HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

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【ホミンホ合同企画ミーアゲ(meeting again)】あなたが笑えば~最愛~その後50完


































高く澄みきった青空に時折冷たい風が吹く。
離れの庭ではコマユミが先陣をきって紅く色づきチャンミンを喜ばせていた。
落葉樹はそれこそ葉が落ちてからの掃除が大変だろうとユンホは心配するが、チャンミンにとって庭掃除は毎日の習慣でそんなことまるで気にならない。
それよりもキレイな紅葉が見たい!とドウダンツツジやニシキギなどが植えられ、春の桜同様この季節も縁側の障子が閉じられることはない。






そんな秋の深まりを肌で感じるよく晴れた日、ユンホの『跡目継承式』が執り行われることになった。




このご時世ではそう派手にできないものの東神会組長の襲名披露とあっては簡略するにも限度がある。
もう何日もロジンなどは準備に追われ、組全体が浮き足立っていた。
前日にはチャンミンが話しかけることすら躊躇するほどエナをはじめ使用人は忙しく動き回り、これまでにない屋敷の様子にチャンミンはつい浮かれてしまう。



「ね、…ユノ?」
「駄目。」
ぷぅっとチャンミンは口を尖らせる。
まだ何も言っちゃいないのに。
「え~、まだ何も言ってないよ。」
「どうせ覗き見してもいいかってことだろう?駄目だぞ。」
素っ気なく答えるユンホへチャンミンは言葉に詰まる。
なぜならそれは、大当たりだったから。
「う、…だってユノの晴れ舞台でしょ?羽織袴なんでしょ?…見たい、…」
「ダァメ!他の組の親分衆や幹部が大勢集まるんだ。頭の固い古狸が寄ってたかって化石のような儀式をするだけ。何も面白くないぞ。」
でも~、…と縋るチャンミンにユンホは容赦なく。
「ソユンが手伝いに来るらしいが二人してコソコソするなよ。」
「ハイルは今のところ部外者だから、下手なこと頼むな。」
そう矢継ぎ早に拒否されたらさすがのチャンミンもヘソを曲げてしまった。
だって一目でいいから見たいのだ。
『跡目継承式』が単なる形式的な儀式ではなく、団結と統制を象徴し、組織への帰属意識を高めるための大事な役割を担っているのはチャンミンだってわかっている。
だからこそ、その重要な誓盃儀礼へ挑むユンホをチャンミンも見たかった。 
ユンホの覚悟がどれほどのものか、…その欠片のような一部でいい、チャンミンもそれに寄り添いたいのだ。
けれど当日屋敷へ近づくのを頑なに禁止するユンホはとりつくシマもなく、それはチャンミンがどれほど頼んでも、逆に「絶交するっ!」と脅してみても変わらなかった。






ポチャン、と、チャンミンの投げた餌が池へ波紋をつくる。
当然のようにいっとう早く食いついたのはサンタサン太で、チャンミンは思わず笑ってしまい慌てて口元を引き締めた。
そう、今自分は怒って落ち込んでいるのだから笑ってる場合じゃないのだ。
『跡目継承式』を翌日に控え周りは一層慌ただしく、打ち合わせらしいユンホも屋敷へ行ってしまった。
朝からユンホと言い合いをして以降チャンミンは完全にユンホを無視して池のほとりに張りついていた。
久しぶりに朝食をボイコットしたから腹がグーグーと煩いが落ち込んでいるのに食べてる場合じゃない。



「サンタサン太~、…おいしい?あー、おいしそうだねぇ。」
水面に浮いた丸い口が勢いよく餌を吸い込んでいく。
最近のチャンミンは拒食ぎみだったのが信じられないほど食欲旺盛になり、1食抜くだけでもかなりツラいのだ。
アレも食えコレも食えとユンホがどんどん食べさせるからチャンミンもどんどん食べて、気づけば食欲の秋。
かなり減った体重はすっかり元通りになり、かえって肉付きがよくなった気がする。
体重オーバーを気にするチャンミンだが、ユンホが抱き心地がいいと嬉しそうに笑うからチャンミンも満更じゃなかった。


