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HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

【ホミンホ合同企画ミーアゲ(meeting again)】あなたが笑えば~最愛~その後27


































「きゃっ!アンタ、誰?」


「っ、…お前こそ誰だよ?」



クッキーを焼いてる間にサンタサン太と遊んでいたのが間違いだった。
ソユンとチャンミンはどこか似ていて、夢中になるとつい他のことが抜けてしまう。
クッキーの甘い匂いがたちはじめオーブンが出来上がりを知らせても二人は池で餌やりに夢中だったのだから、オーブンからクッキーを出してやったハイルはお礼を言われてもいいくらいだろう。
ただ取り出したクッキーの半分を腹ペコのハイルは食べてしまった。
「えーーーっ!ちょっと、ハート形が1個もないっっ!」
「あー、悪い。すっげぇいい匂いしてて、つい食っちゃった。」
「っ、…つい?ついって何よ?これはチャンミンくんがユンホさんへ、…って、あ~、もう!」
「はあ?チャンミナがユノ兄へってなんだよ?ってか、お前、誰?」



最悪の印象だった。
それはもうお互い様としか言いようがないが。


ハイルがユンホの離れへ移るよう言われたのは昨晩遊んで帰った夜中の話で。
酔っていたから適当に返事をしたハイルだったが、まさか朝っぱらからロジンが来て追いたてられるように放り出されるとは思ってもなかったのだ。
寝不足と二日酔いですこぶる機嫌の悪いハイルは、勝手にクッキーを食べてしまったことなど棚に上げて兄の家で我が物顔をする同年代の女が気に入らない。
一方ソユンもユンホの弟だろうと予想はついたものの兄とは全く違う無礼な男に腹が立ちどうにも感じ良く接することができないでいた。



「私はこちらで行儀見習いさせて頂いてます、ソユンと申します。」
一応丁寧にと心掛け挨拶するソユンだったが、 
「あー、チャンミンの恋敵のな。なんだよ、チャンミンと仲良くクッキー作ったってこと?ユノ兄も酷いことするなぁ。」
そんなこと軽く言われてはソユンだって面白くない。
なんてデリカシーのない男だとむっとして天板にのったクッキーを奪い取ればハイルがもっとくれとせがんでくる。
「誰が、っ、アンタなんかに!」
思わずソユンは声を上げてしまった。
よく知りもしないくせにユンホを責める言い方が気に入らない。
政略結婚の相手と同性の恋人、そう言われてしまえば反論のしようもないが、…ソユンはチャンミンへ友情のような気持ちを抱いていて、それはチャンミンも一緒だと思いたかった。
ユンホの子供を産むとか、できればそんな立場じゃなく普通に出会いたかった。
願ってもどうしようもない。
言われなくてもわかってる。
それを軽く恋敵なんて、さすが三兄弟の出来損ないと噂されるだけあるわと心のなかだけでつぶやいた。



「お前、…今、俺のことを馬鹿にしたな?」
「は?な、なんの話よ。」
ソユンの肩がビクッとわざとらしいほど揺れるからさすがのハイルにもバレバレだ。
焦るから更に憎まれ口を叩いてハイルの顔がどんどん険しくなる。



「ハイル兄?」
ちょうどその時縁側から入ってきたのがチャンミンで、目の前の険悪なムードにきょとんと目を丸くしにっこりと笑った。
「あー、ハイル兄ってばソユンさんのクッキーをつまみ食いしちゃったんでしょ?しょうがないなぁ。エナさんにもう一度材料を貰ってくるから今度はハイル兄が手伝ってよ。バターと小麦粉を混ぜるが大変なんだよ。」
「はあ?俺が?」
冗談言うなと言いたげなハイルだったが、まあまあとチャンミンにうまく乗せられ結局もう一度クッキーを焼くことになった。
今度はハート形がいっぱい。
「ソユンさんは見ててくださいね。僕ひとりで作れるようになりたいんだ。」
チャンミンがふふと笑って嬉しそうに卵を割る。
ひとりじゃねぇだろう、なんてハイルの言葉は聞いてないのか、真剣にはかりとにらめっこするチャンミンにソユンは可笑しくなってきた。



ついさっきまでの険悪なムードがほんわかと和み、ハイルの尖った態度がチャンミンが来てから急に緩和され今ではだらしなく口元が緩んでいる。
チャンミナチャンミナとうるさいハイルをチャンミンはうまくおだてて使っていた。
いくら出来損ないと噂されようがハイルは大学生だし、それほど間抜けにも思えない。 
このテンションの上がり方といいハイルのチャンミンを見る優しい目線。
ソユンはすぐにハイルが抱く小さな恋心に気づき、同時に切なくなる。
兄達の出来が良いばかりに常に比べられ、そればかりか密かに恋心を抱く相手さえ完全に兄のものなのだ。



「…ハイル、さん、…えっと、私、この後チャンミンくんとバトミントンする約束でラケット持ってきてるんだけど、…」
少しくらい遊び相手を譲ってあげてもいいかなと思うソユンだったが。
「は?お前、行儀見習いのくせになに遊んでんだよ?」
そんなこと言われては、「アンタだけには絶対貸さないからね!」としか口にできないソユンだった。











チャンミンは縁側に座り今年たくさんの花をつけた紫陽花を眺めていた。
紫陽花は花の時期が長い。
土壌の成分により色を変える紫陽花は此処では赤紫の花をいっぱいに広げていた。
梅雨のあいだ楽しませてくれた紫陽花だがそろそろ終わりだろう。
「うまそうだな。」
頭上から声がしてふと見ればユンホだった。
部屋にこもって仕事をしていたのがやっと終わったらしい。
パァァとわかりやすいほど舞い上がるチャンミンにユンホは小さく笑った。
「クッキー?ソユンが作ったのか?」
「ううん。これは僕が作ったんだ。食べる?」
チャンミンはハート形だらけのそれをひとつ摘まんでユンホの口へ入れてやる。
うまいよ、とユンホが笑ってくれればそれだけでチャンミンは幸せな気分になり、僕もと言ってひとつだけ口へほうりこんだ。




