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HOTミンな関係

天然なのにがっつり男なユノと賢く清廉、つんとしてもやっぱり可愛いチャンミンが大好きなほみんペンです。R18あり。

紅-クレナイ-の人18
































もし僕の耳が正常なら、
──おまえが、好きだ。と、確かにあなたは言った。



腰が抜けて立てない僕へ前屈みにユノさんが近づく。
左頬の絆創膏が痛そう、…なんて思ったのは一瞬で、すぐに目を閉じてしまった。
あの日の貪るような強引なキスじゃなく、優しく重ね合わせるようなキス。
確かな弾力が重なり、そのぬくもりに涙がでそう。
情欲を高めるキスと言うより、ただ目の前の存在を確かめ合うようなキスに想いが溢れそうで。
僕も好き。
そう言いたくて、少しだけ隙間をあけた。


それが、なんて間が悪いんだろう。
突然のノック音に此処がどこだか一気に思い出し、硬直した体がユノさんを道連れに雪崩をおこす。
驚いたのはユノさんも一緒で、僕を支える腕が間に合わず椅子もろとも倒れこんでしまった。
言い逃れできそうにない状況で更に挙動不審な自分が情けないけど、すぐに体裁を整え何でもないように振る舞うユノさんを寂しく思う自分がもっと情けないよ。


もしかして、さっきの告白は夢?
なんて、ほんの一瞬ばかな憶測で落ちたけど。
例えば、僕がドンジュさんに問い詰められないようさりげなく守ってくれたり。
ドンジュさんには悪いけど、二人きりになりたいのは僕だけじゃないってわかったから。
「ユノさん、…」
車の後部座席から運転するユノさんの名前をよんだ。
応えてくれなくていいよ。
僕の隣ではドンジュさんが目を光らせて恐いくらいだから。
そんな僕をバックミラー越しに覗き見て、ユノさんは緩やかに口角をあげた。
その照れくささを含んだ微笑みに、僕はくすぐったいくらい嬉しくなるんだ。




それでもドンジュさんを交えた三人で宿舎にいるのは変な感じだった。
とにかくもどかしくて気まずくて、それを誤魔化すようにドンジュさんにばかり話しかけてしまう。
そのうちユノさんは不貞腐れたようにソファーへ凭れテレビ番組に集中してしまった。
片足をテーブルに引っ掛けるなんて、いつもなら絶対注意する行儀の悪さだ。
けれど意識しすぎの僕は普段の態度すら取れず、機嫌を大いに回復させたドンジュさんとの会話に夢中になったりして。
ああ、夢中じゃないな。夢中のふりだ。
ドンジュさんとの会話は一瞬ですり抜け、僕の意識は長い手足を無造作に伸ばした人へと注がれている。
「明日も早いし、そろそろ寝るか?俺はシャワー浴びてくるから先に寝てていいぞ。」
おもむろにドンジュさんは風呂へ向かって、急に静まり返った部屋で焦ったのは僕だ。
もう、ユノさん、…このタイミングでテレビを消すのはよしてよ。心臓の音が聞こえちゃうじゃないか。


慌ててキッチンへ入り、冷蔵庫から水を取り出す。
落ち着くつもりが逆にペットボトルを落としてさらに焦るとか、…勘弁してほしい。
「あー、…水浸しだ、…」
こんな失敗、いつもなら絶対しないのに、…誰が悪いってユノさんが悪いよ。
背中を向けても突き刺すような視線を意識しない方が嘘だ。
普段は足音をさせず歩くくせに、どうしてわざわざ近づく一歩を知らせようとするんだよ。
トンと床が鳴るたび、僕の心臓が跳ねる。
そしてそれは、床の水たまりを拭き取る僕の背後で動きを止めた。
「おまえ、何してんの?」
そんなの見れば分かるだろ?と思うけど。
屈んだ僕の背中から覆い被さり、雑巾を握る手を包まれたら言葉なんか出なくて。
「それより忘れ物があるだろ?」
「え、…?」
強張る体が窮屈な格好でユノさんの膝の間に収まる。
捻られた首は痛いのに、ゆっくり落とされた口づけは優しくて。奪われた雑巾がきれいな放物線を描いてシンクへと消えていった。


「ユノさ、…っ、…ドンジュさんが、…っ」
慌てて引き剥がそうとする僕の体を勢いにまかせ回転するとか、…聞いちゃいないな。
「あー、…雑巾、…まだ拭いてな、…っ」
そのままシンクへ向けた視線を両手で戻され、──忘れ物、と神妙な面持ちで言ってくるから緊張してしまう。
「…わ、わすれもの?」
「返事。」
「…え?」
「返事、…聞いてない。」
今さら?と思うのは僕だけかな。
それよりドンジュさんが気になって仕方ない。
「ユノさん、…それはまた今度にしませんか?」
もっとゆっくり時間をかけて告白したい僕は我儘かもしれないけど、「嫌だ。」なんてユノさん、あなたも大概我儘だ。
「好きか、嫌いか、…簡単だろ?言えよ。」
そんな責めるように言われたら、言えるものも言えなくて。
「言わないとキスするぞ。いいのか?」って、ユノさん、それ脅しだね。
いつもクールな人の必死さが見てとれて、僕は思わず笑ってしまった。


そしてその真剣な眼差しに負けないよう、
「僕も、好き。」
小さいけど、しっかり、──呟いた。










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Comment

point Re: 残暑お見舞い申し上げます

ペコ***さま。

コメントありがとうございます。
お盆休みのため、ちょこちょこ書く時間が持ててます。
またエイネの準備がはじまると(Tシャツをリメイクしようかと、、)更新が滞っちゃうかもです。
楽しみにしてくださってありがとう。
とっても励みになります。
888888拍手、ほんとですねー、チャンミンっぽくないですか?88がいっぱい。
それ聞くと私も切り番挑戦したくなっちゃいますよ(*゚∀゚)=3
更新更新、、、

2019/08/14 (Wed) 22:40 | えりんぎ #nGQxvLy. | URL | 編集 | 返信

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/08/14 (Wed) 06:21 | # | | 編集 | 返信

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