と、そんなユンホを思い浮かべた頭をチャンミンはぶんぶんと大きく振った。
そう、自分は怒ってるのだからユンホの笑顔を思い浮かべてニタニタするのはおかしい。









「俺にも餌やらせて。」
ふいに背後から声をかけられ、チャンミンは心臓が飛び出そうなほど驚いた。
「チャンミナ?」
優しく名前を呼ばれ、くっつきそうなほどの距離で腰をおろされてもチャンミンは固まったように動かない。
奥歯を噛みしめ視線を合わせたら負けだと自分へ言い聞かせ、ふっと笑われたような気配にも動じなかった。
だって自分は今、怒ってるし落ち込んでいるのだから。
勝手に伸びてきた手が止める間もなくチャンミンの餌を撒くから、サンタサン太、食べないで!と願うチャンミンの思い虚しくあっという間に消えていく餌をチャンミンは何とも言えない表情で眺める。



「こら!いつまでも子供みたいに拗ねるな。」
突然ユンホの両手がチャンミンの頬を固定する。
目を逸らしたくても出来そうにない。
それほどに近いユンホの顔。
じわぁ、とボヤける視界はなんなのか。
ユンホの手を払いのけるという選択肢はチャンミンにはなく、ただただ固まったように動かず、それでも精一杯膨れっ面をした。
「…ばかだなぁ、…泣くなよ、」
泣いてないっ!と反論する隙を与えず尖らせた唇はユンホに塞がれ、ぎゅうっと抱かれた拍子に落としたらしい餌がパラパラと転がり散っていった。




そして池を正面に尻をつき、座り込んだユンホの足の間でチャンミンは小さくなっていた。
いくら離れが静かだと言っても垣根の向こうに数人の影が見える。
ユンホに付いて来たのだろうが、当のユンホがこんな所で座り込んでいていいのだろうか。


そんな心配を一応はしてみるが、チャンミンの手はぐるっと回されたユンホの腕をつかんで離しそうにない。


「チャンミン、お前はヤクザじゃない。いくら兄弟組の親分衆と言えど見せたくないし紹介する気もない。知らなくていい世界もあるんだ、…わかるだろ?」
優しくユンホは言い聞かせ、言葉の合間にチャンミンの後頭部へ口づける。
ユンホにとってチャンミンは宝物のような存在で、できることなら誰の目にも晒さず鍵付きの宝箱へ仕舞っておきたいくらいなのだ。
「っ、…だから、隠れて、」
「どうせ冬桜の影に隠れるつもりだったろ?あそこは広間から案外丸見えなんだよ。」
「うっ、…」
すべてお見通しのようなユンホが悔しいが、大当たりすぎてチャンミンは何も言えず。
「その代わり此処で仕度をすることにした。俺の羽織袴姿なんて大したことないが、俺にとって大切な日だ、その姿をまずチャンミンに見せたい。それでいいか?」
「…っ、うう、」
チャンミンの悔しさと気まずさで歪んだ口が更に崩れて不格好なほど崩壊してしまう。
意地っ張りの自分を包み込むような、本当は誰より忙しいはずのユンホを思って情けなさに泣けるのだ。
「ご、ごめんなさ、…っ、」
ぼろぼろっと溢れた涙をユンホは指で掬って満足そうにチャンミンの頭を撫でた。
チャンミンの拒食に悩まされた日々を思えば、あれ以降タガが外れたようなチャンミンの素直すぎる我儘もユンホにとっては幸せとしか言いようがないのだから。









そして当日、チャンミンは呼びに来た組員の後から遠慮がちに居間へ足を踏み入れた。
開け放した障子の向こうは雲ひとつない秋晴れ。
眩しいほどの日射しが縁側で立つ人の輪郭を滲ませ、まるでその人自身が発光してるよう。
長身に広い背中長い手足は黒の紋付き袴姿をより一層引き立て、ため息がでるほどに格好いい。



ふと振り向いたユンホの表情は逆光で見えにくいが、チャンミンのぽっかり口をあいた姿は丸見えだろう。
はぁぁぁぁ~、と大袈裟にため息をつき、「ユノ、格好いい!」と思わず漏れた言葉にユンホの肩の力が抜けていく。
平常心を心掛けてもやはり緊張していたのだろうか。
先程まで固く冷えきっていた身体にゆるりと暖かい風がふく。
「ふ、…チャンミナ、顔がサン太になってる。」
パクパク開いた口を見てユンホは笑い、おいで、とチャンミンを呼び寄せた。



