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HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

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あなたが笑えば~最愛~夏祭り11






  



























夜が更けても賑やかな堤防沿いを横目に、ユンホはあらかじめ呼んでおいた車へチャンミンを乗せた。
駅や駐車場へ向かう人の群れが歩道から溢れ、渋滞を抜けるには時間がかかりそうだ。
空調の効いた車内でユンホは深くシートへ凭れ、今さらのように今日一日の忙しさを身体の重みに感じていた。
結果的に暴力沙汰は避けられたが、それも覚悟の上で相手事務所に乗り込んだユンホにとってどれほどそれは神経をすり減らしたか。


油断したら意識を飛ばしそうなほど疲れていたのは事実だが、今はなんと言っても隣にチャンミンがいる。
それだけで心だけじゃなく身体まで軽くなるから不思議だとユンホは思う。
例え生まれて初めて計画したサプライズなるものが失敗に終わったとしてもだ。




「チャンミナ?」
もうずっと黙ったままのチャンミンへユンホは声を掛ける。
ユンホの勝手にやったことが失敗したからといってチャンミンに罪はなく、多少強引に連れ帰ってしまったのをユンホは気にしていた。
窓の外を眺めるチャンミンから返事はない。
怒ったのだろうか、と、もう一度チャンミンを呼ぶユンホへこたえずチャンミンは荷物を探りだした。



「お前、…どうした?」
そこまで怒ることかと思わず身を乗り出すようにしてユンホはチャンミンを覗きこむ。いや、チャンミンではなく、身長のわりに小さな顔へピッタリと収まったバンビのお面を。
「チャンミン?」
「ぼ、僕はチャンミンなんかじゃありません。バンビです。」
「は?」
「だから僕のことは気にせず屋敷に到着するまでユノはゆっくり休んでください。」
お面の中でモゴモゴ言うから聞き取りにくい。
そのうえ棒読みのセリフはみょうによそよそしく、ユンホは今夜のサプライズが予想に反して大失敗だったと認めるしかなかった。
「顔も見たくないほど、嫌だった?」
「何をでしょう?」
ジノに内緒で慣れないジュエリーショップへ通うのは苦労した。
普段アクセサリーを身につけないチャンミンの指のサイズなどわかる筈もなく、深く寝入ったチャンミンの指を真夜中にこっそり拝借し測るのはユンホにとってとてつもなく恥ずかしい作業だったのに。



「もういいからユノは少し休んで!」
ぶっきらぼうに言い放つチャンミンへさすがのユンホもイラッとする。
祭りに乗じて渡そうと思ったのは、もうずっと夏祭りを楽しみにしていたチャンミンへ忘れられない思い出を祭りの思い出と共に贈りたかった。
そして桜のしおりやチャンミンの胸に刻んだ刺青や、何かと形にしたがるチャンミンへユンホも形あるものを贈りたかったのだ。
それがどうだろう。
せっかく特注したヌバックレザーのケースがジェハン手描きのサン太に負けたようで悔しい。
それにケースを開けた瞬間のチャンミンのキラキラと輝く眸は自分のものでなくてはならない。
それがなぜジェハンなんかへ向けられてしまったのか。



考えれば考えるほどタイミングの悪さにユンホの苛立ちが募る。
おまけにチャンミンの意味不明の行動にユンホの鬱積はピークに達し、「わかった。勝手にしろ。」とふて寝をきめこむことになるのだった。











隣からスゥスゥと規則的な寝息が聞こえてくる。
どうやらユンホは本当に寝てしまったらしい。


チャンミンは、ああ、暑い、と言いながらお面を外し、チラチラとバックミラー越しに視線を寄越してくる運転手へ照れ笑いで返した。
「あんまり可愛いんで、つい。」と慌てて視線を外した運転手はいつもバイト帰りに迎えにくる馴染みの男で、チャンミンは「恥ずかしい姿を見せちゃって、」とペコリ頭を下げる。
そうしてやっと流れはじめた車のテールランプを眺め、もう我慢できないというように顔をくしゃくしゃにし盛大にでれはじめたのだ。
くぅ~っ!と肩を竦め、片手で一応隠してみるものの緩みきった口元は運転手にまで丸見えだろう。
急に真っ赤になって両手で扇いでみたり、痛いっ!と言いつつ頬をつねる様子はさながらどこか喜劇の一人芝居のようだ。