よっとチャンミンの隣へ座ったユンホが、もうひとつ頂戴とチャンミンの膝へ置いたクッキーの皿へ手を伸ばす。
庭ではソユンとハイルがバトミントンをしていた。
ずるいだの下手くそだの喧嘩するならやめればいいのにいっこうにやめそうにない。
気づけばチャンミンが追いやられ現在二人は何やら賭けて真剣勝負をしていた。
「なんだ、あの二人。初対面のわりに仲いいなぁ。」
くくっとユンホが笑う。
それを見てチャンミンも一緒に笑った。
「ハイル兄が女の人にあんな態度取るの初めて見た。ハイル兄って案外モテるからもっと八方美人だもん。」
「…どうしてそんなことチャンミンが知ってる?」
ユンホの眉根が寄り途端に声が低くなるからチャンミンは困ったように口元を緩める。 
チャンミンは去年はじめたアクアリウムバーのバイトを今でも続けていて、ハイルは同じバイト仲間でもあるのだ。
店にはたくさんの女の人がいるし、たまに遊びで連れていかれるハイルの遊び仲間には女の人だっている。
チャンミンは隠すことなくすべてをユンホへ話していたし、やましいことはなにひとつしていない。
それがわかっていてチャンミンの言動ひとつに反応し独占欲を隠さないユンホがチャンミンは嬉しくもあり呆れもするのだ。



「いい加減バイトを辞めたらどうだ?」
しつこいほど言い続けてることをユンホは口にするが、チャンミンは首を振るだけ。
「今のバイトを辞めたら二度と許してもらえそうにないから嫌。何度も言ってるけど、大学の学費はバイトで貯めたお金と奨学金で行きたいんだ。ユノのお世話にはなりたくない。」
「…お前な、保護者は俺なんだから、」



「っ、だから、…っ!」


だから嫌なんだ、とチャンミンは言いたい。
愛してると甘く囁くくせに、途端に保護者面して。




ユンホの子供を夢で見て以来、さらにチャンミンはユンホから子供扱いされるのが嫌だった。
それなのにいざユンホとふたりきりになると子供に戻ったように甘えてしまう。


──チャンミナ、見つけた。と、いつも差し出された手は永遠を約束してくれたのに。





ボソボソと小麦粉の塊を咀嚼し、のみこむ。



味がしない。
いつからか、口にするものすべてが味を失っていた。






「チャンミナ、…」
ふわりとユンホの腕がチャンミンを抱き寄せ、鼻先を擦り合わせた。
数回往復して、思わず伏せたチャンミンの瞼へキスを。
驚きで跳ねた身体を宥めるように、ユンホの唇が額から頬、そしてぎゅっと閉じたチャンミンの唇へ移動していく。
「兄で保護者なのはこの先も変わらないよ。お前が心配なんだ。」
ユンホは文句言いたげに尖ったチャンミンの唇へチュッと重ね、
「ひとりの男としてもお前に夢中だって、…わかるだろ?…だから、心配。」
くにくにと指で摘まんだ頬をなぶり自嘲めいた笑みを浮かべた。



ユンホの持てるすべての感情を独占するのはチャンミンで、それはこの先も変わらない。
変わるつもりもないんだよと、言い聞かせるようにユンホはもう一度チャンミンへ口づけた。








「おーい、チャンミナぁ!」


ついうっかりハイル達の存在を忘れて二人の世界に浸ってしまった。
それを蹴破るようにハイルが大声でチャンミンを呼び走り寄る。
いくら慣れてるといってもチャンミンと兄のラブシーンなどハイルは見たくないのだ。



「へっへ、俺、ソユンに大勝利!さぁ、チャンミナの午後の時間をいただこうか!」
「え?」
「は?」
チャンミンとユンホ同時に声をあげ、何を言ってるんだという態度だが、当のハイルは鼻息荒く出掛ける予定を機関銃のように喋りだした。
バトミントンの真剣勝負はどうやらチャンミンの午後の時間を賭けてのものらしい。
少し離れた場所ではソユンがしょぼんとしていて、勝手に賭けられたチャンミンは戸惑うしユンホは堪ったものじゃないと腹が立った。



目が回るような忙しさのなか、回せる仕事は信頼できるジノなどへ回し、家でできる仕事は寝ているチャンミンの傍らで寝る間を惜しんでやっている。
それはすべて出来るかぎりチャンミンとの時間をつくるためなのだ。
精神的に不安定なチャンミンをユンホは気づいていて、それは子供の頃から同じように。
ユンホは何を差し置いてもチャンミンを最優先に考えてきたのに。



「ハイル。」
ユンホの低い声にハイルの浮かれたお喋りが切られる。
兄弟喧嘩は嫌だよとチャンミンがユンホを止めようとするが、ユンホの目線はソユンに注がれていた。
ソユンではなく、ソユンが持ったラケットに。
「お前、それは俺に勝ってからのセリフだろう?」
そう言ってニヤリと笑ったユンホへハイルは青くなる。
頭脳明晰のうえ運動神経抜群のユンホへハイルは勝てる気などしないから。



そしてハイルの予感は残念ながら外れず。


せっかく疲れた体に鞭打って真剣勝負に挑んだユンホだったが、
「わぁ、…じゃあ、みんなでカルタ取りしようよ!」
なんていうチャンミンの朗らかな提案を無下にもできないユンホだった。

















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