“たおやかさん”になるつもりがサン太になっちゃ駄目じゃないかとチャンミンは反省するけど、でも仕方ないと思う。
それほどユンホの威風堂々とした立ち姿が格好よくて見惚れてしまうのだから。
「覗き見なんてとんでもなかったね。屋敷の周りは黒塗りの高級車だらけで、どこかの組長さんやお付きの人達が大勢いて隠れるところなんてないや。」
ふふと笑うチャンミンの頬をひと撫で、ユンホの腕がチャンミンの腰へまわされる。
チャンミンも汚してしまわないかと心配ながらユンホの背へ腕をまわした。
「ここで仕度をしたのは正解だった。チャンミンを他の組の親分衆へ見せるつもりはないけど、でもお前、東神会新組長の伴侶だもんな。お前の覚悟も一緒に連れていく、…だからさ、もっと強く抱きしめてくれるか?」
「え、…///」
思わぬユンホの言葉にチャンミンは赤面するばかりでオタオタしてしまう。


だって、急にそんな、…伴侶とか、…


うつ向いてしまったチャンミンをユンホは不思議そうに覗きこみ、はやく抱きしめてと急かした。
そう言われると益々チャンミンは恥ずかしい。
「あの、…だって、…たおやかさんじゃなくてもいいの?」
それは勝手にチャンミンが言ってるだけじゃないかとユンホは思うが、思いこみの激しいチャンミンも愛しい。
その思いこみの激しさが出会ってすぐユンホを親鳥のように慕い、何があろうとユンホ一筋でここまできたのだと思う。
「ん、俺はサン太みたいにぽけっと口を開けたチャンミンの方が好きだな。」
「うっ、…なんか失礼だ。僕、意地でもたおやかさんになるから、」
チャンミンは口を尖らせつつ、それでも勢いをつけてユンホを強く強く抱きしめ。



「はぁ、…いいよ。時間はたっぷりあるからさ。…なんたって、…は、は、伴侶だし、…///」
大きく息を吐き、幸せそうにうっとりと何度か繰り返し言うチャンミンに、しばらく気に入って使いそうだなと“伴侶”が“たおやかさん”に変わる日を想像してユンホも幸せそうに笑った。














口上人の司会で始まった継承式が厳粛な雰囲気のなか古くからの格式作法にのっとり着々と進められていた。
静まり返った二間続きの和室に豪華な顔ぶれが並ぶ。
浩道組総組長は自ら出席を名乗り出たとユンホは聞いていた。
今回の一件で目をかけたユンホが親子盃を断り兄弟盃となる東神会での跡目継承を選んだことに周りが心配したようなお咎めなどは一切なく、それがユンホの名をさらにその世界へ知らしめることとなった。




媒酌人による交盃の準備を待ちながら、ユンホはふと庭先へ視線を向ける。
この屋敷の脇にしかない冬桜が可憐な薄ピンクの花をつけ、風にのって一片また一片と舞っていた。


なにもいらない、チャンミンが欲しい。とユンホが宣言した日、焼けるような傷口の痛みよりチャンミンを想い見上げた冬桜。
それがまた蕾をつけ花を咲かせ、そしてユンホはあの日条件として出された跡目をたった今継ごうとしている。




受け入れるだけの運命がひとりの人間によって大きく道筋を変え、ユンホを、そして周囲の人間を大きく変えた。
段ボール箱からすくいあげた虐待の痕が生々しい子供はもしかしたら菩薩だったのか、と、祭壇へ飾られた掛軸を眺めながらふとユンホは思う。
が、すぐに打ち消し微かに口角をあげた。
菩薩はあんなに子供っぽくないし頑固でもなく、ユンホひとりだけをひたすら愛し抜くこともないだろう。




神酒がなみなみと注がれた盃を渡され、ユンホは一気に飲み干す。
ふと向かい側に座するガンソクと目が合った。
ここ最近ますます柔らかくなった父親。
時々離れへやって来るユンソクを、仕事の話だと何度説明しようが何かと煩い純愛真っ最中の親父だ。
冷酷非道と謳われた父親にまさかそんな想いがあったとは、チャンミンがいなければきっと気づくことなく終わっただろう。