「あの、…大丈夫ですか?」
思わずそう尋ねてしまった運転手へも、
「あ、はい。ユノが疲れてそうだったので、」とチグハグな返答しかできない。


確かにそれは間違いではなく、疲れの見えたユンホを休ませてやりたかったのは本当だ。
けれどユンホのいないところでこの猛烈な喜びを噛みしめたかった、というのが実のところ正直な話なのだ。


「はぁぁぁ、…」
軽やかに跳ねるようなため息は甘く、その後の一人笑いは気味が悪いほど。
けれど止められないのだからしょうがない。


幼い頃から欲しいと言えば大抵のものは与えてくれたユンホだったが、それは本当に必要なもので、チャンミンは滅多におねだりするような子供じゃなかった。
2年ほど前に突然洋服を買おうと出掛けたことがあり、それが初めてのプレゼントらしいものだったかもしれない。
けれどそれも迷うチャンミンを尻目にさっさとユンホが何着か買ってしまい揉めた買い物でもあった。



「…ゆびわ、…だって///」
ポツリとつぶやき、自分の言ったセリフにパニクるように頭をかきむしる。
心臓がバクバクと音をたて、出来れば今すぐ窓を開けて叫びたいほどの喜びをチャンミンは何とか我慢していた。
こんな姿をユンホへは見せられないと思うチャンミンだが運転席の男はいいらしい。
運転手も何か察したのか、見て見ぬふりに徹してくれるようだ。




それにしても、…と、チャンミンは思う。
ペアのリングだというのは見えたが、一瞬すぎて細かなデザインや模様はわからなかった。
シンプルだった、…ような。
ということは、内側に何か文字でも彫ってあるのだろうか。
アルファベットでエルとかオーとか、ブイやイーだったらどうしよう、嬉しすぎる。
一旦そう思えばそうとして思えなくて、チャンミンの頭は沸騰しそうに熱く、真っ暗な車窓に映った顔は誰にも見せられないほど浮かれていた。
そしてふと実物を見たい気持ちが溢れてくる。
ユンホがどこかへ隠し持ったソレを、どうしても今すぐ見たい。




チラッと隣で寝入るユンホを盗み見た。
黒地の浴衣がすっきりと涼しげな容姿のユンホによく似合っている。
キツくなりそうな印象をユンホの色白な肌と滑らかに美しく整ったパーツが上品なものにしていた。


細面の繊細さとは裏腹に組んだ両腕は逞しく男らしい。
余程深い眠りにあるのかチャンミンがどれ程ジタバタしようがピクリとも動かず、時おりライトの明かりが照らす横顔の美しさにチャンミンはつい見惚れてしまった。
「はぁ~、…カッコいい、…」などと大きすぎる独り言に返事をすべきかどうか運転手が困ってるとも知らずに。



しかも驚くことにユンホは浴衣の下に肌着を身に付けていなかった。 
当然チャンミンが用意してもらった浴衣一式にはそれ用の肌着もセットされていたのに。
ユンホの裸なんて見慣れてるはずのチャンミンだけど、どうしてだろう、わずかに緩んだ合わせの隙間からチャンミンは目が離せない。
鎖骨のくぼみから引き締まった胸筋へ視線を滑らせ、やましい気持ちでいっばいなのにドキドキと高鳴る鼓動をどうすればいいのか。


そしてふと見つけてしまった。
合わせの奥、懐へしまいこんだヌバックレザーの小さなケースを。


「うう、…」
気づかれず取れるだろうかとチャンミンは迷う。
迷うけれど見たくて堪らないのだから取らないという選択肢は無く。
「…起きませんように、」
両手を合わせユンホへ向かって拝んでしまうほど、どうしても欲しいのだ。



