HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

Baby don't cry19































油でギトギトのキッチンエプロンはなんとか外して。
それでも早朝からドーナツ製造をしていた制服はグレーズの白いかたまりやシュガーの粉でよごれ、道行く人が振り返るほど甘い匂いをはなっていた。


「わっ、…ちょっと、ユノさ、」
それなのに文字どおり放り込まれるように助手席へ乗せられ、こんな高級シート、汚したらたまらないと腰を浮かせるくらいに恐々縮こまっていたのに、
「なにやってんだ、危ないだろ。」
再度助手席ドアを開いたユノさんによってシートベルトをはめられ、べったりとシートへ背中をつけてしまった。
「もぅ!強引にもほどがありますよ。せめて着替えさせてくれたって、」
「ソジュンと約束しそうなのに悠長にしてる余裕なかったろ。」
もうほとんど約束してたも同然だけどな!と思ったことは口にださず、僕は少しだけにんまりとする。
そうか、余裕がなかったのか。
今の僕はユノさんの前では常に余裕なんかないから意味合いが違ったとしてもそれは単純に嬉しい。
「でもそんな不機嫌で、…ソジュン、絶対にビビってますよ。あとから電話しておかなきゃ。」
僕は何度かやりあってるから不機嫌なユノさんなんて慣れっこだけど、ソジュンはそうじゃない。
意外に気の小さいソジュンのことだ、今頃どうしてオーナーを怒らせたのか不安がってるかもしれない。

 

「…俺がするからいい。」
「…はい?」
しばらく沈黙が続いたから最初なんのことかと。
「俺がソジュンへ連絡しておく。突然会話に割って入ったお詫びはちゃんとするから、…お前からはいい。」
「……。」
なんで?
確かにユノさんの態度は失礼だったけど、そう思うなら勝手に謝ればいいじゃないか。
僕を止める権利なんてないのに。


「お前はソジュン相手だとあんなふうに抱きしめ返すんだな、…」
「 は、はい?」
またしばらくの沈黙があって、終わったと思った話が切れぎれに続いてることに驚く。
「…俺のときはあんなに体をかたくしていたのに、」
「は?一体いつの、…っ」
そう言いかけて、そういえば初めてユノさんのマンションを訪れた日にそんなやり取りがあったと思いだした。


突然ユノさんのマンションへ連れていかれて、予想を超える豪華なそれは理解していたつもりのお互いの立場をまざまざと見せつけた。
どうしようもなくイラついて、悲しかった。
数えきれないほどある部屋数の誰も入れないと言った寝室のように幾重にも隔たれたユノさんの存在が悲しかったんだ。
きっとあの時には好きで。
近づいては遠くなる関係性にあれほど一喜一憂する自分が今思えば笑えるほど分かりやすいと思う。



「…ソジュンは同僚で友人ですから、…」
でもあなたは、違う。
店の命運を握る経営者であり、僕の好きな人だ。
だから緊張するし、触れられれば嬉しさに力が抜けてしまいそうなのを奮い立たせるのに必死なんだよ。


なんてこと、勿論言えるはずもなく。
チラッと視線を向けただけで押し黙ってしまった人とそれ以上の会話もなく、きっちり5分後にはマンションへたどり着きコンシェルジュさんの視線に身をすくめながら制服姿のまま足早に部屋へむかった。










「まあ、甘くっていい匂いがしたと思ったらチャンミンさんだったのね?ほら、こっちへいらっしゃい。」
ニコニコ顔のヨネさんに寒いからとリビングへ促され、またご馳走になりにきました、と僕もにっこり笑えばヨネさんの腕が何かを掴むようにあがる。
お互い何も言わないけど僕はゆっくりと中腰になり、下げた頭をヨネさんの小さな手が子供にするように撫で回した。

「相変わらず可愛いのに今夜は甘い匂いをさせて食べちゃいたいくらいだわ。でもあなたの為に腕をふるったからたんと食べてちょうだいね。」
しばらく撫でて満足したのか、もう帰る時間なのにわざわざ僕を待っていてくれたのか、最後にひと撫でしてからヨネさんはばたばたと帰ってしまった。




そうなると僕とユノさん、2人っきりなわけで。
テーブルに並んだ豪勢な食事。
きっとビールやワインも迷うほど用意してあるに違いない。
ユノさんがシャワーを浴びてる間に僕もシャワーを浴びてさっさと制服を脱いでしまいたい。
人って贅沢にはすぐ慣れるもので、当然のようにゲストルームでシャワーを浴びヨネさんが用意してくれていたルームウェアに着替えて勝手にビールまで飲んでしまった。
なかなか戻ってこないユノさんは仕事の電話にでもつかまってるのだろうか。
それはよくあることで僕は特に気にせず2本目のビールをあけテーブルの食事をちょいちょいつまむ。








一年で最も日が短い季節は少しのもの寂しさと人恋しさで普段の2割増しで素直になれるんじゃないかと思う。



「悪い、待たせたな。」
リビングに現れたユノさんはスーツ姿ともラフなシャツにパンツ姿とも違う、めずらしくスウェットのような格好で。
「ん、待ちわびました。おかげでビール2本も飲んじゃいましたよ。」
空き缶2本をふるふる振って待ち焦がれたペットのように喉を鳴らす僕もよそ行きの仮面を外してみょうに親しげに接してしまう。




