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HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

【ホミンホ合同企画ミーアゲ(meeting again)】あなたが笑えば~最愛~その後41
































「あ、…は、はい。ソユンさんになら、…そうだね、頼まなきゃね。」


そう呟いて立ち上がったチャンミンの指先が白くなるほどキツく握られていたのをユンホは知らない。







ユンホの冷めた口調がチャンミンを心配してのことだと勿論チャンミンは気づいていて、


それでもこんなに胸が痛い。




玄関に倒れていたユンホを思い出す。
無敵だと、誰よりも強いと思っていた。
そう噂に聞いていたし、極力暴力沙汰を避けるユンホをチャンミンはどこかで安心していたのかもしれない。
雨に濡れた敷石に赤い斑点模様が滲んでいく。
以前ガンソクに頬を切られたときも衝撃で声を失ったチャンミンだったが、今回の凄惨さは前回の比ではない。



視界を暗闇が覆い、呼吸すら忘れた。
何も考えられない。
ユノ、と何度も名前を呼び、触れた頬のかすかなぬくもりに涙がとまらない。
大切な存在が傷つけられた痛みをチャンミンは嫌というほど感じていた。
寝る間も惜しい、ただユンホの傍にいたい。
眠くなるどころか逆に冴えざえとした頭には本人さえ気づかない過度なストレスが掛かり、拒食ぎみで荒れた胃腸がそれに耐えることを拒んだのだろう。



ソユンでよかった。
そう思ったのは嘘じゃないのに、
どうしてだろう、…抉られるように胸が痛い。





チャンミンは無理やり笑顔を浮かべ、寝室を出て自室へ向かった。
ユンソクが出ていって、また元のようにチャンミンへ与えられた部屋だ。
教科書類や衣服は戻したが布団だけはユンホの部屋へ片付けていた。
隣で寝て目覚めるとやはり隣にいる、日常になりつつあった幸せが期間限定なのだと思い出したくなかった。




「チャンミナ、…ソユンはもう来たのか?」
慌てて部屋から出てきたハイルの表情が正直すぎて。
「あ、…うん。今ユノの部屋に、…」


──眩暈がする。





「っ、チャンミナ?」



目の前のハイルとキッチンから顔をだしたエナが自分を見ているとわかるのに、チャンミンの視界がそれを捉えられない。
鷲掴みされたようにみぞおちへ激痛がはしり、ぶわっと汗がふきだした。
何重にも重なる柱がゆらゆらと回転し、口を塞がれたように息がつまる。


音のない世界で真剣な顔して怒鳴るハイルを目にしたが、それでもチャンミンが口にしたのはただひとり。


「…ユノ、…」














ふわりとくるまれた慣れ親しんだ匂い。
首筋にかかる熱い息と大きな手。
おぼろげな意識のなかでチャンミンが覚えている微かな記憶はそれだけだった。






どれほど時間が経ったのか、次に意識が浮上したときチャンミンの鼻孔を刺激したのは薬品の匂いだ。
自分が寝かされているのはわかる。
カチャカチャと金属音がして、複数の話し声も聞こえた。
腕の違和感は少し前に経験がある、点滴だろう。
ぼやっと霞む天井が此処をユンホの部屋だと教えているが、周りを確認したいのに薬の影響か体の自由が利かないのだ。
するといち早くチャンミンの様子に気づいたらしい人の手がチャンミンの髪を梳くように撫でた。



「…ユノ?」
「ん、…」



どうしてユノが?
驚きとっさに首を傾けたチャンミンのすぐ近く、その声の主が変わらず痛々しい姿で横になっている。
「あ、…///」
やっと目覚めたかと近寄る見知らぬ男は格好からして医者らしく、見渡せばエナにハイル、ソユンとユンソクまでいた。
チャンミンはひとこえ発したあと固まってしまう。
単に恥ずかしいのだ。
確かに日常ではあるけど、こんな大勢の目があるところでいつものようにピッタリとくっつけた布団に二人で寝ているなんて。