そして継承物の目録が読みあげられ、媒酌人によって席の交代を促される。
ガンソクが立ち上がり、ユンホも立ち上がった。
ユンホはそこに居る全員の視線を痛いほど感じながらゆっくりと席をかわり、
「席が替われば当代です。」
そう媒酌人が新組長誕生を宣言するのを聞いていた。



その後の流れもユンホは事前に打ち合わせていた。
広間の最後方の壁に貼られた組長ガンソクとユンホそれぞれの名前が書かれた長半紙を媒酌人の宣言と同時に破り、ユンホが組長、ガンソクが隠退と書かれた長半紙が下から現れる仕組みだ。
ユンホはその芝居がかった演出が恥ずかしくて好きではなく、できるだけそちらを見ないようにしていた。
継承式の前に喋ったジノがその大役を仰せつかったと自慢気に言っていたから尚更見る気になれない。



長半紙の破かれる音と共にわざとらしく感嘆の声があがり、完全に無視するのもどうかとチラッと視線を向けたユンホの息が止まる。
開いた口が塞がらないとはこういうことかと。
そう思うほど、この厳粛な場に相応しくない表情だった。



破いた長半紙を畳んでペコリとお辞儀をするそれこそこの場に相応しくない青年はどう見てもチャンミンだ。
言葉にならない言葉を吐き、思わずユンホが足を一歩踏み出したところでロジンが立ち上がりチャンミンのもとへ歩いていく。
場がざわつきはじめた。
全員が紋付き袴姿のなか、チャンミンのあれは高校の制服じゃないのか。
そのままロジンに促され広間を出ていくチャンミンをユンホは追った。
なにがどうしてこの状況なのかユンホはまるでわからず、チャンミンをロジンから守らなければとそればかりに気がいってしまう。



数歩進んだところでユンホは腕をつかまれ無意識にそれを払いのけ逆手を取るが、相手に気づきハッとする。
それは浩道組総組長だった。
親組のトップへ手を出したとなってはマズイ。
ユンホが怯んだ隙に総組長は腕を外し、突っ立ったままのユンホを見上げ豪快に笑った。
ユンホはなぜ笑われるのかもわからず、総組長の合図で口上人が手早く締めの挨拶をし継承式が終了するのを上の空で聞いていた。








「ロジンの言うとおりだったな。」
ズラリと並んだ黒服を背にして総組長が愉快そうに笑う。
「何の事でしょうか。」
ユンホは努めて冷静に言うが、チャンミンが気になってそれどころじゃない。
ロジンなんて狸親父はどうでもいい、それよりチャンミンをどこへ連れていったのかと焦る気持ちが態度にありありと出ていたのだろう。
くくくっと可笑しくて堪らないという顔で総組長は笑い、笑った総組長なんて初めて見たとユンホは思っていた。



「ロジンがお前の弱味を見せましょうと言うから何かと思えば、…そうか、父親から奪ってまで手に入れたというのは、彼か。」
「…総組長。継承式での無礼は、」
格式を重んじる盃事でロジンはなんてことをしてくれたんだとユンホは頭が痛い。
本来ヤクザではないチャンミンが式に同席するなどあってはならないことなのに。
そのユンホの心配を総組長はにこやかに打ち消し、これはガンソクも承知の上だと言う。



「かなり若いが素直そうな若者だ。お前の事をキラキラした目で見ていたぞ。まあ、同じ系列組と言えどウチを敵にまわさないことだ。最大の弱点をつかれたら困るだろう?」
口では脅し文句のように言いながら、総組長の表情は穏やかでユンホをからかうように笑う。
そして言葉につまるユンホへ、フラれたから仕返しだとおどけてみせるのだった。









最後慌ただしく終わったものの跡目継承式はつつがなく行われ、浩道組総組長の出席もあり東神会はまたひとつ名を上げた。
それにはロジンの働きが大きいのだろうが、ユンホはすんなり礼を言う気にはなれない。
式の始まる直前にジノを説き伏せ、緊急だとチャンミンへ代役を頼むとはどうにも納得ができないのだ。
しかもガンソクも承知の上で慌てふためき動揺した自分を楽しむとは悪趣味すぎるじゃないか。
誰の目にも触れさせないつもりのチャンミンがあの日ですっかり有名人になってしまった。



