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HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

【ホミンホ合同企画ミーアゲ(meeting again)】あなたが笑えば~最愛~その後25

































──ミン、…チャンミナ?



少し離れたところで声がする。



よく知ってる声、ユノ、…ユノだ。




離れの庭を少し出たところにクチナシの木が数本植えられていて、見頃をむかえた花の濃厚な香りが辺り一面に甘く漂っていた。
ふと見上げたチャンミンの視界に純白な一重咲き。
隠れるつもりがこの木の根元ではあまりの匂いに酔ってしまいそうだ。



不思議な感覚。
膝を抱かえ小さくなったチャンミンはまだ幼く、離れへ住んで1年と少し経った頃だろうか。
夢だと理解できるのに、クチナシの香りが現実味を増す。
「チャンミン、…見つけた。」
ざっと枝をはらいながらユンホがほっとした表情で覗きこみ、まだ小さなチャンミンを抱くように引き寄せる。
「どうした?エナさんが心配してたぞ。チャンミンがおやつに手をつけないなんてめずらしいってさ。」
ユンホの手が優しくチャンミンを撫でて、その手の大きさにチャンミンは驚くが今はチャンミンが小さいのだからそう感じるのかもしれない。




「…ユノ?」


「ん?」



ユノが若い、…それはそうだ、目の前のユノは大学生なのだから。
エナさんに頼まれて探しにきたのだろうか?


学校帰りのユンホはジーンズにTシャツという格好で、今よりやはり線が細く顔つきも若い。
ぐっと抱きあげたチャンミンの背中をぽんと叩き、顎の下をゴニョゴニョと指でさする。
猫じゃあるまいしと思うチャンミンだったが、それが思うより気持ちがよくて思わず喉を鳴らしてしまいそうだ。



「…なんでもない、…ごめんなさい。心配かけちゃって、」
「…そうか。じゃあ一緒におやつを食うか?おいしそうなマフィンが並んでたぞ。」
「うん、…僕、珈琲が飲んでみたい。だってみんなおいしそうに飲んでるんだもん。」
「だ~め、お前は俺と一緒にジュースな。」


すとんとチャンミンはおろされ、ユンホと手を繋ぐ。
クチナシは変わらず香り、ユンホの手のあたたかさも夢とは思えない。


「ユノは大人のくせに珈琲が苦手なんだ?」
「チャンミンに合わせてやってるんだよ。」
「…はぁ、…勿体ない、…」
「うるせーよ。」


ハハとユンホが笑いチャンミンのほっぺをむぎゅっと摘まむ。
チャンミンが離れに住みついて1年も経てばこんな軽口もお互い交わせるようになり、二人の親密さは組員全員の知るところになっていた。
そしてユンホは最近チャンミンが時々こうして隠れて泣いてるのを知っていたし、その原因もしっかり調べていた。
ガンソクの指示で私立小学校へ編入したものの小学3年生で読み書きができないのではどうしたって虐めの対象になってしまう。
ガンソクの力もあり特別待遇を受けるチャンミンを面白く思わない子供達もいるのだ。



「チャンミン。おやつを食ったら一緒に勉強しようか。その後は気分転換に運動な。」
「うん!今日はユノ、おでかけ無しなんだ。やったぁ!」
わーいわーい!と飛び跳ねるチャンミンをユンホはくすぐったいような笑顔で見つめる。


チャンミンを虐める子供達を脅すのは簡単だ、なんたってヤクザなのだし。
でもそれでは駄目だとユンホは考えていた。
できる限りのサポートをするから、チャンミンを強く育てたい。
身寄りがなく、あと数年で組長の愛人になることまで決まっているチャンミンを。
強く強く、どんな逆境でもしなやかに咲く強さをユンホはチャンミンに教えたかったのだ。








「うまいな。俺の分も食うか?」
エナお手製のマフィンをおいしそうにパクつくユンホとは反対にチャンミンの食欲は進まない。
モシャモシャとゆっくり咀嚼しジュースと一緒に流し込む、その繰り返しだった。 



──味がしないのだ。


大丈夫と心で思っても、気丈なチャンミンの変化は常に身体が先に悲鳴をあげた。
何を食べても砂を噛むようでチャンミンはツラくて堪らない。
でもそれをお世話になってる人達に悟られてはいけないとチャンミンは笑顔で無理をしていた。


もうダメ、と挫けてしまいそうな時、
なぜかユンホの大学が休講になるようで。
チャンミンがいくら隠れようがユンホはすぐに探しだし、食えるだけ食えとしつこいくらいに食べさせ、そしてずっと一緒に居てくれるのだ。
それがどれほどチャンミンの救いになったか。
気づけば食欲はもどり、もっと頑張ろうと思える。
日々、ユンホはチャンミンにとってかけがえのない人になっていった。










