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HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

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あなたが笑えば~最愛~夏祭り6

































「スターマインってずっと花火の名前だと思ってたんだよね、僕。」



賑やかな河川敷を歩きながらチャンミンがポツリと呟き、それをソユンはイカ焼き片手に聞いていた。
違うの?と開いた口がべっとり甘辛そうで、おしとやかな浴衣効果も堤防沿いにずらっと立ち並ぶ屋台を前にそう長くは続かず。
「数百発の花火を連続で打ち上げる方法のことをスターマインって言うんだって。昔の手打ちとは違って今はコンピューター制御されてるから複雑な組み合わせの花火を開花させることができるらしいよ。」
「ふ~ん。」
「でさ、花火にも色々な名前があって、」
「チャンミンくん!」
意気揚々と話しはじめたチャンミンをソユンは止め、よほど詳しく調べたらしい花火の話はまた後でね、と誤魔化す。
今は花火のうんちくより目の前の祭りを楽しむことが重要なのだから。



「ね、金魚すくいやろうよ。それとも射的する?」
チャンミンの腕をとり引っ張るように歩けばソユンの視線がふとハイルのそれと絡まる。
ハイルは複雑そうに苦笑いを浮かべていた。
「チャンミナ。花火まではまだ時間もあるし、屋台を回りながらメイン会場まで行こうぜ。」
「あ、うん。太鼓の競演会を見たい。それに山車も出るって。」
軽やかに足を進め、振り向いてにっこりと笑う。
そんなチャンミンが楽しくて仕方ないというように周囲からは見えるに違いない。
けれどハイルやソユンはチャンミンをよく知っていて、だからこそ痛々しく思う。
こういうのを“カラ元気”というのだろうか。
ユンホの名前を一切出さないチャンミンが逆にいじましいと言うのに。




メイン会場が近づくにつれ家族連れや若者のグループなど人通りが増え、これも花火開始を前にピークになる。
迷子にならないでね、とソユンはチャンミンの腕をとった。
「子供じゃないんだからソユンさんはハイル兄と歩きなよ。僕は後ろからついていくから。」
そうは言っても危なっかしいのだから仕方ない。
きっとチャンミンは気づいてないだろうが、パッと目を引く浴衣をタレントばりのイケメンが着こなしているのだ、ソユンが絶え間なく感じる痛いほどの視線が気のせいとは思えない。
そしてその視線が男女問わず誰に向けられているのかも。



聴こえてきた祭囃子にチャンミンはうっとりと聞き惚れ、ユンソクの子供時代に思いをめぐらせる。
ユンソクもきっとたくさんの祭りをまわったに違いない。
そこでふと聞こえた名前。
それはもう一度、しっかりと「シムチャンミン!」と言った。
「え?」
振り向いたチャンミンの視界に入った男は勿論見覚えがある。
「あの、…」
「ユノと一緒じゃないのか?」
「あ、暴れ竜、…さん?」
ただすぐに名前が思い出せずついアダ名で言ってしまったのを、ソン・ジェハンは厳つい見た目とは裏腹に優しげな笑みを見せ、それでいいよ。と笑った。














その頃ユンホは会社で本家からの連絡を待っていた。
何かと理由をつけてはユンホを呼び出す総組長が多少鬱陶しくあってもユンホは嫌じゃない。
さすが数多の組を纏め頂点に立つ男は懐が深く魅力に溢れていたのだ。


今回ユンホの子飼い組が起こした揉め事に異例とも言える本家の口出しは、いかにユンホが総組長のお気に入りかを証明するもので、それが周りの組から面白く思われていないことなど総組長ほどの男が分からないはずがない。
それを承知で上までのぼってこいと総組長は言うのだ。
ユンホは冗談じゃないと思う。
東神会を背負うだけで必死なのにといつも笑い話にしていた。



今回だってたまたまチャンミンの予定が入ったから良かったものの、そうでなければユンホは本家の呼び出しを断るつもりだった。
ちょっとした揉め事で躍起になり引こうとしない組の狙いはユンホへの嫌がらせでしかない。
そんな他愛もない妬みなどユンホは無視するつもりだったのに、ロジンがそうさせてはくれない。
「組長を狙って物騒な動きがあると聞きました。今チャンミンと出掛ければ誰が危険に晒されるか、お分かりでしょう?」
そう言われてしまえばユンホはそれを無視することなどできず、同級生を選んだチャンミンを寂しいと思いながらも快く送り出すしかなかったのだ。





そして、できれば本家での用事が済んだ後、少しでも祭りに顔を出せないかとユンホは思案していた。
花火が終わった最後の最後でいい。
何万と集まる人間のなかからチャンミンを探せるだろうか。
あの祭りの屋台をソン・ジェハンの組が仕切ってると知って頼んだことを実行に移せるだろうか。
あまりの可能性の低さにユンホは口元を歪め小さく笑った。
例え必死に会場へ到着しチャンミンを探しだせたとしても、同級生に囲まれ楽しそうにしているチャンミンへ声を掛けることなど出来そうにないと思ったのだ。



