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HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

【ホミンホ合同企画ミーアゲ(meeting again)】あなたが笑えば~最愛~その後43


































次期組長であるユンホがこれほどの怪我をした。
それなのにまったく動こうとしない組。


相手の組による報復を一番に心配したハイルだったが、それもなく。



そしてハイルが何より信じられないことは、目の前の怪我人二人が旧知の仲のように言葉を交わしあい笑っていることだった。









「浩道組の“暴れ竜”だよね、ヤツ、…」
ポツリとつぶやくハイルをユンホはチラッと見やり、そのまま黙々とチャンミンが用意した昼御飯を食べていた。 
あの後すぐチャンミンが戻ってきて“暴れ竜”へ化膿止めを塗り何やら錠剤を渡していた。
お礼を言おうとするヤツから引き剥がすようにチャンミンを胸におさめたユンホはいつもの兄だとしても、…どうにも納得できないとハイルは思っていた。



敵なのか、味方なのか。
にこにこ笑うチャンミンは何もわかっちゃいないのか、それとも知っていてヤツへ親切に接したのか。



疑いの目を向けるハイルを無視するようにユンホは黙々と食べ続け、「追々説明するが、お前はちゃんと成りゆきを見ておけ。いずれ必要になる。」とそれだけ言う。
ハイルは目の前に用意された昼食を眺め給食のようだと思いながら牛乳をゴクリと飲んだ。
チャンミンに勧められるがまま席についたが、これは本当はチャンミンの分じゃないだろうか。
そういえば最近チャンミンが食事する姿を見ていない。
「ユノ兄、チャンミンはちゃんと食べてる?」
「ん?ああ、暑くて食欲はないらしいが、無理にでも食べさせてる。動かないから腹が空かないってバイトへ復帰する理由づけにするんだよな。」
チャンミンのバイトへ乗り気ではないユンホが不満げにつぶやき、ハイルは兄が見ているなら安心だとホッと胸をなでおろした。




けれど最近のユンホは神経質なほど慎重に外部と連絡を取り合っていて、込み入った話になると部屋へ誰も寄せ付けず何時間もこもってしまう。
ハイルが思っているほどユンホがチャンミンと過ごす時間は多くなく、チャンミンがどういう状態にあるのか実は何もわかっていなかったのだ。








玄関先が途端に騒がしくなる。
何事かと腰をあげたハイルをユンホは片手で制し、待ち構えていたようにドアへ視線を向けた。
そこへやってきたのはガンソクで、無表情ではあるがわずかな口元の歪みが苛立ちをあらわしていた。


「お、親父、…」
慌てて箸を置いたハイルをガンソクは眼中にも入れず、ユンホを睨みつけたまま仁王立ちしている。
「…食事中にこのような振る舞いは貴方が一番嫌がることではありませんか?父さん。」
そんな視線などものともせず、ユンホは飄々と言いゆっくりと箸を置いた。



「見舞いだ。」
「ふ、…今さら、ですか?」



いつもこの二人の会話は緊張するとハイルは緩和剤に普段ならなってるチャンミンを探すが近くに見当たらない。
いかにも不機嫌そうなガンソクをユンホは逆撫でするように肩を揺らすからハイルは気が気じゃないのだ。



「俺のしてることは貴方に筒抜けでしょう。邪魔するおつもりですか?」
射るような視線でつぶやき立ち上がろうとするユンホへガンソクの戸惑いが伝わる。
そして、「マンションを紹介するつもりか?」と見当違いのことを言うガンソクへユンホは思わず間抜けな声を出してしまった。
「は?なにを、…」
「投資でマンション購入を考えていたからそこを貸すと提案したらしいじゃないか。」
そこまで言われてやっとユンホは理解し、同時に大きなため息がでる。



冷静沈着、冷酷無比と謳われた東神会組長がこれほどまでに盲目になっているのかと驚き呆れたのだ。
あー、とユンホが言葉を探しているとその相手が慌てて追ってきたようで息を切らしながらやってきた。
「ユンソクさん。」
「ああ、やっぱり此処でしたか。」
走って息もあがっているのにユンソクはやはり品が良く年齢を感じさせない美しさは相変わらずだ。




ユンホがユンソクから相談されたのはいつだったか。
いつまでもゲストルームで寝泊まりするのは気が引けるからやはり新居を探したいと言うのだ。
もうとっくにユンソクはガンソクの部屋に居ると思っていたからユンホは意外だった。
ガンソクの背中の天女は一生ユンソクのものだと言ったはずなのに、未だにユンソクは天女に触れることなくひとり寝の毎日らしい。
ウブな童貞じゃあるまいし、散々遊び尽くしたガンソクが何をしているのかと思うがそれを父親へ言う気などユンホにはない。
それが不満でユンソクが本宅を出たいというなら協力を惜しむつもりはないし、逆にユンホにとって持ち駒が増えたと言える。