「ったく、いきなり引きずられて来てみれば病人と怪我人が仲良くダウンしてるとか。病院へ連れていくのは拒否されるし、こんな所では大した治療なんかできないぞ。」
不満げにチャンミンの脈をとる医者をチャンミンは見たことがあった。
デイルがいつも入院する病院の医者だ。
「チャンミンはすぐにでも病院へ連れていってくれ。倒れるなんて余程のことだ、顔色も悪いし。前より健康にして返してくれよ。」
顔馴染みの医者らしく親しげに話すユンホを医者はひと睨みしユンホの腕へ乱暴に点滴をいれた。
「っ、痛っ、…」
「痛いじゃないだろうが。チャンミンくんよりもお前の方がよっぽど重症だ、バカヤロウ。」




病弱なデイルが子供の頃から世話になってきたガンソクの友人でもある医者は遠慮がなく、嫌がるユンホを子供に叱りつけるような態度で治療を進めていく。
「安静第一なのに、お前、…無理して動いたろ?」
それでも病院へ連れていかないところは流石ヤクザの世界を知る男でもあった。
「いや、」
「ユノ兄っ、だってさっき!」
「っ、ハイル!!」
思わず口をだしたハイルを咎めるようにユンホは睨む。
さっき、とはチャンミンが倒れたと知らされた直後のこと、ハイルが止める隙もなかった。
鋭い痛みのはしった体を折るように立ち上がり、腹を庇いながらも怪我人とは思えない素早さで部屋を出ていったのだ。



あとを追ったハイルが見たのは、倒れたチャンミンを抱き寄せるようにうずくまるユンホだった。
怪我さえなければすぐにでも抱き上げ病院へ走っただろうが、今はそれが出来ない。
ここまで自力で来たのすら不思議なほどの怪我なのだ。
チャンミン、…チャンミナ、と必死で名前を呼ぶユンホが二日前のチャンミンと重なって見えて、ハイルは 
胸が締め付けられるような思いだった。
そしてどんなに説得しても首を縦に振ろうとしなかったユンホが「医者を呼ぶ。」と言い、ガンソクへ電話を掛けたのだ。
本来なら頼りたくない相手だがチャンミンが掛かっては仕方がない、それが一番最速で医者を呼べる方法なのだから。






という事があっての今だが、ユンホの怪我が悪化したのをチャンミンへ悟られるわけにはいかない。
ユンホはすぐに責任を感じるチャンミンの性格をよく知っていたから、ユンホが勝手に動いたと言ってもそれは変わらないだろうと思えたのだ。



「…ユノ?」
頼りなく見つめてくるチャンミンの頬をユンホは優しく撫でる。
「お前が倒れるほうが、どんな怪我よりも痛い。高熱のつらさなんて比べようもないほどつらいんだよ、…病院へ行ってくれるか?」
ゆっくりと諭すように説得するが、チャンミンはぶんぶんと首を振る。
「ユノが行かないなら僕も行かない。」
「チャンミナ。俺はさ、くだらないけど男の意地ってもんがあって、結局医者にかかっちゃったけど病院だけは行けないんだ。」
それでも医者に診てもらったのだから心配するなとユンホはチャンミンの説得を続けるけどチャンミンは頑なだった。
「ね、ユノ。ユノが血だらけで倒れていて、僕が痛くもつらくもないと思った?」
そう真剣な表情で言われたらユンホはもう引くしかない。




「僕、…ユノがいい。病院へ行くより、ユノと一緒がいい。」
その言い方が8歳の出会った頃のチャンミンのようでユンホは思わず口元が緩んだ。
ぶわっとチャンミンの大きな眸が涙で揺れる。
「チャンミナ、…子供みたい。」
体を起こせないから仕方なくユンホは腕を伸ばし、チャンミンの鼻先を指で擦った。
親指と人差し指でくにくにっと擦ってそれを自分の唇へ押しつける、そしてまた返すようにチャンミンの鼻先へ持っていった。
「…子供扱いしないで、って、…」
拗ねたように文句を言うけど、チャンミンは大人しくされるがまま。
ツーっと糸を引いた涙がチャンミンの枕を濡らす。
「わかったよ、チャンミン。その代わりちゃんと食事を摂ってよく眠るんだ。いいな?」
「…ん。」


いい子だ、…と頭を撫でるユンホへ、いい加減子供扱いはやめてとチャンミンは面白くないけど、そのうち薬が効いてきたのかユンホの手が気持ちいいからかチャンミンがうとうとするまでそれは続いたのだった。















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