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HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

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あなたが笑えば~最愛~夏祭り12


































くん、と嗅げば火薬のにおいがする。
それに汗くさい。


離れに帰ってすぐチャンミンは窓を開け熱気のこもった室内へ風を通す。
明るい照明に照らされた身体は花火のすすで黒く汚れ、急いで風呂をためなくてはとチャンミンは忙しい。
浴衣の白に赤黒い斑点がいくつか、…これは今すぐ漂白すればとれるだろうか。


部屋の入口で突っ立ったままのユンホの周りをチャンミンは慌ただしく走る。
どいてどいてと言わんばかりに動きまわり、そのうち掃除まではじめたチャンミンをユンホは呆れ顔で眺め、次第に笑いをかみ殺すように肩を揺らした。
「はい、もうおしまい。」とユンホの片手がチャンミンの腰へ回され、軽々と引き寄せられる頃にはチャンミンの息はあがりじっとり汗ばむほど。


「そんなに動揺するなよ。」
ユンホの意地悪そうな笑顔は継続中で、
「っ、だって、エナさんが、…っ」
久々に耳を塞ぎたくなるようなエナの思い出話がここでまた出るのかとチャンミンは困惑していた。
「エナさん?」
「ん、…僕が昔、無理矢理ユノに悪代官をやらせたって。」
そんなくだらない話をエナだけじゃなくユンホまで覚えているとは勘弁してほしい。
項垂れたチャンミンの頬を大きな手が包む。
くいっと視線を合わされ、「無理矢理じゃないよ。」とユンホが笑った。
「まだ痩せっぽちのチャンミンがくるくる回って楽しそうに飛んでいくんだ。本当にどこかへ飛んでっちゃいそうで、俺も必死に捕まえたよな。」
「…アチコチぶつかって痛そうだったけどね。」
そうだった。
必死で捕まえる力強い腕が嬉しくて、わざと遠くに飛んだんだ。
「捕まえたあと、握り返してくる小さな手が可愛かった。」
誰にも必要とされず捨てられたチャンミンにとって初めての経験だろう追われ受けとめられる行為は嬉しさしかなく、しつこいほど繰り返し繰り返しユンホの手を望んだのだ。



「 どこにも行くなって言われてるみたいで嬉しかった。」
「ふ、…くるくる回んなくたってどこにもやらないよ。」


そう確認したくて、──何度も何度も。





自然と鼻先が触れ、くんっとお互いの匂いを感じあう。
恥ずかしいほどバカな遊びでもチャンミンにとって意味は深く、それをユンホは大きく包みこんでいた。
そして今さらながら泣けるほどの喜びにチャンミンは一回だけならくるくるする?と聞いてしまい、ユンホを大いに笑わせることになるのだった。




出来れば目の前の帯を解き、はだけた浴衣へ顔を埋めたいユンホだったが、よく見ればチャンミンはしっかり肌着を着込んでそれは無理そうだ。
キレイ好きのチャンミンがこのままコトへ及ぶのは嫌だろうとユンホは風呂へ行く?と聞いてやる。
ほっとした表情のチャンミンを抱きよせ一度だけ深い口づけ、それはくるくるしていいよ。なんて言う可愛いチャンミンに免じてつまらない嫉妬は忘れようというユンホのちょっとした譲歩だった。





「ユノぉ?」
一緒に風呂へ入ったものの、めずらしくさっさとあがったユンホを探してチャンミンは居間へ顔を出すがいないようだ。
窓は開けっぱなしで明かりも煌々とついたままだがユンホだから仕方ないとチャンミンは窓を閉め電気を消す。
以前は一人暮らしだったユンホが自分に任せて出来ないことが多くなる。
そんなことに喜びを感じる自分がチャンミンは情けないけれど、それでいい、もうずっと一生一緒にいるのだからとも思う。
寝室でほんの少し開けた障子の隙間からユンホは庭を眺めていた。
何食わぬ顔で立つ背中だが、これはユンホが照れてるときの仕草だとチャンミンは知っている。
どおりでめずらしく布団が一組だけしっかり敷かれていた。
そこに並んだ二つの枕にチャンミンは笑った。
少しだけはみ出た札。
それはチャンミンが最近になって二枚に増やした百人一首の札で、それもしっかり枕の下へ敷いたユンホへチャンミンは嬉しくて笑ったのだ。



「ね、ユノ?」
「ん~?」
チャンミンがいくら呼んでもなかなかユンホは振り向かず、背中ごしに返事を返すだけ。
なんだかそれがとても冷たく思え、もしかして浴衣の下に肌着を着ていたからユンホを怒らせたのかも、とシーツを直しながらチャンミンはおかしな考えに取りつかれていた。
汗っかきのチャンミンにとって肌着は絶対必要だとエナに言われてたし、チャンミンだってそう思う。
そして帰りの車内で見たユンホの浴衣姿を思い浮かべ、合わせの隙間から覗く男らしい体躯にチャンミンの脈が激しく拍動しだした。
意識せず帰ってきたけど、祭りの最中ユンホの浴衣はどうだったろう。
ゆったり合わせた衿元が大きく開いてたような。
あの湧き立つような色気を見せ放題にしてたのなら悪いのはどっちだよ!とチャンミンはどうしようもない怒りで震えた。
そして手に持ったのは枕。
勢いのまま投げつけ、それはユンホの背中でぼすんと跳ねた。