若き東神会組長の最愛の恋人が男子高校生だと広く知れ渡れば、かつてガンソクがそうしたように、またソユンがそうであるように、跡継ぎを産むだけの婚姻を申し出る組がでてくる。
継承式での代役を、ユンホの婚姻でツラい思いをさせたチャンミンへのせめてものお詫びだとしれっと言い放ったロジンだが、
「先代はそれぞれ違う女性3人を相手に子供を作りました。ユンホさん、貴方もソユンひとりだからチャンミンが妬いてしまう。これを機会に何人か選べばいいじゃないですか。」
そんな本気とも冗談ともつかないくだらない戯れ言を言われ、ユンホはロジンがいまだにユンホとソユンの跡継ぎを諦めていないことに驚いた。
ハイルとソユンの気持ちを知っているのにだ。




そんなロジンへしっかり言い含めなければとユンホは思う。
組長として最善を尽くしたのち跡を継ぐのはハイルかハイルとソユンの子供であり、自分にはチャンミンだけだということを。
それでも何か画策しようとするなら、今こそ言う時だろう。



“親が黒と言えば白も黒になるのだ”──と。










「ごめんなさい。」
しゅんと頭を垂れたチャンミンが本当に反省してるのか疑問なほど眸を輝かせユンホを見上げている。



継承式のあと組内で祝いの席が設けられ、ユンホが離れに戻ったのはもうとっくに日付の変わった時間。
跡目を継いだ身として勝手な行動は慎まなければならず、ろくにチャンミンと話せなかったのがユンホを不機嫌にしていた。
だからつい玄関の引き戸を乱暴に開けてしまったのだ。
まさか懐かしくさえあるアルミ缶の仕掛けが疲れと酔いで朦朧としたユンホを横っ面を叩かれたような勢いで覚醒させるとは思いもよらずに。




そして今、シャワーを浴びたユンホは布団の上でちょこんと正座したチャンミンを見下ろしていた。
「心臓が止まるかと思った。いくらロジンに頼まれたからって、…お前はまだ高校生だしリスクを考えて公に顔見せするつもりはなかったのに。」
「お義父さまは僕があまりに覗きたそうだったから気を効かしてくれたんだよ。でも、…調子に乗っちゃってごめんなさい。」
更にしゅんと肩を落とすチャンミンだが、どうにも隠しきれない高揚が艶々の頬と緩んだ口元に現れていてユンホは困ったような呆れたような苦笑いしか浮かばない。


「チャンミナ、…」
ため息混じりにユンホが呼べば、そろ~っと見上げたチャンミンの視線がキラキラと眩しい。
「はぁ、…お前、そんなに跡目継承式なんか見たかったのか?」
チャンミンの萎れた花のような格好と喜びに満ちた表情があまりにアンバランスで、そのうちユンホも可笑しくなってきた。
「ん~、跡目継承式じゃなくて、ユノを見たかった。ほら、盃をくいって飲み干して懐へ収めるの、…はぁ~、格好よかったぁ、…」
遠い目をして思い出し笑いをするチャンミンをユンホはもう叱る気になんてなれず、仕方ないなと諦めたように笑って今後チャンミンが危険に晒されないよう事前に手を回さなければと算段するのだった。



遠くに思いを馳せ勝手に頬を染めるチャンミンを取り戻すべくユンホは目の前の顔を両手でつかむ。
っくん、…と、鼻先を擦り合わせ、唇で吸った。
擽ったいと竦めた顎を引っ掛けるように持ち上げ、さらに深く。
「チャンミナ、東神会組長の情婦みたいに見られてもいいの?」
合わせた唇の隙間でユンホが心配を口にすれば、チャンミンはキョトンと目をまるくし言うのだ。
「情婦みたいにって、…だって僕、伴侶だし、一緒でしょ?」
そう当然のように笑うからユンホは切ないくらいの愛しさに胸が鳴る。



「愛してる、チャンミン。」
「うん、…僕も。」



再度口づけを交わし、正座したチャンミンを押し倒すようにユンホは体重をかけていく。
さっきまで意識が飛んでしまいそうなほど疲れていたのに、チャンミンを求め張りつめる下半身の元気さにユンホは呆れつつそれでも止まりそうになかった。



