FC2ブログ

HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

あなたが笑えば~最愛~夏祭り9



































「っうう、…」
「…泣くなよ、チャンミン。」
「う、…な、泣いてない!」
よしよしとユンホの手がチャンミンの頭を撫で、そんな子供扱いチャンミンは恥ずかしくてぶんぶんと頭を振る。
隣ではハイルが、「ユノ兄が大遅刻してチャンミンを泣かせた~!」なんてふざけてソユンに脇腹をつねられていた。
チャンミンはなぜユンホがこの場に現れたのかわからない。
大切な仕事があったはずなのにと思うけれど、でも今は祭りの浮かれた気分に紛れて何もかも忘れたかった。
願い続けたユンホとの時間が少しでも持てるのなら、後からロジンにいくら叱られたって構わないと思う。




隣に座ったユンホが満足そうに夜空を見上げ、チャンミンは慌てて起き上がり少しの隙間さえ許さないくらいに並んだ。
フィナーレに向かって競うように咲き乱れる花火が華やかに夜空を彩り、ユンホの横顔を濃淡に浮き上がらせていく。



キレイ、…と思わず呟いたチャンミンへ、ああ、綺麗だなとユンホが頷く。
けれどチャンミンの視線はユンホの横顔しか映さず、ドンと弾けパラパラおちる音とユンホを照らす色味を持った光だけがチャンミンの花火になってしまう。



「お~い、チャンミナ、どこ見てんだ?飲んでないのに酔ったか?」とからかうハイルの声が聞こえるが、ユンホもチャンミンも何もこたえない。
幼い頃、ぎこちなく存在を避けてきた花火をやっと一緒に見ることができた。
同じ想いを胸に、二人の隙間なく重ねた腕とそのもっと先。
シートに置いた指をどちらからともなく絡め、その温かさに酔うのだ。









数ヵ所から一斉にあがった花火はダイナミックで、華々しく咲いては散っていく。
ようやく頭上を見上げたチャンミンはその鮮やかさに目を見開き、一呼吸おいてラストを飾った“しだれ柳”に感嘆のため息を漏らさずにはいられない。
金色の穂がゆっくりと尾を引き降り注ぐ。
キラキラと輝く枝に夜の闇が包まれて、その美しさにチャンミンは泣いてしまいそうだった。
ユンホのぬくもりがあるから、それは尚更。



「ユノ、…」
胸がいっぱいといった表情のチャンミンが目に涙まで溜めてユンホを見つめるからユンホは本当に堪らない気持ちになる。
もしガンソクが浴衣姿で現れなかったら、おそらく予定通り今頃は本家で手打ちの場に居たことだろう。
そうしたらこんなチャンミンを見ることも叶わず、花火は寂しい思い出にしかならなかった。
ガンソクへ感謝するのはシャクだが今回に限っては礼を言うしかない、と仕方なく認めたところでガンソク本人が歩いてくるではないか。
それもなんとも幸せそうに緩んだ様相で。




「どうにか間に合ったようだな。」
ユンホを見つけ得意気に近づいてくるガンソクへユンホはなかなか素直に言葉がでない。
会社で見た本麻の浴衣はどうやらユンソクと色違いらしい。
親子して同じようなことをと思えばどうにも恥ずかしくなってしまったのだ。
「はい、…その節は、」
そう言いかけたユンホを、「その節とはどの節だ?」と言って声に出して笑うガンソクはすこぶる機嫌が良いらしい。
そこへ慎ましくガンソクより下がって立つものの、どうしたって艶やかな色気で目立ってしまうユンソクがそれを諫めるように前に出た。


「ユノさんにもお礼を言います。チャンミンのおかげでキッカケができ、こうして祭りを楽しむことができました。劇団の頃は楽しませるばかりで、自分が楽しむなんて余裕なかった。のんびりと太鼓や笛の演奏を聴いて風を感じながら歩くのがこれほど心地良いとは思いませんでした。ありがとうございます。」
「いえ、…俺はなにも、」
そう言いかけてユンホはズンと突然重くなった空気に言葉をのみこむ。
その空気の発信源はユンソクの隣、さっきまでめずらしく豪快に笑っていたガンソクだった。


「ユンホ、お前が礼を言われるようなことをしたか?子組の小競り合いを嗜めることも出来ず、早々に首を突っ込んできた総組長にへつらう腰巾着だと噂されただけだろう?」
先ほどまでとは声のトーンがまるで違う。
ピリリと二人の間に緊張がはしり、ユンホもそこまで言われては笑ってなどいられない。
「総組長へ媚を売った覚えなどありませんが?」
「そうか?東神会の若き組長は自分の組をそこそこに浩道組にまで色気を出しているともっぱらの噂だぞ。」
そんなつもりは毛頭ない。
この一年、ユンホがどれほど組の為に奔走していたか。
知ってる筈のガンソクの言い草に自然とユンホの手に力が入った。
「っ、社長!」
触れれば切れそうなほど張りつめた空気を断ち切るように割って入ったのはユンソクだった。



途端に周りの喧騒が騒がしく響く。
花火が終わり帰路につく人々の群れや屋台へ向かう団体。
それが視界に入らないほど緊迫した空気だったのか。
それが今、ガンソクを睨むように向かい合うユンソクによって緊張の糸が一瞬で緩んだ。
「社長、貴方って人は。ついさっきまでユノさんの事を褒めていたじゃないですか。」
ムッと分かりやすいくらいにガンソクは顔を歪めるものの、「でしょう?」とユンソクに背中を撫でられる度それは面白いほど緩やかにほぐれていく。


「ユンソク、お前が悪い。…お前が、あんな風に言うから、…」
ガンソクのその言い方が只々子供のようでユンホは開いた口が塞がらず、隣でチャンミンは嬉しそうに笑っていた。
「社長、…僕が誰より感謝してるのは勿論貴方に決まってるじゃないですか。」
「っ、それを先に言え!」



あー、…とユンホの声が鼻から抜けた。
これが本当に“冷酷非道”と恐れられた父なのだろうか。
呆れて物も言えないユンホだが、幸せそうに微笑むチャンミンを見てユンホも自然に笑みがこぼれる。
結局似た者親子だということを、おそらく当人達だけが気づかないでいるのだ。















にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

Comment

point Re: タイトルなし

ne**さま

おはようございます。
コメントを読んで真っ先に頭のなかを流れたのが中島みゆきさんの『時代』でした(^-^;(歳がバレる?)

そっか、浴衣じゃ踊れない。
裾をたくしあげてみたら?とか考えたらどんどん祭りの大太鼓風景になってしまい、ハッピもいいかもねーという結論に達しました。(色気はないけど)

2018/08/29 (Wed) 06:52 | えりんぎ★★ #- | URL | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/08/28 (Tue) 20:43 | # | | 編集 | 返信

Post Comment

(設定しておくと後でPC版から編集できます)
非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。