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HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

Baby don't cry6



































僕の前髪をはらう長い指に少しずつ意識が浮上する。
こんなに優しく髪へ触れられるのは、子供のころ神父様に褒められたとき以来だ。 
それがなんだかうっとりするくらい心地よくて、僕は不思議と身を委ねるような優しいまどろみの中にいた。





そのうち触れるか触れないかの距離で髪を往復していた指がふと額を撫でた。
鈍い痛み、…ああ、そういえば車から降りるときにぶつけたんだった。
そこでぐんと意識が浮上し、あれ?僕はどうして寝てるんだっけ?
パッと開いた目がまず捉えたのが視界いっぱいに広がる顔。
「っっ、うわぁぁぁぁっ!」
あまりの近さに飛び出そうな心臓もろとも勢いよく跳ねてイスから転げ落ちた。




ガタンっとイスが倒れたのと僕が尻もちついたのはほぼ同時で、あまりの痛さに涙が滲むがその原因たる男が涼しい顔して動揺さえしていないのが無性に腹が立つ。
「な、なにするんですかっ!」
「なにって、自分で倒れといてよく言うよ。」
自分でって、くっつきそうなくらい顔を近づけてたのは誰だよ!
「だって、あ、あんな近くで、…///」
「ああ、…オデコが赤く腫れてたからさ、」
そう言って、にっと笑ったユノさんの馬鹿にしたような表情。
これは絶対経験値のない純情男を蔑む目線だ。



やっぱりあのまま永遠に寝ていてくれたらよかったのにと強く思ったところで、時計が目に入った。
「わ、もうすぐ4時だ!あー、まだ失敗作を片付けてない!ちょっとユノさん、それ廃棄ドーナツの袋へ入れちゃってくださいよ。あ、ついでにフライヤーの電源入れて!」
途端にバタバタしだした僕をユノさんは悠長に眺めている。
「あのさチャンミン、さっきの話だけど、」
さっきの話?と一瞬思ったけれど、多分言い合いの発端になった過剰発注の件だろう。
「あのねユノさん、見ての通り僕は今から猛烈に忙しいんです。話なら今度にしてくださいよ。」
冷たく突き放すがユノさんはまるで動じず、失敗作がのったスクリーンをおもむろに廃棄袋へ流し込みフライヤーのスイッチを捻った。
「まあまあ、手伝うからさ、ちょっと聞けよ。」
「あなたが何を手伝うってんですか!」
「うるせーよ。」



ぶつぶつ文句を言いながら僕はキッチン帽とマスクを着用しキッチン手袋をはめ、一式をユノさんへも放ってやる。
ちゃんと手渡せよと言いたげな人を無視してチョコのウォーマーやらオーブンやらの電源を入れる為、ぐるっと厨房内をまわった。
本当は、それらの電源を入れるにはまだ早い。
けれど動かずにはいられなかったのだ。




だって、…なんだか変だ。
昨日、というか数時間前までは同じ空間で呼吸をしてるのさえ嫌だったのに。



あまりに無防備な寝顔を見てしまったからか。
帰ってしまったと思いこんでいた多忙な人が予想外に僕を待っていてくれたからか。
それとも寝入る僕の髪を梳く指が思いの外優しかったからだろうか。



僕とユノさんの空気が確実に変化していて、それはきっとユノさんも気づいてるに違いない。
完全に背を向け相容れないと決めつけていた人へ、今は少しだけ体を傾けお互いの顔を見ようとしている、…そんな感じだった。








「 俺はソジュンが怠慢してると言ってるんじゃない。アイツの接客も見たし、ドーナツだってそのまま広告にできるくらいキレイに作るだろ。」
僕は小気味良いテンポで卵を割りながらユノさんの話に耳を傾けていた。
「いつも閉店間際に来る人がいつの間にソジュンの接客や製造を見てるんですか?」
ちゃんと突っ込むことは忘れずに。
「ああ、ここの店舗システムを俺のパソコンでも開けるように何度か設定しに昼間に来たからな。」
ちょっと待て。
そんなこと聞いてない。
わざわざ僕がいないときを見計らって来るあたりが卑怯じゃないかと僕の顔に出ていたらしい。