するとチャンミンの肩に置いた手から震えが伝わる。
ユンホはどうしたのかとチャンミンを覗きこむが、どうやらその震えは笑いを我慢してのものらしい。



「チャンミナ?」


急にどうしたんだと不思議そうにするユンホへ、チャンミンの満面の笑み。


「僕に気づいた時のユノの顔、…っぷ、…」
「は?」



「サン太だった。」
「え?」
「お揃いだねぇ、ふふ。」





お揃い、と、もう一度チャンミンは繰り返し、嬉しそうに破顔する。
ユンホはと言えば、誰のせいだよ?と文句のひとつも言いたいところだがあまりにチャンミンが嬉しそうで、結局ユンホも嬉しくなってしまうのだ。







それからしばらくの間、サン太の話題が出るたび顔を見交わし微笑み合うユンホとチャンミンを、エナ達は不思議そうに眺めるのだった。














fin.




*********************



おはようございます、えりんぎです。



お待たせいたしました。
『あなたが笑えば~最愛~その後』完結しました。



サン太ではじまり、サン太で終わりましたねぇ~、、、( ̄∇ ̄*)ゞ
これほどサン太が重要キャラ?になろうとは、、、そりゃみなさんが「サン太もどきだよ~♪」と公園の写真を送ってくださるはずですよ。
コチラは8月18日チャンミンおかえりなさい!企画へ参加させていただいたものですが、気づけばドームツアーも終わりSpecial Edition in NISSANがもう目前という。。。(;゚∀゚)



チカ*さま、あゆさま、
大変長々と企画タイトル、バナーをお借りして申し訳ありませんでした。



最終話ということでコメント欄を開けますが、個別にお返事を返す時間が取れそうにありません。
まとめて返信記事とあとがきっぽいものを後日更新しますので、それでもいいよ~って方は感想など送っていただけると嬉しいです。







前人未到の日産3DAYSまで、あと3日!
 

みなさんそれぞれの思いを抱きながら、
息をつめるような緊張と高揚でのぞんで、
鳥肌が立つようなステージと変わらない二人に目の前がぱぁっとひらけていくその日まで、


あと3日です。








またお話が書けたら戻ってきますね。
その時はぜひ読んでやってください。




いつもたくさんの拍手を本当にありがとうございます。
開いてるコメント欄から、アメブロから、
こんな妄想話にお褒めのコメントをありがとうございます。




次回も『なんちゃって極道話』を書いちゃいそうですよ~




では!










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Comment

point ありがとうございました!これからも!

えりんぎ様

とうとう最終話
ニッサン後の喪失感の中読ませていただきました。
読み終わった途端ユノとチャンミンの幸せな笑顔が目に浮かんできてニッサン後までとっておいたのは
正解でした。

黒の紋付袴姿のその人から発光しているよう、のところはWITHの時のマキシマムユノがぱっと浮かびました。五万人以上の視線と鳴り止まない歓声を一身に浴びながら客席をゆっくり見渡すユノ 。
あの時とこれから跡目継承式に行くユノが重なりました。

チャンミンのユノの覚悟の欠片でも共有したいという想い。チャンミンの想いも一緒に連れて行くというユノ。
なんてなんてかっこいいんだろう。

書きたいことは山ほどあるのにまとまらないのが
残念です。

ニッサン後の寂しさをこの最終話の二人の好きで好きでたまらない様子を想像して元気になりました。

ステキなお話本当にありがとうございました!!

首を長くしてspecial edition待ってます!

2018/06/14 (Thu) 00:05 | ネサランユノ #- | URL | 編集 | 返信

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2018/06/12 (Tue) 19:25 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/07 (Thu) 08:14 | # | | 編集 | 返信

point

(´∀`*)ウフフ まだ続きを予感させる(私だけでしょうかね?)終わり方でしたね。50話ありがとうございました。
そして「次回も『なんちゃって極道話』を書いちゃいそうですよ~。」サラっと予告ですか?
期待して待ってますね。
日産スタジアムが近づいてきましたね。
恨めしいことに天気が今ひとつすっきりしないようです。
つい先ほど台風がどこぞで発生したとか聞きました。
現地にはいけませんが、皆様の思いが天気に邪魔されぬように全力で祈らせていただきます。(ノ゚ο゚)ノ オオォォォ-!