「痛っ、…チャンミナ?」
「ひどい、ユノ!」


振り向いたユンホはまったく身に覚えがないといった様子で落ちた枕を拾う。
「ひどいって、…枕が?」
「枕?なに言って、」
ふとチャンミンは枕があった場所へ視線を向ける。
そこにはチャンミンの宝物の札が二枚あるはずだった。
「枕の下敷きにしたのが気に入らなかったか?」
そう聞いてくるユンホへチャンミンは声がでない。
っうう、と小さく嗚咽し、ごめんなさいと謝りたいが言葉にならず、ユンホが照れ隠しで振り向けない理由がコレだったんだと気づく。




元々は牡鹿の皮を利用したものだけを指したというヌバックレザーのケース、それが百人一首の札を両脇にして置かれていた。
まさかペアリングがこんなところに隠されてるとはチャンミンは思いもせず、普段そんなことはしないユンホが百人一首の札を枕下へ置いた理由を思うと自然と笑みがこぼれる。
愛の告白を常に見せつけられてるようで恥ずかしいと枕下の札はユンホにとってあまり歓迎できるものじゃないらしいから余計に。



チャンミンは胸をいっぱいにしながらそれを手に取りケースの蓋をあける。
夜店の薄明かりで見るより艶のあるシルバーリングは思った通りシンプルなデザインで、チャンミンは二つ並んだほんの少し小さめのリングを手のひらへ乗せてみた。
「…キレイ、…」
「まだチャンミンは若いからシルバーがいいだろうと思って。」
「うん、…ユノがくれるのなら何でも嬉しい。」
そう言いながらチャンミンは胸にこみあげる思いを飲み込むようにリングを見つめ、ふいに内側が気になり透かすように覗いて思わず感嘆のため息を漏らした。


「ユノ、…桜、」
それはリングの内側で寄り添うように刻印された大小の桜、…そして、“Y to C”の文字。
「ん、…まぁ、さすがにサン太はないけどな。」
「ううん。いいんだ、…エルとかオーじゃなくても。」
「は?」
被せるようなチャンミンの呟きが最初こそ理解できないユンホだったが、すぐその意味に気づき緩む口元が抑えられない。
「チャンミナ。エルとかオーがよかった?」
っう、とチャンミンが言葉につまる。
ユンホがくれるものならなんだって嬉しいけど、
それが愛の告白つきならもっと嬉しいにきまってる。



そんな素直なチャンミンがユンホは本当に愛おしい。
「それは、次の楽しみにとっておこうか。」
言いながらユンホはチャンミンの腰を引き寄せ、リングを手にする。
アクセサリーにまだ興味のないチャンミンの、初めに指を飾るリングを贈りたかった。
そしてそれを今では自分とそう変わらないほど大きくなった手の薬指へ収めるのは、ユンホ自身でなくてはならない。





「…キレイ、…ぴったり、…」
はぁ、…と、ため息混じりのうっとりした視線がもうずっと自分の指へ向けられ、チャンミンの意識がそこから動くことはない。
「ね、ユノの手を貸して。」
そしてチャンミンがはめたユンホの指と自分のを並べてはまたうっとりと眺めた。
車中での様子といい今といい、これほどチャンミンが喜ぶとはユンホも予想外で、それは嬉しくもあり長い長いオアズケ状態でもどかしくもあった。
「チャンミナ、おいで。」
たまらず呼んだユンホへ、「…もうちょっと、」と返される。
チャンミンに関してのみユンホはせっかちだ。
もう我慢ならないと言うように強引に視線を合わせ、くりっと見開いた眸の端にキスをおとした。
そして鼻先を擦り合わせ、そこへも口づける。
額に頬に、最近すっきりと絞まってきた顎のライン。
顔中をユンホは甘く啄み、チャンミンの漏れる吐息をのみこんだ。



「…ユノぉ、…大好き。指輪、大切にするから。いっぱい大切にする。」
「ん、…俺はチャンミンを大切にする。」
ユンホの言葉にチャンミンは真っ赤になって、嬉しそうに何度もうなずく。
ユンホはチャンミンの指へ口づけ、自分のとそれをコツンと当てた。
それは何かの合図のようであり、決意の現れのようでもあった。



ユンホを取り巻く環境は決して安全とは言えず、人並みの幸せを与えてやれる保障もない。
願うのは誰の幸せなのかと問い、自己嫌悪におちいる夜だってある。
けれどやはり譲れないとユンホは思う。



この先何があろうと、チャンミンを幸せにするのは自分だけだと。
これまで何度も誓い、これからもきっと誓うだろう想いを胸に、


次にペアリングを贈るときは、“Beloved”と刻もう。
そうひそかにユンホは決めたのだった。









【Beloved …最愛】



fin.



