HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

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【ホミンホ合同企画ミーアゲ(meeting again)】あなたが笑えば~最愛~その後37


































エレベーターを避けてユンホは階段をのぼっていく。
休日前の夜の街はまだ眠りそうになく、賑やかな笑い声が至るところから聞こえていた。



「…ユノ?」
先を行くユンホへチャンミンは呼びかけるが静かな階段でこだまするのは自分の声だけだ。
店を出てすぐ腕を離され、未だに目を合わせないままユンホはさっさと階段をのぼっていく。
「ユノ、…なんか怒ってる?」
昨夜先に寝てしまったのを怒ってるのだろうか。
それとも接客に出るのがやはり気にくわないのか。
心当たりはありすぎるくらいあるが、けれど目を合わせないほど怒るなんてユンホにはめずらしく、チャンミンはどうしようと思う。
せっかく迎えに来てくれたのにこんな雰囲気じゃ台無しじゃないか。



「べつに怒ってない。何ごとも経験だから接客もいいんじゃないか。店長もお前の接客を褒めてたのに、さっきは途中で邪魔して悪かったな。」
階段の少し前を歩く背中は前を向いたまま。
ユンホは物分かりのいい保護者の顔がチラリと覗いて淡々とそんなセリフを言うけど。
「…ユノ、…」
「っ、…!」
ぐいっとスーツの裾をチャンミンが引っ張るから思わずユンホはぐらつき、
「こらっ、危ないだろ!」
今日初めて絡まった視線。
今度こそユンホは怒っているのにチャンミンは照れくさそうに口元をすぼめていた。
「…ユノ、…棒読みすぎ、…」
「なっ、…///」
そんなに接客が嫌なんだと思えば昨夜はあれほど子供扱いされたと腹が立ったのに、どうしてだろう今夜のチャンミンは嬉しくてたまらない。
これまでユンホの本心がわからずもどかしい思いを繰り返していたから、無理して保護者ぶるユンホの態度がわかりやすくて嬉しいのだ。
「っ、ユノ!」
ぼすんとぶつかるようにチャンミンが抱きつき、ユンホの腰に額が当たるのは段差によるもので。
「チャンミナ、此処をどこだと、…」
そう言いながら振り向いたユンホはチャンミンをとめるどころかぐっと二の腕をつかみ、空いたもう一方の手は壁に置いて体を支える。
そうして腰を折り近づくユンホをチャンミンは背を伸ばして受け入れるのだ、…それはまるで呼吸をするように。





「ん、…っ、…」


いつ誰がくるか知れない階段に甘い水音が響く。
触れるだけのつもりが一度触れたら止まらなくなった。
独占欲というのは本当に困った代物だとユンホは思う。
誰にも触れさせたくない、自分だけのものにしたい、…そんなの到底無理だと理解しているのにそれは脳の一部分だけのようでコントロールなど出来そうにないのだ。



「ユノ、…もう、」
人が来そうだと、チャンミンはユンホの肩を軽く押した。
「ん、…そうだな、」
そう言いながらピクリとも動かず抱きしめる腕をゆるめようともしない。
一度触れたら簡単に離せそうにないから我慢していたのに、腰に顔をうずめるなんて反則技だ。
小さくまあるい後頭部がすがるようにくっつく姿はユンホにとって目の毒にしかならず、一気に血流が集中してしまうというのに。
「ね、ユノ、…ハイル兄が待ってるかも、…」
「あ、あー、…」
そうだった。
今夜ハイルは野外フェスへ行っていて、それも趣味が合うとかでソユンと一緒なのだ。



めずらしく遠慮がちに了承を得てきたハイルだが、ユンホが反対する理由などない。
チャンミンまで誘おうとしたのは何とかバイトを理由にやめさせたが快く送り出してやったのだ。
行ったことない行ってみたい、と言うチャンミンを初めて連れていく役目は自分でなければならない。
「よく聴いてるアーティストが出演してて、ペンライトをお土産に頼んじゃったんだ。」
えへへと笑うチャンミンへそんなの俺が買ってやるのにとユンホは思うが、
「今度、ユノと一緒に行くつもりの2本。」
そんなふうに言われたらユンホはやはり愛しさが止められず、賑やかな足音がすぐの距離に迫るまで離してやれないのだった。









いつものようにビルを出た正面に車を待たせてあると歩いていく途中、ユンホはふと向かいのビルの慌ただしさに気づく。 
数人の団体が逃げるように吐き出された玄関口で人だかりができていて、怖いもの見たさの野次馬が遠巻きに様子を窺っていた。
ピタリと足を止めたユンホを隣のチャンミンは覗きこみユンホの目線を追った。
先ほどまでの甘い空気が瞬時に硬質なものに変わったのを不思議に思ったのだ。



