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HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

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Baby don't cry9



































──ソンミside





元々大地主だったのが先々代の先見の明により買い占めた一帯の土地が高騰した。
それが会社設立の発端らしい。






近年の好調な企業業績を背景にオフィスビル需要が増加、賃料も上昇傾向にあれば不動産業界の収益はまずまずと言っていいだろう。
現会長が女性でありながら会社の基盤を強固なものとし、拡充させたのは業界では有名な話で。
そのひとり息子が稀にみる夢想家で、世界中を旅しては絵描きなどに興じる親不孝ものだというのも有名な話だった。


そこで会長は致し方なく不動産業務を大きく3つに分けた不動産管理業と不動産賃貸業を孫兄弟のうち兄へ、不動産取引業を弟へ継がせたのだ。
しかしながら隔世遺伝なのか、会長の威光はあるものの若き社長兄弟は存分にその実力を発揮し、業界の重鎮を唸らせることとなったのだ。



 



そして会長の遠縁である僕が第一秘書としてついたのが弟チョンユンホで、彼は類いまれなる容姿と天性の勘の良さ、そしてそれに傲らない努力家でもあった。
若い頃から経営者としての教育を受け、生まれながら人の上に立つことが決定づけられた人間。
彼の人当たりの良さは誰もが認めるところで、友人も多く女性関係も派手だ。


でも僕は知っている。
彼のうっとりするほど整った容姿が分厚い仮面で覆われていて、爽やかな笑顔が実はまったくの偽物だということを。



若くして年配の古狸どもと渡りあってきた彼だ。
そうならざる得なかったのだと思う。
20代とは思えない落ち着きはいつしか彼自身になり、本来の素の自分などなかったようにすべてがまわっていく。
それがいいのかと問われれば、僕にはなんとも答えようがない。
なぜなら最近時おり見せる素の彼が、とても彼の生活に潤いを与えてるとは思えないからだ。





「っ、くそ!」
めずらしく苛立ちを隠さない彼の蹴りが重厚なソファにすいこまれる。
「社長、どうしました?」
「…なんでもない。会議の資料をくれ。もう一度目を通しておきたい。」
「目が少し充血してるようですが。」
「ただの寝不足だ。」
「珈琲を持ってこさせましょうか。」
「ああ。」
今日の会議資料をファイルごと奪うように取りあげ、ゆったりとした椅子へ乱暴に座る。
それもめずらしいことなのに、資料の数字を目で追いながら無意識であろう絶え間ないため息に驚く。
普段はとても冷静な人間なのだ。



「ソンミ。」
「…はい。」


「明日から昼間に少し時間をつくれる日はないか?」
「はい?特別な用事でしょうか?」
「例のドーナツショップ、…細かい意識改革からはじめるつもりだ。少し顔を出したい。」


会長から命じられたドーナツ作りは仕方ないとしても、店舗の業績回復へわざわざ社長自らが指揮する必要はない。
それは店長の仕事だ。
幸せを売る仕事だとキラキラした目で言いきった、あの綺麗な顔をした店長の。
「あの店が気になるのでしたら専門のスタッフを送りましょうか?」
「いや、いい。」
そこは即答だった。
面倒だからめずらしく物にあたったんじゃないのか?



「ソンミ。」
「はい、なんでしょう?」
「 ドーナツ作りは難しいな。頭で考えてもそのように手が動いてくれない。」
「…まあ、ドーナツ作りは素人ですからね。社長はもっと適当にやればいいと思いますよ。」
「そういうわけにいくか。」
「はあ、…」
どんなことにも全力で向き合うのが社長のいいところなのは知っている。
だが、ドーナツ作りは別だろう。
今後、仕事へプラスになるとはとても思えないからだ。





はぁ、…と、書類をめくる指がいったりきたり。
素の社長というよりは、少し様子がヘンだ、もしかして病気じゃないだろうかと心配になってくる。
そして何度目かの。


「…ソンミ。」


「ユンホ社長、…どうされましたか?」


つい畏まって聞いてしまった僕だが、ほんの少し後悔する。


「ファーストフード店の店内恋愛率の高さはこの統計で合ってると思うか?」


ふと覗いた社長のパソコンが会議資料とはまったく無関係のページを開いていて。
勘の良さでは社長に引けを取らないと自負する僕だ。
初対面で受けた印象はあながち間違っていないと気づく。



そして、彼の生活へ与える潤いは今後の動向次第で彼自身をのみこむほどになるのではと危惧したのだった。












それからというもの、社長は時間を見つけてはドーナツショップへ通った。
長居されても困るから殆どが同行し、そしてまったくタイプの違う2人が磁石のS極とN極のように引き合う様子を目の当たりに見ることになる。



ただお互いまったく気づいてないからタチが悪い。
意見の相違点を見つけてはチャンミンは食って掛かるし、社長はどうかと思うほど傲慢な態度で一笑に付す。
副店長のソジュンへ売上予想と必要原材料の計算をチャンミンが丁寧に教えていて、それを横からイチャモンつけるのが社長だった。
あーあ、もっと素直に教えてやればいいのに。



それに今日の目的は社長が夜中に黙々と作っていたソフトを渡すことで、それは必要事項を入力すると簡単に終売日までの売上予想と必要原材料の個数がでてくるという優れものなのだ。
途中で売上実績を入力することにより細かい修正もきくから、発注が苦手そうな副店長にはもってこいのソフトだと思うのだが。


「ソジュン。これ、つくってみたんだ。」
そう得意そうに言ったのは社長ではなく店長のチャンミンで、彼の手には表のようなものが握られていた。
「季節商品に関しては、ここに発注した数と在庫数を記入していけば管理しやすいと思うんだ。」
結構アナログだ。
副店長のソジュンもそう思ったらしく戸惑いが見えるのを、最初は面倒だけどそのうち頭のなかで表がつくれるから。とチャンミンは晴々しい笑顔を向けた。
僕としては、多忙な社長が忙しい合間をぬって作ったソフトを今こそ渡すべきだとさりげなく合図するものの。
「 そうだな。習うより慣れろだ。」
それだけ言って一切ソフトに関して触れようとしない。



「…社長?」と口を挟めば、社長の視線が黙れと暗に言ってくる。
社長はこの若く純粋なドーナツショップ店長へ、
イチャモンをつけたいのか、それとも。







「ソンミさん、いつもご指導ありがとうございます。コーヒーをお持ちしますね。で、今日は何にします?」
「え、…あー、…じゃあ、チョコの生地にチョコをトッピングしたのがいいな。」
初対面でドーナツが好きだと言ったからだろう、訪れるたびにドーナツをご馳走してくれるチャンミン。
「はい。裏技ですけど、少しだけレンジで温めると生チョコケーキみたいにしっとりとろっとするんですよ。」
それもこちらまで幸せになるような笑顔とサービスつきで。



そして社長がわざとらしく咳払いをするのは毎回で、チャンミンが「あれ、いたの?」とわざとらしくとぼけるのも毎回のこと。
素直じゃないなと苦笑いするしかないが、実はそんな社長が新鮮でならないのだ。

















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