*次回オマケ話あり R18につきご注意を*














*********************


おはようございます、えりんぎです。



『あなたが笑えば~最愛~夏祭り』はオマケ話を残して完結となります。



12話という短い番外編でしたが、もともと決めていたのは《夏祭りを楽しみにするチャンミンをロジンが邪魔する》という設定だけ。
あとは、《浴衣、バンビのお面、鯉の飴細工、花火、射的、ペアリング》などをお題のように絡めてみました。


バンビのお面で変装してコソコソするチャンミンや、花火の色を移すユンホの横顔しか視界に入らないチャンミン。
安全がモットーで、指輪に刻印された文字がエルとかオーだったら嬉しいけど残念ながら外れちゃったチャンミン。


それにライバル視していたサン太をお前が語るな!とジェハンにまで嫉妬の対象が広がったユンホや、へぇ、喧嘩するとチャンミンに輪ゴム鉄砲食らわされてるのね?なユンホだったり。



完全に妄想遊びですね。。。(〃∀〃)ゞ


どうもこの話は私のなかで世界観やキャラが確立されてるので、書きやすくってつい遊んじゃいます。





次回はオマケ話を鍵記事で更新します。
それで本当に完結です。



更新のあいだ、たくさんのコメントや拍手、ランキングへの応援をありがとうございました。



明後日は鍵つきなので新着には載りません。
ブックマークなどからご覧くださいね。



では!







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Comment

point Re: とりあえずひと段落

チャ*さま。

埼玉アリーナ!もうすぐじゃないですか。
それだけでドキドキわくわく幸せな気分になりますよね。
体調を万全にして楽しんできてくださいね♪


コチラの二人もまた何かありましたら登場しそうですよ~
いつもコメントありがとうございます。

2018/09/04 (Tue) 22:37 | えりんぎ★★ #- | URL | 編集 | 返信

point Re: タイトルなし

ch****さま。

こんばんは。
あ、はい。そうですよね。
完結ですが、またエピソードが浮かべば書きます!
私もこの二人好きです。
長々と書いて苦労して幸せにした思いがあるので思い入れも強いですし。
なにか妄想ネタなどありましたら、ぜひ!

2018/09/04 (Tue) 22:32 | えりんぎ★★ #- | URL | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/09/04 (Tue) 19:14 | # | | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

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2018/09/04 (Tue) 14:02 | # | | 編集 | 返信

point Re: タイトルなし

ne**さま。

二人が永遠でありますように。

ありがとうございます。
そうですね、誓いますよ~、私が(〃∇〃)

正直、冗談半分で書きはじめた妹との妄想遊びがここまで長く続き、たくさんの大好きを貰えるとは予想をしてなくて、本当にビックリで嬉しいです。


またちょこちょこ思いついたら書いていきますね。
あ、紅もお好きなんですか?ウレシイ
どうも私の話は“紅-クレナイ-の人”系か、“U GET ME”系で好みが分かれるようです。


短い話でしたが、たくさんのコメントをありがとうございました。

2018/09/04 (Tue) 11:27 | えりんぎ★★ #- | URL | 編集 | 返信

point Re: タイトルなし

sen****さま。

いつもコメントをありがとうございます。 
ちょっともの寂しい時に幸せになれる話が書きたい。と書いてきました。
同じように読んで幸せを感じてくださるなら、それほど嬉しいことはないです。
とても励みになります。


東京ドームを複数日参戦なさるのですね。
私は福井、名古屋、京セラです。
幸せで、感動して、たくさんの愛がつまったツアーがもうすぐそこです。


お互い、めいいっぱい楽しみましょうね!

2018/09/04 (Tue) 11:18 | えりんぎ★★ #- | URL | 編集 | 返信

point Re: あなたが笑えば 〜最愛〜

nomiさま。

コメントありがとうございます♪
ちょっとオフザケモードな今回の番外編でしたが、この二人はブレないのでとても書きやすいんです。
何かのイベントだったり、二人の成長だったり、これからも書いていけたらいいなぁ。
大好き。と言っていただけて嬉しいです。
少しばかりリアルと外れた“なんちゃって極道話”をこれからもよろしくお願いします。

2018/09/04 (Tue) 11:09 | えりんぎ★★ #- | URL | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

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2018/09/03 (Mon) 20:53 | # | | 編集 | 返信

point 管理人のみ閲覧できます

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2018/09/03 (Mon) 14:25 | # | | 編集 | 返信

point あなたが笑えば 〜最愛〜

あなたが笑えば は、大好き❤です。ユノのエロカッコ良さと、チャンミンの優しさ愛の深さを感じます。もう終わりだと淋しいですね。たまには、追加でお話継続して欲しいです。本当に大好きなお話でした。毎回ドキドキしたり、あったかい気持ちになったり、楽しみにしてました。ありがとうございました😊これからも、応援してます。いっぱいお話継続して下さい。待ってます。

2018/09/03 (Mon) 11:40 | nomi #- | URL | 編集 | 返信

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