「近くを通ったついでに寄ったからわざとじゃないんだ。…報告が遅れて申し訳ありませんでした、シム店長。」
仰々しく畏まって頭を下げるユノさんは絶対にふざけてる。
今さら遅いと文句を言ってやりたいところだがオーナーに対してそんなことは言えず、う~っと唸るしかない僕だった。
「案外、短気で顔に出やすいんですね。シム店長。」
「なっ、…!///」
からかうのもいい加減にしろ、と睨んだ拍子に手元がくるい割った卵が床に落下するとか、…最悪だ。




「ふっ、…本当に短気。面白いな、シム店長は。」
「うるさいっ!シム店長って言うな!!」
「店長と呼べって言ったのはお前だろう?」
「ああ言えばこう言う、っ、お喋りなオーナーですね!」
本当に最悪、八つ当たりのように割った卵が殻だらけだ。
そんな僕を見て目の前の人がアハハと声に出して笑った。





ああ、そう言えば笑った顔を初めて見たかも。
そう思ってしまった僕はチョンユンホという男に少しずつ、…本当に少しずつだけど、好意を抱いてることにこの時はまだ気づかなかった。










「終売商品の過剰在庫を避けるために、お前すぐ販売終了にするだろ。」
「はい?」
どうしてそんなことまで知っているのか。
そんなの日報を遡らないとわからないのに。
「終売が近くなると本部からの原材料が馬鹿みたいに値引きされるのは知ってるな?余らないように、でもギリギリまで売るんだよ。客はよく知ってる。あの店ならまだ売ってるはずだと、口コミで広がるものなんだ。」
「そんなこと、…」
言われなくてもわかってる。
でもそれは結構な冒険で、一歩間違えればかなりの在庫を抱えることになる。




「口先だけじゃなく、隣でつきっきりで手取り足取り教えるんだよ。最初は負担でも将来的に考えれば見返りの方が大きい。」




この人はドーナツショップなんて無縁の仕事をしてきたはずなのに、もう何年もこの仕事に携わったような口振りで。
もしかして随分勉強したんじゃないだろうか。
赤字続きの店を真剣に蘇らせようとしているのはもしかして僕よりも。





ミックスと卵、水を混ぜ攪拌する。
出来上がったドーをフライヤーの器具へテキパキ移していく僕をユノさんが穴があくほど凝視してくるから恥ずかしくて。
「ユノさんのトレーニングだけでもキツイのに、…ソジュンもか、…僕、過労死するかも。」
そう冗談っぽく言った。




冷たく見えたのは切れ長の目元のせいで、もしかしたらこの人は誰よりも熱い人なのかもしれない。




「骨は拾ってやるよ。」
ニヤリ笑った顔はやはり傲慢で意地悪だったけれど、僕は今まで感じていた嫌悪感をなぜかまったく感じなくなっていた。















*********************



おはようございます、えりんぎです!



みなさん!
いよいよライブツアーがはじまりますねヽ(〃∀〃)ノ


「次はこういうライブがしたい。」とずっとあたためてきたステージ。
「相当ヤバイことになりそうなベストライブ。」ですよーーーっ!(*≧艸≦)楽しみ!



そんなわけで、『Baby don't cry』妄想が止まりません。
しばらくコチラになるかと思います(〃∀〃)ゞ




週末、札幌へ行かれる方。
めいいっぱい楽しんできてくださいね。
私はお留守番組ですが、きっとドキドキして何も手につかないんだろうなぁ。
情報、お待ちしております♪


ゆっくり更新ですが、変わらずたくさんの拍手やポチをありがとうございます。
では!







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