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HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

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あなたが笑えば~最愛~夏祭り3


































正面玄関から堂々と訪ねて行けばいいと言われたけれど、屋敷を囲う木々に身を隠しこっそり垣間見る中庭の光景に勝るものはないとチャンミンは思う。



日によって時間はまちまちだが、毎日のように聴こえてくる篠笛の音にチャンミンは吸い寄せられてしまう。
こっそり聴いている自覚はある。
だから大小の木々を縫うように近づき、大きな体を折るようにすぼめて耳をそばだてているのだ。
それが例え周囲にバレバレだとしても。


最初は遠慮がちに遠まきだったのが日を追うごとに大胆になり、今では中庭から丸見えだということをチャンミン本人だけが知らない。
そして変装とは決して言えないバンビのお面が可愛くて、笑ってしまいそうになるのをガンソクとユンソク共に我慢してることも勿論知らない。







チャンミンが笛の音に誘われ遠くから覗いた中庭には最初大勢の人がいた。
屋敷に背を向け月を仰ぎ見て笛を奏でるユンソクを、広く開け放った縁側からガンソクだけでなく多くの目がうっとりと眺めていたのだ。
その中央で誇らしげな笑みをたたえるガンソクが印象的でチャンミンはその姿が可愛くてつい笑ってしまった。
次に覗いたときはなぜかぐんと人数が減り、ガンソクと側近の秘書やボディーガードだけになっていた。
そしてガンソクとユンソクのふたりきりになるのにそう日数はかからず、それはガンソクの独占欲の現れだとチャンミンは思っていて、だからこそ二人の邪魔をするつもりはなかった。



それに、面白いのだ。
縁側で寝そべり、一見素っ気なく聴いてるガンソクだがそれも最初のうちだけ。
そのうち曲だけでなくユンソクの立ち位置までリクエストしだすからチャンミンは苦笑いを浮かべつつ眺める。
そしてリクエストした立ち位置が、斜め後方からユンソクの凛とした立ち姿へ毎夜姿を変える月を被せているのだと気づいたときチャンミンは感嘆のため息が漏れた。


美しいユンソクの姿をどれほどガンソクは自分の記憶にとどめておきたいのだろう。
子供が宝物を見せびらかすように自慢したかと思えば、さっさと鑑賞を禁じて独り占めしたり。


それに日を追うごとに甘く艶を増すユンソクの音色。
それほど会話をしてるようには見えない二人の、これはなにより濃密な会話なのだとチャンミンは二人の秘め事を覗き見してるようで申し訳なくもなるのだ。






けれど、──聴きたいものは聴きたい。


邪魔はしませんから。と心のなかで言い訳をしつつ、こっそり眺めるのは何度目か。



それに今夜は特に濃厚だった。
ユンソクがめずらしく縁側に腰を掛け笛を吹き、その膝にガンソクの頭が当然のようにどっかりとのせられている。
膝枕はチャンミンだって好きだ。
するのもいいし、されるのもいい。
勿論、相手はユンホ限定なのだけれど。
エナが居ようが気にするふうでもなく膝で寝そべるユンホを、チャンミンも自然に受け入れふざけて鼻先をちょんちょんとつついたりしていた。
が、それも今になって大きく後悔してしまう。
本人達が思うよりはたから見る膝枕の恥ずかしさにチャンミンはやっと気づき、勝手に覗き見している立場など忘れて“人前ではやめてください。”などと呟いてしまうのだった。



今夜の濃厚さはそれだけにとどまらない。
ガンソクの手が下から伸び、ユンソクの頬を撫でる。
ああ、邪魔しちゃダメだよ!と言うチャンミンの声が届くはずもなく、ガンソクの手は縦横無尽に動きだした。
ユンソクの耳たぶを捏ねるようにし、柔らかな髪を愛おしそうに梳く。
そのうち後頭部に添えた手がユンソク自身を引き寄せるのに曲終わりまで待つ余裕もないのか、途中で途切れた曲にチャンミンは残念でならないのに。



まるで完成された絵のような、重なりあう二人にチャンミンは息をのむ。
しかし近づいたと思った二人は触れることなく、なぜか二人して視線を同じくチャンミンのいる方向へむけてきた。
ユンソクへ触れていた手が今は前方へ差し出され、くいっと引くから思わずチャンミンは背後を確認してしまう。
誰かが自分の後ろにいるのではと焦ったのだが誰もいない。
それもそのはず、にっこり笑ったユンソクまでちょいちょいと片手を振って、可笑しそうに口にしたのは。



──おいで、バンビちゃん、だった。










「っ、ごめんなさい!」


深々とチャンミンは頭を下げ、ぎゅっと目を閉じた。
僕はバンビちゃんなんかじゃないと知らんぷりできたら良かったのだけど、額にのっかってるのはどう見てもバンビのお面だ。
おずおずと中庭を突っ切り縁側へ向かうチャンミンをガンソクの鋭い眼光が威圧してきて、にっこりと微笑むユンソクの優しい笑顔がなければすぐにでも逃げ出してしまいそうだった。



