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HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

あなたが笑えば~最愛~夏祭り4


































「チャンミナ~、行くぞ!」と、エナの離れへやってきたのはハイル。
紺の幾何学模様の浴衣を涼しげに着こなし、隣に立つ大輪の牡丹柄に同じく牡丹の大きな髪飾りをつけたソユンとはとてもお似合いだ。



「あら、ハイル坊っちゃんたらはやいわね。まぁ!なんて可愛いの、ソユンさんてば。ハイル坊っちゃんには勿体無いわぁ。」
「っ、うるせぇよ!」
エナがハイルをからかうのはいつものことで、ハイルも言われ慣れてるからブツクサ言いながら特に気にする様子もない。
普段活発なソユンだが今夜はおしとやかに微笑むだけとは、さすが浴衣効果だとエナは笑ってしまった。



その背後から身支度を整えたチャンミンが廊下を小走りにやってきた。
エナに着付けてもらったチャンミンの浴衣は着る人を選ぶだろう白地に個性的なポイント柄で、それはチャンミンのスタイルの良さを際立たせ、
「チャンミナ、…すっげぇ、いい。似合うよ。」
思わず頬を赤らめたハイルをソユンがつい本気でつねってしまうほどによく似合っていた。
そしてイテッ!と跳ねたハイルなどどうでもいいくらいソユンもチャンミンへ見惚れていた。
普段土まみれで庭をいじってるかジャージ姿で勉強してるところしか知らないから、細身の身体に纏った浴衣姿がそれはしっとりと儚げに映ったのだ。



「チャンミンくん、…素敵、…」
「はは、…ソユンさんの方が素敵ですよ。なんか、…着なれなくて恥ずかしいです。」
そう言って恥ずかしそうにうつ向いたチャンミンをソユンは複雑な表情で眺める。



その姿を、誰よりもユンホへ見せたかったに違いない。
そう思えばソユンの笑顔が少しばかり曇ってしまうのは仕方のないことだった。










そもそもチャンミンはソユンやハイルと一緒に夏祭りへ行く予定ではなかった。 
ユンホと一緒に行くと、それはそれは楽しみにしていたのをエナだけじゃなくソユンも知っている。



高校卒業後、ユンホとの婚姻の話が無くなり家事手伝いとしてアルバイトに励むソユンは、今でも暇があるとエナを頼って屋敷へ顔を出していた。
勿論ハイルとの交際も順調なのだが、母親を早くに亡くしたソユンがエナを母親代わりに懐き、同じ境遇のチャンミンを弟のように可愛がっているという理由の方が大きい。
それは屋敷に来てもハイルの顔を見るより先に、エナやチャンミンを探してハイルを怒らせてることからもよくわかる。




だからこそチャンミンが湯煎したチョコでバナナをコーティングし、カラースプレーでトッピングしたチョコバナナを作っていても呆れずに見守っていたし、たくさん作りすぎたソレを組員へ配るのも手伝ってあげた。
しばらくたこ焼やお好み焼きの夕飯が続いたのも祭りと無関係ではないだろう。
気づけばチャンミンは盆踊りの振り付けだって完璧にしていたのだ。



忙しくなったユンホとソユンが会うことはなかなか無いのだが、それでもエナの家に泊まるつもりの週末はよく会った。
夜中までエナんちでお喋りに興じるチャンミンを必ずユンホは迎えに来るのだ。
にっこり笑って、「いつも仲良くしてくれてありがとな。」と保護者面するユンホにチャンミンは不満げだ。
けれどソユンは思う。
つい最近まで婚約者という関係だったのが嘘のようにユンホにとってソユンは恋人の気の置けない友人であり、ちょっとした嫉妬心を向ける相手でもあるのだ。


「ユンホさん。チャンミンくんにチョコバナナ貰いました?チャンミンくんたらデコチョコペンで名前書いたりして、“ユンホ”もあったでしょう?」
ソユンが言えばユンホの顔色がサッと変わる。
その動揺の意味がソユンにはわからないから、「私、“チャンミン”って書いてあったのを知らずに食べちゃって、チャンミンくんに叱られましたよ~!」
なんて事を可笑しそうに言ってしまい、さらにユンホの顔色を変えることになるのだ。


えへへと苦笑いするチャンミンの手を素早く引いてすぐにでも帰ろうとするユンホの態度がソユンには謎だったし、その後「チョコバナナはもう二度と作らない。」と宣言したチャンミンの顔が真っ赤だったのもよく意味がわからず、それなのにユンホの為だけに実はこっそり作ってるらしいチョコバナナがやっぱりソユンには謎だらけなのだった。









それが夏祭りを数日後に控えたある日、
急にチャンミンが夏祭りへはユンホと一緒に行かないと言い出した。



理由を聞けば学校の特別補習が夕方まであり、その後クラスの数人で夏祭りへ行こうという話になったらしい。
「迷ったけど、…高校最後の夏だし、ユノとはこれから先、いつでも行けるし。だから、…」
そう言われて、それは駄目だとユンホが言うはずもなく。
「そうか、…これまでなかなか友達付き合いをさせてやれなかったからな。行ってくるといい。俺とはまた来年行こうな。」
寂しげではあるが慈愛に満ちた表情でチャンミンを撫でるユンホと、ごめん、と呟きながらその手を受け入れるチャンミン。
それがなぜかチャンミンの方が泣きそうだったなんて、ソユンは思っても言えないでいたのだ。







