と微笑むユンソクへ大人は難しいと首を捻るしかないチャンミンだった。




だがチャンミンにのんびりする時間はない。
「みなさん!本日は、お集まりいただきありがとうございます。えっと、せっかくなので無礼講ということで旦那さまにお許しを頂き座席をくじ引きで決めたいと思います。」
言ってしまってからチャンミンは先程のトラブルでガンソクへ無礼講の許しを得るのを忘れていたと思い出したがもう遅い。
チラッとガンソクを見れば特に怒った様子もなく上座にあたる座敷の奥に立っていた。
くっと笑ったのはロジンで、
「くじ引きですか、…まぁ、そういう余興もたまにはいいでしょう。いつまでも立たせておくわけにいきませんので組長からどうぞ、チャンミンのくじとやらを引いてやってください。」
そう言いながらチャンミンを手招きするが、チャンミンにとってそれでは困るのだ。
「あ、ああ~、…だ、駄目です!」
「ん?どうした、チャンミン。」
もう!義父さま、勝手に仕切らないでよ、とは言えずチャンミンはしどろもどろだ。



チャンミンの手には休みの日に作ったくじ引き用の箱がある。
胸に収まる大きさのそれには上部に穴が開けてあり、中に番号が書かれた紙片が8枚入っていた。
本来10枚必要な紙片が8枚。
残り2枚はもちろん決定済みのガンソクとユンソクの座席だがそれを悟られるわけにはいかない。



「若頭。無礼講ということでしたら、くじ引きの順番もそのようにしませんか?とにかく突っ立ったままではどうかと。ほら、ハイル。お前から引いていけよ。」
助け船を出してくれたのはユンホだった。
ユンホは前日にチャンミンの計画をしっかり聞かされていて、結構重要な役割を押しつけられたが仕方がない。






「親父とユンソクさんを最後にまわして、その直前に俺がくじを引きがてら残り2枚のくじを箱ん中へ入れればいいんだな?」
「ん、そう。」
「でもさ、くじの数が足りないってすぐ気づかれるんじゃないか?」
「だから事情を知ってる人が後に引けるようにしたいんだ。ハイル兄やセヨンさんや義父様は最初、デイル兄さまは怪しいって気づいても何も言わないと思うんだよね。」
前日の夜にこんな会話があって、随分兄さんへ信頼があるんだなと少々面白くないユンホはご褒美前払いだとチャンミンへイタズラを仕掛けていた。



結局ふたりして夢中になったはずなのに、チャンミンの腹に散った白濁を拭うユンホへチャンミンは含み笑いを向ける。
「ふふ、お願いします、ユノ。」
そう上目遣いで言われたらユンホは最善を尽くすしかなく、案外ずさんな計画だが要は親父とユンソクさんが隣になればいいんだろと腹を括るしかなかった。





ハイルがくじを引き、次いでセヨンが引く。
勘の鋭いロジンは何か気づいたかもしれない。
終始可笑しそうにニヤニヤと笑っていた。
けれどチャンミンはそれを気にする余裕などなく、さっさとくじを引かせて紙片の残りを意識させないようにしなければならない。
「水炊きが煮えすぎちゃうんで早く引いてください。」だの、
「くじって最初に触れたのを引かなきゃ反則なんですよ。」だの、必死で言うからユンホは笑いを堪えるのが大変だった。



「次は俺。」
やっとユンホの順番が回ってきた時、チャンミンが胸に抱く箱の残りくじは1枚。
あとはユンホが残りの1枚を取りつつ、手のひらに隠した2枚を箱へ入れれば成功だ。
ユンホが握っている紙片の数字は1と2で、ガンソクとユンソクのどちらが取っても隣同士になるのだから。



「…ちょっと待て。」


「え?」


ユンホが箱へ手を伸ばした瞬間掛けられた声はガンソクのもの。
何でもないように動きを止めたユンホの目の前でビクンッと跳ねるほど動揺するチャンミンをユンホは何とかごまかそうとするが時すでに遅しで怪しいことこの上ない。


「チャンミンに騙されっばなしでは面白くない。ユンホ、次は俺がくじを引くぞ。」
ずんずんと前に出てくるガンソクへユンホは焦る。
今くじを引かせるわけにはいかない。
ガンソクとユンソク、そしてユンホを残して箱の中には1枚のくじしか入ってないのだ。