「…チャンミン。」
「は、はい!」
随分慣れたとは言え、やはりガンソクの高圧的な物言いは身が竦む。
目だけじゃなく両手もぎゅっと握ったチャンミンの肩へふわりと重みが加わり、


「お前は本当に可愛いヤツだ。」
「ぇ、…え?」
「なんだ、このお面は、…高校生にもなって。くっ、面白い男に育ったな、これもユンホの教育か?」
「は、はい?///」
肩を揺らし可笑しそうに笑うガンソクがチャンミンを引き寄せようとするからチャンミンは足を踏ん張りそれに耐えた。
ユンソクがいるのにと心配するチャンミンを今度はユンソクが引き寄せる。
「チャンミンはもう家族同然なんだよ。コソコソせずいつでも聴きにおいで。」
「あ、…はい。ユンソクさん、ありが、──っイテ、」
一度はユンソクへ向き直った体を再びガンソクに引かれ、チャンミンは──ああ、またか、と思う。



どうして旦那さまはいつもこうなんだろう。
普段はさほど関わらないのに、ユンソクを前にすると必ずチャンミンへちょっかいをかけるガンソクがチャンミンは不思議でならない。
今もガンソクの手はバンビのお面を摘まみながらチャンミンの頬へ降りてこようとしている。
それを笑顔で眺めているユンソクは大人だとチャンミンは思う。
もしユンホが自分でない誰かをそれが男でも女でも親しげに撫でたりしたら悲しくてたまらないのに。



「このお面はひとり夏祭りでもやるのか?うちは的屋系じゃないが、知り合いを呼んで屋敷で祭りの雰囲気だけでも味わわせてやろうか。」
「え、…あ、あの、」
自分は本物の夏祭りにユンホと行くから結構です、とチャンミンは断りたいがガンソク相手にそう簡単に断れるものでもない。
それを見てユンソクが「僕は賑やかな人ごみのなかを歩いてみたいな。」とチャンミンを助けるつもりかそれとも本心なのか、独り言のようにつぶやいた。



もうひとつチャンミンが不思議に思うことがある。
ユンソクが一緒のときに限ってチャンミンへちょっかいをかけるガンソクだが、どこかにガンソクだけのスイッチがあるようで今もユンソクの呟きを機にそれのスイッチがオンにかわっていた。
「…ユンソク。お前、夏祭りなんかに行きたいのか?子供の頃に仕事で飽きるほど行ったろ?」
チャンミンを引き寄せた腕はもう無い。
それどころか完全に背を向けられてしまった。
「だからじゃないですか。この歳になっても仕事以外で祭りなんて行ったことないから、…」
「ユンソク、…そうか、…初めてか。」
何が初めてなんだか。
ガンソクは完全にユンソクを祭りに連れていく気なのだとチャンミンは可笑しくなってきた。



結局はそういうことなのだ。
チャンミンへちょっかいをかけるのは小学生が好きな子を苛めるようなもので、少なからず嫉妬するユンソクに満足し、ユンソクが何か漏らせばそれはガンソクにとって最優先事項になってしまうのだ。



「…旦那さま、かわいい、…」
ボソッとチャンミンが呟けばガンソクの肩越しにユンソクと目が合ってしまった。 
ふっと綻んだ口元と伏し目がちに落とした視線。
少し照れくさそうな、それでいて堪らなく幸せそうな。
「──たおやかさん。」
思わず口にしたチャンミンだったが、ユンソクもガンソクさえ意味がわからないといった様子なのを、


「いえ、…来週末に大きな夏祭りがあるんですよ。」


そう満面の笑みで返したチャンミンを大きく悩ませたのは、またしてもロジンだった。









「跡目を継いで1年足らず。まだまだ地盤がゆるく敵も多いなか、夏祭りなどという人ごみへ組長を連れ出すのは危険きわまりない、とは思いませんでしたか?それにその日は本家へ呼ばれています。組長のことを思うならどうすればいいか、…わからない貴方じゃないでしょう?」



わざわざユンホが居ない時間を狙ってやってきたロジンを、どうしてチャンミンは迎え入れてしまったのか。
それを聞いたチャンミンがどうするか、ロジンが容易く予想できる反応を分かっていて、それでもやはりチャンミンにとって何より大切なのはユンホなのだった。












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Comment

point Re: ロジンさん…

ne**さま。

こんにちは。嬉しいですよ~♪
コチラのチャンミンは天然でむちゃ可愛い設定なので、そんな感じでお読みください。
ロジンさんが邪魔してくれないと話が進まないんですよね~(* ̄∇ ̄*)
けど相変わらずの大団円ですので。。。
いつもありがとうございます(〃∇〃)

2018/08/16 (Thu) 18:19 | えりんぎ★★ #- | URL | 編集 | 返信

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2018/08/16 (Thu) 10:05 | # | | 編集 | 返信

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