けれどソユンがそれを見たのは本当に偶然だった。
いつものようにエナを訪ねた帰り道、駐車場で言い合う二人にソユンは見覚えがあった。
若い男が年配の男へ食って掛かっていて、その雰囲気に思わず木の影に隠れてしまったのだ。
年配の男は何度も会ったことのある東神会の若頭で、若い男はその息子のようだった。
“親父”と何度も言い、“チャンミン”や“ユノ”だのよく知った名前が出るからソユンは何事かと聞き耳を立ててしまう。



そして知ってしまった。
チャンミンがユンホとの夏祭りを断った経緯を。
あんな心配症で頭の固いオヤジの言うことなんか聞くこと無いのに、とソユンはもどかしくて堪らない。


けれど、それがチャンミンなのもソユンはよく知っていた。
そして、チャンミンが言い出したらソユンが何を言おうが聞きやしないということも。



後日ソユンはなんとかジノをつかまえることに成功し、何日か前に立ち聞きしてしまったことを伝えた。
チャンミンが頑固に我慢するというのならユンホの方から動いてもらえばいいと思ったのだ。



「ん~、…実はちょっとした揉め事があってさ。ユノが若いからってなめてるのか、相手組がゴネて引かないから本家が出てきちゃって。祭りの当日は相手組の組長とユノが浩道組に呼ばれてるらしいんだ。」



「さすがにそれを断るわけにいかないだろ?」



どうにか縋るソユンへジノはため息混じりで首を振った。
勿論ジノだって行かしてやりたいから組内で公私混同と言われようが父親へ直談判したのだ。
チャンミンを、と言うより、ジノにとってはユンホがそれほど態度に出さなくても内心楽しみにしていたのを知っているから尚更。


「身内のつもりで話したからさ、悪いけど誰にも内緒な。あ~、ハイルとエナさんはいいか。多分チャンミンがクラスメイトと行くってのは嘘だから、よかったらチャンミンを誘って連れてってやってよ。」



勿論そうするつもりです。とソユンはすぐに答えた。
組の揉め事が治まるまでユンホの安全確保にロジンはかなり神経質になってるという。
悪いな、と申し訳なさそうにするジノへソユンもペコリと頭を下げた。
ヤクザの娘なのだからある程度の事情は理解してるつもりで。



チャンミンが最大の弱味だと言われるユンホが無茶をして自分の首を絞めないよう、ジノが何より優先させるのはユンホだということ。
夏祭りなんて毎年必ずやってくるイベントのひとつに過ぎない。



けど、…と。



「子供の頃、花火の音が聞こえるとユノがいつも悲しそうな顔をするんだ。どうしてだろうって、ずっと思ってた。映像で見た花火はとってもキレイで、だから本物をユノと一緒に見たい。ユノに笑ってほしいんだ。」



そう言って微笑むチャンミンが脳裏に浮かび、なんとも言えない胸の痛みをやり過ごすしかないソユンだった。




 








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Comment

point Re: タイトルなし

ず**さま。

コメントありがとうございます!
いえいえ、やっぱりユノでしょう( ̄^ ̄)

ソユンちゃんもハイルもチャンミンの心強い味方。
でも一番はやはりユノですね。
(という方向に私としては書きたい!)

2018/08/18 (Sat) 22:46 | えりんぎ★★ #- | URL | 編集 | 返信

point Re: これこれ❣

チャ*さま。

ずっと見守ってくださってるんですね~♪
そんなふうに言っていただけるのは書き手冥利につきますね。嬉しい!


元々、お互いを想い合う気持ちは一切揺るがず、ぶれない二人。をテーマに書いてまして。
なので試練ばかりアッチコッチから降ってきます。
それをスパイスに、『キュン♪』ですよね~(〃∇〃)

2018/08/18 (Sat) 22:42 | えりんぎ★★ #- | URL | 編集 | 返信

point Re: タイトルなし

yu**さま。

ひゃ~、それは大変失礼しました。
ごめんなさい、、、(。>д<)
それなのに優しいお言葉、ありがとうございます。


アダルトカップル、、、んふふ、色々な呼び名があって楽しい。
ただのエロ親父がどんどん株をあげて一番出世した登場人物じゃないですか?ガンソクさん。


さて、どうなるんだろうなぁ。と想像しながら読んでください。
とは言っても、私の話は“王道中の王道話”らしいので、ま、、、見えてますけどね( ̄∇ ̄*)ゞ

2018/08/18 (Sat) 22:34 | えりんぎ★★ #- | URL | 編集 | 返信

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2018/08/18 (Sat) 20:08 | # | | 編集 | 返信

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2018/08/18 (Sat) 19:15 | # | | 編集 | 返信

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2018/08/18 (Sat) 08:25 | # | | 編集 | 返信

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