2018/06/07 (Thu) 00:02 | yamamechin #- | URL | 編集 | 返信

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2018/06/06 (Wed) 21:50 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/06 (Wed) 07:54 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/06 (Wed) 05:18 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/06 (Wed) 01:56 | # | | 編集 | 返信

point 親愛なるえりんぎさんへ。

先ずはホミンとミンホの合同企画への御参加頂き有り難うございます(*˘︶˘*).。.:*♡
お忙しい中でよくここまで書き続けて下さったと、感謝の一言に尽きます!
そして正直、もうこのタイトルは飾りになりつつあったと私は思います、ふふ。
LINEに追記したって聞いて「あ!企画のだったっけ!?」と思ったのは幹事やってた私ですから(;;;;;°∇°)スミマセンネェ。
それ程、企画を切り離してハマりましたからね。

『あなたが笑えば〜最愛〜その後』

本当に読み応えのあった50話でしたねぇ…

昨日と今日で(残念ながら宣言した日付を跨いでしまったから〜)6話+2話を一気読みしたので途中で泣くわ滾るわ笑うわで感情の起伏が激しかったんですよ〜〜。
でも良かった、最後に綺麗にトンッと着地したのが物凄く気持ち良かったから。
私の今の心は跡目継承式の日を思わせる秋晴れの爽快さですよ。

で、終わり方って元々決まってました?
後でこそっと教えて欲しいです。

私が一気読みしたからかな?綺麗に流れるような終わり方だったなぁって静かな興奮が未だに冷めないんですけど。
着地って本当に難しいから、、、良かった。
うん、何度も言っちゃいます。

適度な余韻で、溢れる幸福感。
ラストスパートの残り何話で回収していく布石。
話の端々からチャンミンとの出会いが走馬灯のように駆け巡る脳内。

ガリガリで汚くて、段ボールの中で大きな目を向けていたチャンミンを思うと・・・ほんと、胸が苦しくなります。
今の幸せだって易々と手に入った物じゃないんだもの。

どれだけユノが尽力してチャンミンへの愛情を注いで溢れてもなお注いでやりたいと願ったか、、、

途中、チャンミンが砂を噛むようにして食事を摂っていたのが辛くて読みながら自分の口の中の感覚まで麻痺したみたいな錯覚に陥りました。
辛かったけれど、それだけチャンミンの苦悩に同じように囚われていたんだなって。
書き手として鳥肌が立ったのを覚えています。

あ、これ止め処なく感想を述べそう笑。

公開するつもりで簡潔に纏める筈が駄目ですね、書き慣れてないから(^◇^;)

あとこれだけは公開で言っておきたい!
「自分で名前を与えたキャラは愛着わく」って言ってた通り、それぞれのキャラがはっきりと個性の違いが出ていて素敵でしたね。
台詞を読んだだけで名前が先に出ていなくとも誰だか分かるようになってましたもん。
実在しないのに目に浮かぶから不思議。。。

数々の感動を有り難う御座いました。
ゆっくりと休んで下さいね。

2018/06/06 (Wed) 00:52 | あゆ #- | URL | 編集 | 返信

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2018/06/05 (Tue) 23:23 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/05 (Tue) 23:17 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/05 (Tue) 23:15 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/05 (Tue) 22:28 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/05 (Tue) 22:13 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/05 (Tue) 22:02 | # | | 編集 | 返信

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「東神会新組長の伴侶」は系列を超えて愛されるようになるんじゃない?ユノは落ち着かないだろうけど。(笑)
そしてサン太でしょう?サンタサン太でしょう?そのうちサンタサンタサン太とか出てくる??
さて、えりんぎさん、ほんと楽しませてもらいました。
NISSANにむけて気分も高揚します。どうもありがとう!
そしてお疲れさまでした。

2018/06/05 (Tue) 18:27 | 723621mam #- | URL | 編集 | 返信

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2018/06/05 (Tue) 13:14 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/05 (Tue) 09:17 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/05 (Tue) 07:21 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/05 (Tue) 06:38 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/05 (Tue) 06:34 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/05 (Tue) 06:17 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/05 (Tue) 05:58 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/05 (Tue) 05:51 | # | | 編集 | 返信

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2018/06/05 (Tue) 05:23 | # | | 編集 | 返信

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