「あーっ、駄目です、旦那さま!」
思わず箱を抱き込み背を向けてしまったチャンミンの背後でガンソクはニヤリと笑う。 
こんな子供騙しなどガンソクには全てお見通しで、それでも一生懸命なチャンミンが可愛くて暫く様子を見ていたが、それにも飽きた。
ガンソクが一番気に入らないのは、このくだらない小細工をそうと分かっていて甲斐甲斐しく世話を焼くユンホだった。
普段ガンソクがよく知るユンホではない。
思えばユンホとチャンミンが揃うのを近くで眺めるのは初めてで、他の者には慣れっこであってもガンソクにとっては軽く衝撃だったのだ。



チャンミンの意図を察し、上手く誘導する姿。
此処にいる大半の人間が気づいているのに、ひとり気づかず真剣なチャンミンをあたたかく見守る姿。



「本当に修羅とよばれた男なのか?」
だからつい悪戯心がむくむくと湧いてくるのは仕方ない。
「…父さん?」
「チャンミンはお前に譲ったがそうそうくじ引きの順番までは譲れないな。」
「は?」
何を急に言い出すのかとユンホは訝しがるが、ガンソクの鋭い視線を向けられては勝手にくじを引くこともできず、にやにやと口角をあげるガンソクを見つめた。
「だが、どうしてもと言うならチャンミンのキスで許してやろう。」



「っ、はぁぁ?///だ、だ、旦那さまっ!」
チャンミンの素っ頓狂な声が響く。
こんなユンソクがいる場所でなんてこと言うんだと冷や汗をかいてしまいそうだがガンソクは可笑しそうに笑うばかりだ。
「別に無礼講なんだ、自由にやろう。」
「ぶ、無礼講の意味が、っ、」
意味が違うとチャンミンは言いたいが、無礼講すら断りもなく勝手に決めてしまった為そう強くも言えない。



「あまり濃厚なのは遠慮してくださいよ、組長。」
余計な合いの手を打ってきたのはロジンだった。
ロジンはどういうつもりなのか、ユンホとチャンミンの関係を認めていながら邪魔ばかりしようとする。
今も愉快そうに笑いながら何気なくユンホへ近づいていき、ユンホが少しでも動けばすかさず止める体勢を取っていた。
チッとユンホは小さく舌打ちをする。
目の前にガンソク、背後にはロジン。
一見穏やかだがまったく隙がない。
チャンミンは自分がキスをされそうだと言うことよりユンソクが気になるらしく、そちらばかり気にしてユンホとは目が合わない。
目が合わなければチャンミンへ合図することもできず、無礼講や余興では済まないそれをどう阻止すべきか迷っていた。



「父さん。冗談はこれくらいにしてください。そのうちユンホが真剣に怒りだしますよ。」
見かねてデイルが口を出すが、ガンソクに一笑される。
この屋敷でガンソクに意見できる者など誰ひとりいない、それはもう決まりごとのように。



「大丈夫、これは軽い余興だ。なぁ、チャンミン?キスだって初めてじゃない、出来るだろ?」



ごくりと喉を鳴らしたチャンミンを一瞥して、ユンホはこぶしを握りしめた。
自分とガンソク、そしてロジンとの間合いを瞬時に計算し、最悪のケースに備えて神経を集中し体の力を抜く。
出来ればチャンミンの為に争い事は避けたいが、ふざけてチャンミンとキスしようなどといくら父親と言えど、いやガンソクだからかユンホは許すことができない。




和やかな離れの雰囲気が一瞬にして緊迫したものに変わる。
どうしてこんなことになったのか。
チャンミンは無理を言ってくるガンソクに悲しくなってきた。
洗面所での振る舞いといい、いつものガンソクとどこか様子が違うのだ。
最近ではそれほどチャンミンへ構ってくることもなく、ユンホを挑発することも無くなったのに。



「あの、…」


部屋の隅から遠慮がちな声がして全員の視線が注がれる。
それは篠笛を手にしたユンソクだった。



「望む望まないは別として、…チャンミンは僕のためにしてくれたと思うから、…」


余計なことを言うなと言いたげに口元を歪めるガンソクだったが、ユンソクはそれを気にせず数歩前に出る。
視線の先はチャンミンではなく、ガンソクで。
ガンソクの視線の先もまた。


「若さでまったく敵わない分、お好きな曲を吹いて差し上げます。たから社長、…僕ではチャンミンの代わりになりませんか?」




その時のガンソクの表情はなんと形容したらいいのか。


驚きと苛立ちのなかにおよそガンソクには似つかわしくない、恥じらいのようなものをチャンミンは感じとっていた。






















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