遠くで救急車のサイレンが聞こえる。
肩で風を切って歩いてくる男達はどうみても堅気には見えず、単にチンピラのいざこざにしては周囲の反応が大きすぎた。


“イキがって店の女の子に手を出そうとした不良の団体をたったひとりでやっちまったらしいぞ。”
風にのって野次馬の噂話が聞こえる。
“この間はチンピラ風の男達を相手に一瞬で勝負を決めたらしい。連れには絶対手を出させず鬼のような強さだったとか。”


──暴れ竜、だと誰かが言った。






それが誰を指しているのか、ユンホにはすぐにわかった。
つい先日も本家浩道組から使いの者が来て催促されたばかりなのだ。


ソン・ジェハン、それがこの騒ぎを起こした張本人の名前だろう。
10年前傷害罪で逮捕されたのを機にこれでもかと余罪を追及され予想外に重い刑期となったことでもこの男がどれほど要注意人物として警戒されていたかが窺われる。
それは警察しかり、浩道組しかり。
出所してすぐ順に組内の若衆をだらしないと病院送りにした後、街に出て暴れはじめたらしい。



ユンホが調べただけでも数え切れないほどの武勇伝があり、喧嘩の強さは同業者にも恐れられるほどだ。
怒りのまま電車を素手だけで脱線させたと聞くから余程力自慢なのだろう。
ただユンホが聞くかぎりソン・ジェハンにすべての否があるわけじゃなく、むしろ弱い者イジメを嫌い策略を嫌った。
経済ヤクザが台頭してきた時代の流れについていけず、足掻いた結果の厄介払いだったとユンホは理解していた。



そして暴れ竜の牙を抜いてほしいと請われてもユンホから見てその牙は無関係の人間を傷つけることはなく、その逆なのだ。
それはたった今目の前に広がる憧憬の眼差しが如実に物語っていた。



見え隠れする浩道組の派閥争い。
それに巻き込まれるのはユンホは御免だ。
それに理由なく争う意味をユンホは持たない。


それが、何度浩道組からせっつかれてもなかなか行動に出られないユンホの事情だった。









「…ユノ?」
チャンミンがユンホの肘を引く。
立ち止まったまま動こうとしないユンホを不思議そうにして、ざわっと揺れた空気にそちらへ目線をやった。


大勢の人間が道端を埋めているのに、そこだけぽっかりと開いた空間。
気泡が弾けるようにそれはユンホとチャンミンがいる方向へひらき、遠目でもひとめでヤクザ者とわかる男がユンホを凝視するように立っていた。
道路を挟んだ向こう、車がひっきりなしに通るがはっきりと上半身を捉えられるのはかなりの長身だからだろうか。
歳は30代半ばで、とにかくガタイがいい。
顔に無数の傷があるのさえ勲章のような堂々とした出で立ちだった。





「ユノ?ね、帰ろうよ。」
チャンミンが再度ユンホの肘を引っ張り、帰りを促す。
この空気はいけない。
ユンホの体から発した熱が隣にいるチャンミンにまで伝わって胸騒ぎがとまらないのだ。
その瞬間ユンホの視界には道路向こうに立つ男しか映しておらず、相手もまた。
周りの喧騒が消え、時がとまったような時間をチャンミンは引き戻さなければと思う。


「ユノっっ!」
「っ、…!」


どんとぶつかるほどの勢いで抱きつきチャンミンは両手でユンホの頬を包んだ。
驚くユンホの鼻先へ顔を寄せ、視界を遮るように自らの鼻先を擦り合わせる。
あの男は危険だ、お願い戻ってきてと念じて。



ちょうど聞こえてきたパトカーのサイレンに手下らしい数人の男が急かすように道をあけていた。
仕方なくといったふうに相手の男が体を翻す。
あとを引くような視線をユンホへ向けながら、一瞬だけチャンミンを捉えたことなど2人は知るよしもなかった。




一方ユンホは沸々とわきあがる熱に驚きが隠せない。
握った手のひらが汗でじわりと滲む。
大きく息を吐いて初めて緊張と興奮に呼吸すら儘ならなかったのを気づいた。
チャンミンが一緒にいるのに、あの一瞬はそれを忘れてしまった。
「チャンミナ、…悪かった。」
思わずつぶやいたユンホへチャンミンは大袈裟に口を尖らせ拗ねてみせる。
「旦那さまの天女へ僕が見惚れたからってあんなに拗ねて意地悪したくせに。ユノはああいうゴツい人が好みなんだぁ、…ふーん、」
「は?っ、…好みってなんだよ?」


ふぅーーん、と更に声高に言いながらさっさと歩いていくチャンミンを焦ってユンホは追いかけ、わざと冗談っぽく接してくれるチャンミンをありがたく思った。



「じゃあお前も今夜は俺をならって意地悪していいぞ?」
そう言えばポッと赤くなるチャンミンを今夜どうしても抱きたいと思いながら。













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