パノラマのように広がる夜景が現実味をさらに希薄にさせ、ダウンライトのみの照明がいやでもムードを高め胸が高鳴る。
油とシュガーの匂いが染み込んだ制服を脱いでしまえばドーナツショップの店長とオーナーなんて関係はすっかり忘れて、目の前の人がただ僕の好きな人になる。
「ユノさんの初恋は?」
そしてつい聞いてしまった。
女性を仕事の一環だと言う人はこれまでどんな恋愛をしてきたのだろう。
聞きたくないのに、知りたい。
恋とは矛盾がつきものなんだ。


あー、…と少しだけ目を泳がせて、
「実は俺、ドーナツが嫌いだった。」とおもむろに。
いや僕は初めて好きになった人について聞いてるのであって、それはドーナツじゃないのに。
それにドーナツを嫌いなんて僕が否定されてるようで悲しい、…そんな気持ちが顔に出てしまったのか、お前のことじゃないぞとユノさんは慌てて付け足した。

 


「俺が5歳くらいか、…現会長がまだ社長の頃、お気に入りの人間を招待してはよくお茶会を開いてたんだ。会長が特に気に入ってたのがまだ若い女性で、どんな関係なのかどこかの社長令嬢なのか分からないが来るたびに構ってくれた。」
「へえ、その人が初恋のキミですか?」
「多分な。俺もたまにやって来るその女性が待ち遠しかったのか、その女性が必ず土産に持ってくるドーナツが待ち遠しかったのか今ではよくわからない。」


遠い目をして淡々と話すユノさんを見つめる。
たくさん入ったドーナツのボックスからいつもその女性はユノさんを優先して選ばせてくれたこと。
ユノさんはシュガーをたっぷりまぶしたリングドーナツが好きだったこと。
口周りをシュガーだらけにして頬張るユノさんをその女性は嬉しそうに眺めていたこと。
「シュガーリングドーナツは今でもあるけど、ユノさんが食べてるところを見たことないです。」
胸が少しだけつんと痛い。
ユノさんが思い出のドーナツに今でも強いこだわりがあるようで、そんなことまで悲しいとは僕はよほど重症なのだろうか。



「ああ、…まあ苦い思い出だからな。記憶が曖昧だけど、ガキのくせに本人は至って真面目に告白したのは覚えてる。そしてその後、ぱったりとその女性が姿を現さなくなったことも。」
「え?子供のユノさんが告白したくらいで?」
「…よく分からない。その後祖母や使用人に聞いてもその女性について誰も教えてくれなかったからな。」


ふっとユノさんが笑ったような気がした。
自嘲的なそれはユノさんの中にいくらか残ったわだかまりのようで、幼心に失恋の痛手として現在に影響しているのかもしれない。




「…妬ける?」


「は、はい?」



ふと見ればにっこりと笑ったユノさんが面白そうに僕を見ていた。
急になんてことを。
僕、そんな顔に出てた?
恥ずかしくて思わず顔を伏せれば、ユノさんがまた小さく笑った気配がして。


「…んなわけ、ないか。」
そう耳に届く。




でも、…残念ながらそうだよ。
20年以上前の話で、けれど今のユノさんへ多大な影響を与えてしまった女性。


それが悔しいなんて、
やっぱり僕は重症のようだ。















*********************


おはようございます、えりんぎです。



ユノとチャンミンは長い長い一日をここ数日過ごしてきたことと思います。
お留守番をしてて「私も行きたい!」と思うのはいつものことですが、今回の東京ドームほど二人を見守り一体となったライブでレッドオーシャンの一粒になりたいと思ったことはありません。


samさんが、二人の魅力は歌やダンスは勿論だけど、あの綺麗な心だと。
ファンを思う気持ちが本当に清らかで深いと。
それが大袈裟じゃなくしみじみと感じられて、その度に『好きになって良かった』と思いますよね。



東方神起のファンは移り変わりの早いアイドル業界でめずらしくファン層が変わらず、ファンは何があっても彼らだけを見て彼らだけを追ってると女性誌に紹介されてました。
ビジュアルだけじゃない、ダンスや歌だけでもなく、ユノとチャンミンだから好きなんです。
より自然体で飾らなくなった二人の魅力はさらにさらに深みを増して、もう『好き』がとまんないですよね。



私は来週の京セラでやっと初参戦。
そのあとすぐ名古屋3日と翌週の京セラであっという間に駆け抜けてしまいそうです((*゚∀゚))



そして話のなかではチャンミンが『普段の2割増しで素直になれる』とか言っちゃってますが、私は例年に比べ5割増しで忙しい年末年始になりそう。
と言うことで、こちらを年内最後の更新にさせていただきます。



今年はユノとチャンミンが帰ってきて、驚くほどのプロモーションに今までの寂しさが嘘のような忙しく幸せな毎日でした。
このブログも三年目に突入、嘘みたいです。
いつもたくさんの拍手、とても励みになっています。



何年経っても『天然でがっつり男前なユノと賢く清廉、つんとしても可愛いチャンミン』ばかりのお話ですが、来年もどうぞよろしくお願いいたします。





では!








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