スッと伸ばした指がユンホの浴衣へ触れる。
合わせの隙間をぬって侵入する指がスリのようでチャンミンは一旦指を抜いた。
虐待され捨てられたも同然の自分をここまで育ててくれた人へこの仕打ちはあんまりだろうか。
そうは思うも、やはり見たい。
よくよく考えれば、アレは一度自分が手に入れた景品じゃないか。
それを返してもらって何が悪い、と開き直るも、無防備に寝てる人間から奪うなんて、とも思う。



それにいつどこでも無防備なユンホではなく、
それは、自分だから。
隣にいるのがチャンミンだからぐっすり寝てるのだと思えば、それを裏切るようなことはできず。


「…助けて、…ユノ、…」


もうどうしようもなくて思わず口にしたセリフはこの状況に相応しくないだろう。


「っ、あ、」


けれどそれに応えるようにユンホの腕がチャンミンを抱きよせ、胸にとじこめたのだ。
驚いたのはチャンミンだが、ぎゅっと抱きしめられればいつもの癖で自然と両腕がユンホの背中へまわる。
「俺に隠れて喜ぶなんて技、いつの間に覚えたんだ?」
寝起きとは思えないユンホのハッキリとした口調にチャンミンはみるみる真っ赤になった。
「っ、いつから、…っ、」
「だってお前ジタバタうるさい。窓に映るにへら顔を盗み見しても笑わないよう苦労したんだぞ。」
そんな苦労しなくていい!とチャンミンは恥ずかしさでいっぱいだが、ユンホは嬉しさでいっぱいといった表情だ。
ユンホの普段クールで落ち着いた佇まいはチャンミンを前にして意味を為さない。
チャンミンが何をしても何を言っても可愛くて堪らないのだから。






「…そんなにコレが気になった?」
ユンホの手にはヌバックレザーの小箱。
「うん。だって僕のだし。」
それはチャンミンが苦労して撃ち落とした景品でもある。
だから頂戴とチャンミンの伸ばした手が空を切り、ユンホは意地悪っぽく口角をあげた。



今すぐ渡してチャンミンの喜ぶ顔が見たいという欲求は勿論あるが、すぐにそうさせない理由がユンホにはあった。
案外可愛い男だと茶化した男こそ普段の無口な無骨さからは想像できないほどの様子だったのだ。
よく笑いよく喋った。
それにあの下手くそな絵、お前がサン太を語るなとユンホは言いたい。



「ユノ?意地悪しないで!」


なんてことはない、結局つまらない嫉妬心がユンホを少しばかり意地悪にしていた。


「…久しぶりに人間コマ回しをしてみるか?」


──なんてことを言ってしまうくらいには。















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Comment

point Re: タイトルなし

yu**さま。

こんばんは。
ね!半分合ってましたよね?

どうしてユノはあんな面倒くさいサプライズを仕掛けてしまったのか。
きっとユノには普通に渡すよりも何倍も喜ぶチャンミンの様子が見えたのでしょう。(失敗に終わりましたが)
コマ回し、、、もどきはもう少しお待ちを( ̄▽ ̄;)

2018/09/02 (Sun) 22:06 | えりんぎ★★ #- | URL | 編集 | 返信

point Re: タイトルなし

チャ*さま。

こんばんは。
コチラのチャンミンの天然な可愛さ爆発をテーマに書いております。
リアルとかけ離れていきますが、コチラのチャンミンもきっとそのうちHERMESチャンミンのようになるでしょう( ̄▽ ̄;)
ユノの浴衣姿、見たいですよねぇ。
取り合えず妄想だけでも、、、

2018/09/02 (Sun) 22:00 | えりんぎ★★ #- | URL | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/09/01 (Sat) 23:29 | # | | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

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2018/09/01 (Sat) 10:19 | # | | 編集 | 返信

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