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HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

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あなたが笑えば~最愛~夏祭り10


































ユンソクの手は魔法の手なのだろうか、とチャンミンは思う。
それほど先ほどまでの険しい顔つきが柔らかく緩んだガンソクが可笑しくてならない。
「ね、社長。ユノさんを褒めてましたよね?」
そう言いながらユンソクの手がガンソクの背中を上下し、その度ガンソクは決まり悪そうに苦笑いしつつ仕方なくと言ったふうに話しだした。


「べ、べつに褒めたわけじゃない。護衛をまいたつもりだろうが行き先などわかりきっていたしな。ただ今回の件で直接話をつけるだけだと思っていたが、まさか7対3の兄弟盃まで結んでくるとは予想外だった。」
ユンホは一瞬目を丸くし、さすが耳が早いとため息混じりにつぶやく。
たった数時間前のできごとを既に事細かに知ってるのだ。
隠退したのだから首を突っ込むなと言ってやりたいユンホだが、今回に限ってはガンソクへ刃向かえそうにない。


「向こうの組長からすぐ連絡があって、若いのを数人行儀見習いで置いてほしいとよ。」
「は?」
「ほんの少し接しただけのお前を崇拝してるらしい。つくづくお前は一癖ある親父と悪ガキに好かれる男だ。」
ふっとガンソクは笑い、ユンホも困ったように笑った。
誰のことを言ってるのか数人の顔が浮かんでは消える。
「その筆頭はロジンだがな。」
そう言ったガンソクへユンホはさも心外だと言わんばかりに肩を竦めた。
組を思っての事だと分かっているが、それにしてもロジンのやり方は時にユンホの急所をえぐり取るのだ。
それにチャンミンを巻き込むのは許さないと以前言ったはずが今回のコレだ。



「若頭が俺を好きだとは思えません。それにチャンミンを組の揉め事で悩ませるとは今回ばかりはさすがに許せない。」
真顔で言ったユンホへガンソクは笑みを浮かべたまま。
けれどユンホは真剣に怒っていた。
チャンミンを悲しませる存在は何があろうと許せないのだ。
静かな怒りがやがて全身総毛立つような怒りを纏いユンホの雰囲気が変わった。
それは道行く人々が振り返るほどで、少し離れて様子を窺っていたハイルまでが焦って間に立とうと踏み出したその時。



くいくいとユンホの袂が引かれた。 
見るまでもなくそれはチャンミンで、くりっと開いた眸がキラキラと輝いている。
「…チャンミナ?」
自分とはあまりに違う雰囲気にユンホの口元が戸惑いに歪む。
チャンミナ、お前は怒ってないのか?と言葉なくユンホは問うけれど、チャンミンはただ幸せそうに微笑むだけ。


「ねぇ、ユノは僕が好き?」
そう聞いてきたチャンミンへ何を急にとユンホは驚くが、穴が空くほど凝視してくるチャンミンを無下にも出来ず微妙な面持ちで頷くしかない。
「僕もユノが好き。」
「あ、…ああ。」
先ほどまで全身で怒りを露にしていたユンホの告白大会は恥ずかしいとしか言いようがなく、ロジンへの怒りをうやむやにするつもりは無いが当のチャンミンがこれでは調子が狂ってしまうのだ。
「僕はいつもユノしか見えてないし、ユノだって同じでしょう?だから義父さまは“好き”に隠れた落とし穴を自分が悪者になってでも教えてくれてるんだと思う。いつかジノ兄さんがDVDを僕へ見せたのだって本当はツラかったんじゃないかって今は思うんだ。」
「は?DVD?」
「そう。でも今は感謝してるでしょ。」
満面の笑みで言い切るチャンミンへ、確かに感謝してるとはなかなかユンホは言えない。
周りにはガンソクがいて、ユンソクやハイル、ソユンだっている。
DVDの単語に反応して意地悪く口角をあげたガンソクはすべてを知ってそうで、今ここでその話は勘弁してくれとユンホは頭が痛い。
それなのにチャンミンの笑みは深くなるばかりで、
「だからお願い。怒らないで、ユノ。コレ、ご褒美にあげるから。」
そう言って差し出された物をユンホは呆気にとられ見つめた。



それは棒っきれの先でテカテカと光る鯉の飴細工で、飴?と聞いたユンホへ、「サン太だよ!」とチャンミンはさも得意げに声をあげる。
よく見れば鯉を形どった飴のてっぺんに紅色のイビツな斑点がある。
これをチャンミンが要求したのだと思えば何だかユンホも可笑しくなってきて、くくっと肩が揺れた。
隣ではソユンやハイルまで笑いだし、チャンミンだけがどうして笑われるのか理解できないといった様子なのもさらに笑いを煽る一因になるのだった。