コンコンとノックされ、ユンホが予想した通り入ってきたのはジノだった。
そしてその背後からもうひとり。
「…何してるんですか、貴方は。」
さすがのユンホも目を疑う。
ここは社内でまだ就業時間だと言うのに、社長というのは何をしても許されるというのか。
「見れば分かるだろ。」
「これから会議があるというのに、クールビズにしてもほどがありませんか。」
ユンホの責めるような視線を軽く受け流しゆったりとガンソクが近づいてくる。
衣擦れのシャリ感や独特の艶はかなり上質な本麻を使用しているのだろう。
「悪いが会議は欠席だ。それより重要な案件が入ったからな。」
ユンホの前髪がハラリと風に舞う。
その風の元はガンソクの手にあるうちわで、足元はもちろん下駄だ。
「だから、…会議を欠席して浴衣なんて着てる意味を、っ!」
「お前は大馬鹿か。夏祭りへ行く以外に浴衣を着る意味があるか?」
「は?」
「ああ、でもこの格好で毎晩涼むのもいいな。ユンソクの笛の音が一層引き立つとは思わないか?」
「はぁ?」
ユンホは心底呆れてものが言えない。
仕事第一の男が企業人として生きる為、予定より早く組の跡目を息子へ譲った、というのはただの建て前だったらしい。
そうとしか思えない最近のガンソクの行動にユンホは振り回されっぱなしなのだ。



「都市計画参入のため不動産開発部門を独立させ、そこを任せてほしいとお願いしたはずですが。」
「今はそんな話をしにきたんじゃない。難しい顔をするな。」
キッとユンホを睨むガンソクだが、浴衣にうちわでは迫力に欠ける。
「まぁ、いずれ会社はお前のものになるのだ。敢えて別会社にする必要はないだろう。」
この話は終わりとばかりにガンソクがうちわでユンホを扇ぐから、更にユンホの頭に血がのぼりそうだ。
自分がチャンミンと行けずにいる夏祭りにのほほんと行くつもりのガンソクだから尚更かもしれない。




「ああ、そう言えば、お前にイチャモンつけている組の親父だが、そう悪い男じゃない。虎の威を借る狐が嫌いなんだよ。」
揉め事にまったく興味を示さなかったガンソクが突然言い出したことにユンホは驚き、それは俺のことですかと尋ねる。
「ふ、お前以外に誰がいる?」
そう嫌味くさく挑発するガンソクをユンホは先程までとうってかわり至極冷静に見つめた。



「…それは、俺の好きに動いていいということですか。」



組を譲り受けてから1年。
公には隠退したガンソクだったがその影響力は絶大なまま、ユンホは常にガンソクを意識して動いてきたのだ。


「ああ、勝手にやれ。お前の組だろう。」


それならば、総組長へ敬意を示すのと本家へ借りを作るのは別の話だ、とユンホは思う。
すぐにユンホは立ち上がり、部屋の隅で様子を窺っていたジノへ合図を送る。
ゆっくりはしてられない。


待ったをかけたのはガンソクだった。
チャンミンの名前が出なければユンホはそれを無視したかもしれない。
「心配性の若頭が余計なことを言ったせいでチャンミンもツライ嘘をつく羽目になった。バンビが楽しくなければ俺も夢見が悪い。頼んだぞ?」



それを聞いてユンホはすべてを理解した。
なぜあれほど煮え切らない態度だったのか、
結局祭りへ行けない自分へ申し訳なさと同情でああだったのかと。
ユンホはそう思った自分を殴りたいほど恨めしく思う。




それを静めるようにユンホはゆっくりと目を閉じ、一度だけ大きく息を吸い、そして吐いた。



誰より心配かけたくない人の笑顔を守りたい。
無謀でなく冷静沈着に。
けれどチャンスを逃さず、大胆に。




そう自らへ言い聞かせ、ユンホは部屋を出ていった。

















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Comment

point Re: タイトルなし

ne**さま。

こんばんは。
え~!
どこをとって気を悪くしたと思われました?
まさかの早い更新?←あ、今回は1日おきの更新なんです。もう完結まで書いちゃってますから。
チケット?←私も取れない、同類です。諦めずに前日の《機材開放席》を狙いましょう!

なんだか気を使わせちゃいました?
大丈夫ですよ。
辛口コメントでもウェルカムです♪
いつもありがとうございます(〃∇〃)

2018/08/22 (Wed) 22:40 | えりんぎ★★ #- | URL | 編集 | 返信

point Re: タイトルなし

yu**さま。

こんばんは。
ユノはひとつ片付けものをしてから祭りへGO!です。
へぇ、そういうものなのね。と緩く読んでやってください。
ガンソクさんがどんどん可愛いオジサンになっていって私もビックリですが、『えりんぎ話に悪人なし』らしいですよぅ~( ̄∇ ̄*)ゞ
いつもコメントありがとうございます!

2018/08/22 (Wed) 22:34 | えりんぎ★★ #- | URL | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/08/22 (Wed) 14:37 | # | | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

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2018/08/22 (Wed) 07:09 | # | | 編集 | 返信

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