「ユンソクさんが引っ越したいのに父さんがことごとく手を回して邪魔するそうですね。それなら俺が買ったマンションをユンソクさんへ使ってもらおうと思いまして。ご不満ですか?」
ユンホはわざと愉しげに言い、ガンソクが小さく舌打ちするのを満足そうに聞いていた。
「…なにか目的があるのか?」
「は?」

 

「お前の行動は俺への脅しとしか思えないな。…なにが目的だ。」


さすが話がはやい、とユンホはニヤリと笑う。


ガンソクが呆れるほどユンソクへ対して純情なのはこれまで見てきたユンホには充分すぎるほどわかっていた。
簡単には手が出せないのだ。
これまで求めることなく常に相手から言い寄られていたガンソクにとって本気の相手をクドくという行為がどれほど難しいか。
やはり親子なのだろう、ユンホにはガンソクの気持ちが痛いほどわかってしまう。




それは逆を返せばユンホの狙いも同じように。



「浩道組ナンバー2の最近の不穏な動きについてご存知ですか?」
突然そんなことを言い出したユンホをガンソクは予想していたように静かに聞いていた。
「…だからお前の男同士の喧嘩とやらも口出しせず静観してる。それはソン・ジェハンの親父も同じだろう。ヤツは義理人情に厚く、何より浩道組の総組長を崇拝してるからな。」
その言い方がどこか親しげで、ユンホはジェハンの組長と親交があるのかと聞くが答えはノーだった。
さすがジェハンが忠誠を誓うだけあって、昔気質の組長は金儲けより仁侠という男で経済ヤクザを何より嫌っていると言うのだ。


「それは残念です。」
特に残念そうになくユンホはこたえた。
予想範囲内のことだからだ。
「…で、俺にどうしろと?」
既にガンソクの興味はマンションを離れ、ユンホとハイルを残しユンソクも部屋の外へ出されていた。
そう気軽に聞かせられる会話ではない。



ユンホは軽く口角をあげ、それは今からイタズラを仕掛ける子供のようでガンソクは息子の図太さに驚きつつ、



「情報の交換と、協力を。おそらくジェハンも同様に提言してることかと。」



そう堂々と言い放ったユンホを暫く見つめた。










浩道組ナンバー2、リュ・ソンイと言えば港を取り仕切り貿易会社を手広く経営するフロント企業の社長で浩道組若頭だ。
そしてユンホへソン・ジェハンを潰すよう依頼した張本人でもあった。
ユンホは浩道組の派閥争いなど興味はない。
潤沢な資金により弘道組でも五本の指に入る力を持つ東神会だったが、ガンソクの関心は会社経営に向けられ浩道組での地位に興味はなく、それはそのままユンホの意思でもあった。



ところが事情が変わってきたのはソユンとの縁談話によるものが大きい。
ユンホにとって誰にも邪魔立てされず速やかに跡目を継承しなければならない理由ができてしまったのだ。 


「 それはソン・ジェハンにつくと言うことか?」


そして調べるうち、その男を知ってしまった。


「つくもなにも、ヤツに義がある。それだけです。」



浩道組の御法度に手をだし、そのうち総組長の地位にまで色気を匂わせてきたリュ・ソンイ。
調べれば調べるほどキナ臭い男にとって天敵とも言える相手がジェハンの組であり、タイミング悪くその組を象徴するような腕自慢の男が自由の身になってしまった。
その男を潰そうと躍起になるリュ・ソンイの口車に簡単に乗らなくてよかったとユンホは思う。


ジェハンが腕っぷしで真っ正面から行くのならと、ユンホは金と知恵を使った。
綻びはじめたリュ・ソンイを追いつめる決定的証拠まであと少し。
そしてそれにはどうしても組長であるガンソクの力が必要だったのだ。





ガンソクはユンホの心を洞察するように真剣な眼差しで見つめ、ユンホもまた一切目をそらすことはない。
その緊迫した空気のなか、事情をよく知らないハイルは固唾を飲んで見守ることしかできず。


──チャンミン!!と、聞こえたユンソクの声にも反応が遅れてしまった。




プツリと緊張の糸が切れたように空気が動く。
何があろうと外そうとしなかった視線をユンホは振り切り部屋を飛び出したのだ。
ユンソクの声音が普通じゃなかった。
どれほど大切な話の途中であっても、それを聞いて黙っていられるユンホではない。
ドクドクと心臓が鳴る。
なぜか胸騒ぎがする。


ここ最近浩道組の件に夢中で、もしかしたら意図的に気づかないふりをしていたのかもしれない。
ユンホはソユンとの縁談話に早くケリをつけようと焦っていて、それはチャンミンの為に他ならない。



けれど、普段のユンホなら気づくであろうチャンミンのサインを見逃してしまった。
どんなに真夏でも暑さで食欲が無くなるなんて、
これまで8年間生活を共にして、そんなこと一度だってなかったのに。
















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