「チャンミンはユンホの起爆剤だとロジンは言うが、鎮静剤としても使えるということか。」
その様子を遠巻きに見ていたガンソクがポツリとつぶやき、つくづく面白い二人だと思う。
初めてチャンミンと会った日、ユンホの影に隠れ必死にシャツの裾をつかむ小さな手はユンホ無しでは生きていけないほど儚く弱々しかったのに。
今ではユンホのメンタルを大きく左右する存在になり、その手はユンホを包みこむほど大きくなった。
感慨深く眺めるガンソクの腕にふと腕が絡まり、振り返ればそれは何か言いたげに微笑むユンソクで、
「ん、どうした?」
そう返すガンソクの眼差しが以前では考えられないほど優しく愛情深いのをガンソク自身気づいてるだろうか。
「…そろそろ、帰りませんか?」
遠慮がちにつぶやくユンソクの腕をとり、ガンソクは肩を抱き寄せる。
「他人のを聴いてたら自分でも笛を吹きたくなったか?」と可笑しそうに。
その笑顔すらこれまで誰にも与えられることのなかったユンソクだけのものとは、ユンソクもガンソクでさえきっと気づかないだろう。


長年反発しあい無関心を装ってもやはりガユソクとユンホは親子であり似た者同士だと、それを知り巧く転がしているのが結局のところロジンなのだ。











「遅いぞ、ユノ。そろそろ店じまいするところだ。」
ガンソクやハイル達と別れユンホがチャンミンを連れて行ったのは屋台のはずれにある射的の店だった。
「あれ?ジェハンさん。」
さっきまでメイン会場近くの店にいたはずのジェハンが待ち構えるように立っていて、不思議そうにするチャンミンの隣でユンホは予定通りといった様子だ。
「ああ、悪い。まだ遊べるか?」
そう言ったユンホは断られる選択などないように店の前に立ち既に空気銃を手にしている。
「ユノ?」
「チャンミン、ほら、やってみな。」
スッと渡された銃は思いのほか重く、チャンミンはその手応えを腕に抱きつつ、一度もやったこと無くやってみたいと思ったこともない射的の銃を眺めた。
「あの、…僕のモットーは“安全”なので、こんな物騒なものよりアッチの輪投げがいいな。」
あっさり言って銃を返そうと伸ばした腕がぐっと勢いよく戻される。
それはユンホだった。
ここ最近見ないくらいに焦るユンホへチャンミンの方が焦ってしまう。
「わかった、輪投げもしような。けど射的も楽しいぞ。ほら、撃ってみろよ。」
どうしてそれほど射的にこだわるのか。
大好きな人が安全とは言えない世界にいて、それは銃なんて物騒なものと無縁とは言えない世界で。
だからチャンミンは嫌なのだ。
遊びと言えど、銃なんて見たくないし触りたくもない。




「イヤだ。」
「嫌じゃないだろ?お前、怒るとすぐ輪ゴム鉄砲を撃ってくるじゃないか。」
「輪ゴムは銃じゃないもん。」
「子供の頃、いつも水鉄砲を風呂場へ持ち込んでたのは誰だよ。」
「っ、もう!」
しつこい!とチャンミンは銃をぐいぐいユンホへ押しやるがユンホも同じように押し返してくる。
めずらしくお互いが引かず、せっかく花火で高揚した雰囲気がぶち壊しじゃないかとチャンミンが悲しくなったところに豪快な笑い声が響いた。



「ぷ、…っくく、東神会の組長もチャンミンにかかっては形無しだ。ユノのそんな必死な表情、なかなか見れるものじゃない。面白いものを見せてもらったお礼にチャンミン好みの的を用意しよう。」
本来無愛想な男がチャンミン相手だとよく笑う。
そう周りの舎弟が驚くほど今夜のジェハンはよく笑っていた。
「ジェハンさん。申し訳ないけど、僕、銃で撃つのは苦手です。」
「まあまあ。銃で撃つと思うから物騒なんだよ。遠くから餌をやると思って撃ってみな。」
「…餌?」
不思議そうにするチャンミンをよそにジェハンは屋台の奥へ入っていく。そして三段になった雛壇の上段中央へ取り出した大きめの的を置いた。



「…コレ、…」
「くれぐれも銃で撃つと思うなよ。コルクの弾を餌に見立ててうまく口へ入れてやるんだ。どうだ?余程好きなんだと思って急いで作ってみたが上手いだろ?」
「は、はい、」
「勿論他の的を狙ってもいい。見てわかる景品もあれば、箱のなかに景品番号の入ったお楽しみのものもある。コレだけはソン・ジェハン特製のチャンミンスペシャルだがな。」
そこまで言われてはチャンミンも意地を通して断ることなどできず、どう見ても“サン太”のつもりだろう口をパックリ開いた鯉の絵が描かれた箱を見つめた。