ユノ、ユノ、…とチャンミンは呼ぶがどうやら声になってないらしく、にっこりとチャンミンへ笑いかけるユンホと嬉しそうに上気したチャンミンが遠巻きに見える。
ふわりと意識が薄れる感覚。
ああ、目が覚めるのかな?とチャンミンは冷静に思いながら若い二人を映像のように眺めていた。



「パパ!」


その声と同時、今の今までチャンミンが座っていた位置にはチャンミンじゃない誰か、同じ年頃の男の子が座っていて。
「パパ、…大好き!」
ぐんと伸ばした腕を巻きつけた先には大学生ではない現在のユンホがいて、力強く抱き寄せる。
「ああ、パパも好きだよ、愛してる。」



その声は優しく、慈愛にあふれ。
なんて夢だと、
チャンミンの涙もあふれた。


自分が望んだことなのに、
実際目の前にして、耐えられそうにない。
そして、この痛みを救ってくれるユンホはもういないのだ。













「っ、…、」


息苦しくて、喉を掻き毟るようにチャンミンは飛び起きた。
水底を歩いてきたみたいにべっとりと髪は濡れ、心臓が早鐘を打ち息が荒い。


ふと鼻腔を擽る香り、…それは数日前から花をつけはじめたクチナシの。
昨夜遅くに帰ったユンホが庭へ続くガラス戸を開けたまま寝てしまったのだろうか。






「ん、…どうした、…チャンミナ?」
できるだけ息を殺したつもりのチャンミンだったが、それに気づかないユンホではない。
様子のおかしいチャンミンを気遣い起きあがろうとしたユンホへチャンミンが勢いよく抱きつく。
「っ、…チャンミン?」
「少しだけ、…っ、このままで、」
チャンミンはユンホを押し倒す勢いで抱きしめ、ぎゅうっと力強く回した腕の中へ顔をうずめた。
「すごい汗だ。怖い夢でも見たのか?」
「ん、…」
落ち着かせるように背中を撫でるユンホの手が優しくて、チャンミンはぎゅっと目をつむる。



心配をかけたくないのに、どうして自分は。
情けないことにチャンミンはソユンだけじゃなく、ユンホが無条件に愛するであろう子供にまで嫉妬している自分に夢のなかで初めて気づいた。



ユノの全部が欲しい。


そんなの叶うわけないのに。
願うことすら、それはユノにとって重荷でしかないのに。







「…違うよ。僕がまだ子供の頃の夢。一生懸命隠れてもユノにはすぐに見つかっちゃったなぁって、…」
「ああ、だってお前、分かりやすいもん。サン太の池の前でブツブツひとりごと言ってるか、ちょうど見頃をむかえた花が咲く方向に必ず行くからな。」
「え、えーー?…そうなんだ、…」


ふっとユンホは笑ってチャンミンを抱きしめ返す。
密着した足と足が交差してひとつの塊になった。


「ね、…ユノ、…?」
「ん?」


「…っ、な、なんで、…大きくなってるの?///」



ぐっとユンホの胸を押したチャンミンの頬は赤く、太股に当たる存在感の大きさに恥ずかしくなってしまう。
ついさっきまで幼い自分と若いユンホを見ていたから余計に。



「ん~、…チャンミンに夢とくれば、…自然とこうなる。」
「…っ、///」
「イヤ?」


どうして夢と自分の組み合わせがユンホをその気にさせるのかチャンミンには理解できないけど、


「イヤ、…じゃない、…///」


ユンホに求められるのはチャンミンにとって至福でしかないから断るなんて選択肢はなく。
濡れた前髪から覗くチャンミンの潤んだ眸がどうしようもなくユンホの欲を刺激するのだから二人を止める障害など最早なかった。


「せっかくの休みなんだ、…一回だけ、いいか?」
くるっと体勢を変えチャンミンを見おろすユンホへ、チャンミンは腕をまわし返事のかわりにキスをする。




濃厚なクチナシの匂いが部屋に充満し、熱い口づけと抱擁に眩暈をおぼえる。
そういえばガラス戸が開いてるかもしれないとチャンミンは言いたいのに言えない。
深く入りこんだユンホが最近知ったチャンミンのいいポイントを器用に突くから声が出せず。
恨みがましい視線も満足の現れだとユンホへ理解され、より強く擦られれば蕩けるほど気持ちよくて。




いまだに残る夢の残像が消されていく。
引き締まった身体にしたたる汗が、
痕がつくほど腰を抱く筋張った男らしい指が、
すべてを流して。














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