「あの、…じゃあ、一回だけ、」
そう言ってチャンミンはチラッとユンホを見やる。
思いがけず出てきた“サン太”の的を凝視し、どう見ても面白くないという表情のユンホだが仕方ない。
たどたどしく銃を構えたチャンミンを言葉少なにユンホは助け狙いを定める。
「ほら、もっと身を乗り出して。しっかり狙ってレバーを引けよ。」
パンと撃った最初のコルク弾が明後日の方向へ飛んでいきジェハンが声に出して笑った。
そうなると元来負けず嫌いのチャンミンに火がつき、ユンホを押し退け夢中で的を撃ち抜くことに没頭してしまう。
結局一回五弾のはずが何度か追加を要求し、最初は機嫌悪そうにしていたユンホだがそのうち真剣にチャンミンを応援し、チャンミンもそれにこたえた。




「っ、や、やったぁー!」
そして何発目か数えるのも忘れた頃、チャンミンの放ったコルク弾が“サン太”の口にヒットし、勢いよく箱が落ちていく。
周りの屋台は既に撤去作業をしていて、輪投げは出来そうにない。
気づけば的屋の男達に周りを囲まれ、その中心で飛び跳ね盛大に喜ぶチャンミンへ全員がほっと安堵の拍手を送った。
ジェハンの知り合いが的を落とさない限り自分達の仕事も終わりそうにないのだ。




「おめでとう。ほら、チャンミン。」
そう言ってジェハンから渡された“サン太”の箱。
箱の大きさの割に振ればカタカタと小物が音を鳴らす。
「ありがとうございます。中を見ても?」
「ああ、勿論。」
にっこり笑ったジェハンに向き合って箱を開けたのがいけなかった。
チャンミンの背後にユンホがいて、何か言いたげに手をあげたがチャンミンがそれに気づくはずもなく。




「え、…」
思いがけず手描きの段ボール箱から出てきたのは高級そうな小箱で、そっと蓋を開けてみれば鈍く光るリングが二つ。
大きさがほぼ同じの指輪は所謂男女のペアとは違い、贈られる人を限定したものだとチャンミンは気づいた。
「これ、…」
よく考えれば誰が誰に贈ったものか分かりそうなものを、目の前でジェハンが満足そうに笑うからついチャンミンは言ってしまったのだ。


「あの、これ、ジェハンさんが僕に?」
ぽっと頬を染めたのは単に暑かったのだとしても、ユンホがそれを横から奪い取る理由付けには充分だった。
「あ、ユノ!」
「っ、やり直しだ。」
「え?な、なんの?」
意味が分からずオロオロするチャンミンの腕をユンホは引き、帰るぞと問答無用に引っ張っていく。
さっきまでチャンミンの手にあった小箱は既にユンホがどこかへ隠してしまった。
呆気にとられ動かないジェハンへお礼を言わなくてはとチャンミンは焦るが、ユンホの馬鹿力にとどまることもできない。



そのうちジェハンが大声で笑いだした。
可笑しくてたまらないという笑い。
「ユノ!お前、本当は可愛い男なんだな。今夜は楽しませてもらった。また何でも言ってこいよ。」
そう言ったジェハンへ、
「もう頼まねぇよ!」と吐き捨てたユンホが心底悔しそうで、その時になってやっとチャンミンはペアリングの贈り主に気づいたのだった。




















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Comment

point Re: タイトルなし

た*さま。

はじめまして。
お褒めいただき光栄です(〃∇〃)

繊細、というより、
頭のなかで動く二人をどうにか文字におこしたい、とそればかりです。
壮大なストーリーやドキドキの展開などはありませんが、切り取った二人の日常を楽しんでいただけたら嬉しいです。


書いていて自分が幸せになる話。をマイペースに書いてます。
いつも読んでくださってありがとうございます。

2018/08/31 (Fri) 18:18 | えりんぎ★★ #- | URL | 編集 | 返信

point Re: タイトルなし

ne**さま。

笑っていただけて嬉しいです♪
まさに、あの『安全』のつもりで書きましたから。
キメる時はキメるユノが空回りしちゃうのが好きです。
可愛いなぁ、って笑いながら書いちゃいました。

2018/08/31 (Fri) 18:10 | えりんぎ★★ #- | URL | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/08/31 (Fri) 00:52 | # | | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

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2018/08/30 (Thu) 21:05 | # | | 編集 | 返信

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